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鹿島槍天狗尾根遭難の報告書から学び取ったこと(原文)①

学習院大学山岳部 昭和34年卒 右川清夫


鹿島槍ヶ岳(昭和31年1月)


「山と渓谷」昭和31年2月号より転載


 鹿島槍天狗尾根の遭難について主として気象的な観点から現場の状況を見て当事者の判断がどうだったのか、小生なりにいろいろな関係者からの情報にもとづいて遭難に至るまでの経過を記述して今後の参考に供したい。 尚、冒頭の故大井正一氏のこの遭難に対する気象考察は10年後に上梓された追悼誌“山木魂”に寄せられた遺稿であり基本的にはこの見解が、私の遭難原因に対する根底にあったが最近になって小谷明氏の証言から推察すると単なる大井氏の新雪表層雪崩と云う表現でも間違ってはいないがその後に制定された新しい分類の面発生乾雪全層雪崩(日本雪氷学会雪崩専門委員会分類名称1963年度)が正しい表現ではないかと思料している。 この遭難は目撃者のいない遭難であり、最後を見送った同じパーテーの小谷氏に確かめるしか原因を探る方法がなかった。

 本題に入る前に時あたかも、朋文堂昭和32年(1957)12月発行の“鹿島槍研究”吉田二郎著に我々の仲間が遭難した天狗尾根の積雪期の詳しい記述が述べられており、遭難現場付近のアウトラインについてあらかじめお読みいただくことを勧めたい。

国土地理院「1/25000」地図より

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