ゆとり世代のヒマラヤン・ドリーム

学習院大学山岳部　４年　吉田周平

　今回の登山の核心部といえば、馬が崖から落ちたことか、山桜会から承認をとることになるでしょう。 山桜会の承認は私が最も尽力した点であり、しかしほとんど大失敗に終わった点と言えます。 なんと直前まで反対の声が9割以上を占める中、永田秀樹監督の一存で行かせて頂いた状態でありました。

　「無理を通せば、道理がひっこむ」「ツアー登山」「京大の真似事」「ボタ山のぼり」「自己中心的」など様々な指摘があがりましたが、最終的に送り出して頂いた皆さまに本当に感謝しています。

　今の時代、組織に属することのメリットは従来よりも落ちていると言われています。 それは個人主義と言われますが、大きな団体の力よりも、少人数の個人の力によって世界を変えていく動きがあります。

　登山界でも、大学山岳部の衰退、日本山岳会は低迷し、8000ｍ登山は今ではシェルパの張ったFIXロープを辿る商業登山を意味しています。 一方で、特定の組織には属さない少人数の「仲間同士」がピオレドールをとり、本当に輝かしい活躍をしています。

　わたしたち学習院大学山岳部、及びそのＯＢ会である学習院山桜会は歴史ある大きな団体と言えます。 この時代に、この大きな団体をどう運営していくかは、非常に重要な問題だと思います。 どうやって、この団体に意義を持たせるかです。

　一つ重要な点は、果たして今回の登山を学習院大学山岳部として行うべきだったのかということです。 実際に学習院山桜会との話合いの中でも、個人として行くのはどうかと案が出たほどでした。 それはまさに今の時代の流れである団体から個人へ責任の中心を移すことでした。

　しかし、いろいろあっても振り返ってみると学習院大学山岳部として今回の登山ができたことは本当に幸せなことだったと思うのです。 「学習院の山岳部」の名前があったからこそ、京都大学とのつながりが持てましたし、学校側の多大な援助など、さまざまな方から応援して頂くことができました。

　私は一つ自信が持てる出来事が作れる場に山岳部はなるべきだと思います。 今回の登山がそれを考える例になればと思っています。 日々の部活動の先に、海外の夢がある部活はなかなか素晴らしいと思います。 自らチャンスをつくり、追い込まれても諦めず、最後まで踏ん張ったものには誰かがご褒美をくれるのだと、私はインドで学びました。

　喜びは頂の一瞬。 自分たちで見つけたラインを山に引けたことが何よりも嬉しかったです。

＜お知らせ＞
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皆さま、是非楽しんでください。

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