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友達が欲しいなら聞き上手になろう

僕は学生の頃、特に高校生あたりには友人が非常に少なく、寂しい学生生活を過ごしていました。絵にかいたようなキラキラした青春を過ごした経験などありません。

部活にも入らず、授業が終わったらさっさと帰って、家でひとり楽器の練習をしたり本を読んだりして過ごしていました。

気を許せる一部の友人とだけ仲良く過ごし、新しい出会いを求めにいくような積極的な姿勢を持つ勇気がなかったのです。決して「あえて友達をつくらなかった」というわけではなく、ただ単に友達ができなかったというだけです。

そんな若い時代を過ごしていた僕も20代の中頃からは、多くの友人を作れるようになりました。たくさんの人と知り合うことができ、本当に有意義な時を過ごすことができたと思っています。

大人になってから友人が増えたことに対して「大人になったものだな」くらいに思っていたのですが、よくよく思い返してみると、その要因には僕が病気になった過去が関係していたことに気づきました。

僕は23歳の時に胃がんと診断されてしまい、治療やリハビリのために仕事を早期退職した過去があります。その後、療養だけをする無職の時期も経験することとなりました。

社会復帰を果たすべく、アルバイトから始め、その後の再就職に至るまで色々な場面で多くの人たちと知り合いました。

そういった局面で人と知り合いお互いを知っていく過程では、どの様な人生を歩んできたのか、経歴を話しあうことは少なからず発生します。

そういった時に「がんを患っていた」という事実を会話に出すと、その場の空気はどうしても重くなりがちです。しかし、この経歴を隠すと自分の説明をすることが難しくなります。

こんなことが仕事でもプライベートでもたくさんあり、人とのコミュニケーションに面倒臭さを感じていました。

自分の過去を話さずに人と仲良くなるためにはどうすればいいのか。治療やリハビリ以上に悩みながら考えていたことかもしれません。

そこで、ある時から僕は相手の話を聞いてたくさん喋ってもらい、自分に関心を向かせないようにコミュニケーションを取ることを覚えました。

自分の話をしたくないからこそ、相手の関心ごとは何にあるのか、この人は何が好きなのか、自然と傾聴する姿勢や共感を示す態度を取るようになっていったのです。

そうこうしているうちに、友達作りが苦手だった僕にもたくさんの友人ができるようになりました。思った以上に世の中は僕の過去のことなど気にもかけず、自分のことを気持ちよく話してくれる人たちばかりだったのです。

やはり友達が多い方が孤独な気持ちにならず、健やかに過ごすことができます。

思わぬかたちで手に入れた「聞き上手」の姿勢は今も役に立っている実感があります。今後もこの姿勢は維持し続けて生きていきたいです。

自己開示の機会が少なく息苦しさがあるのが欠点ですが、それはこのnoteで補っていこうと思います。みなさん、これからもよろしくお願いいたします。

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