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こころの「道草の味わいかた」を探しに、旅に出ようと思うんだ。

夕焼けがあんまりにも綺麗で、思わず追いかけた。空が真っ赤に染まるのは一瞬で、でも、その一瞬がずっと続いて欲しかったんだ。

すごくさびしいときって
太陽が沈むところが好きになるよね……
(サン・テグジュペリ『星の王子様』)

思えば、夕焼けに向かって走ったあの瞬間に、わたしの中の何かがプツンと切れたんだ。

どういうわけだか知らないけれど、ある日、それまで自然にできていたことが突然できなくなることがある。わたしの場合、朝起きて仕事に行くこと。理由を挙げ出したら、きっとキリがないんだろうけれど、まだその理由にモヤがかかっている。

三連休を終えて、世間は明日から動いていく。だというのに、わたしの時間はとまっている。いや、正確には道草モードに突入する。

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小学生の頃のわたしは、道草が大好きだった。通学路の公園のブランコ、近道探し、冒険ごっこ……。ランドセルを背負ったまま町を練り歩いていた。道草によって見つかった小さな野花やそこでの想像の物語がわたしをわくわくさせた。

道草によって道の味がわかると言っても
それを味わう力をもたねばならない。
(河合隼雄『こころの処方箋』)

道草をしたからこそ、たのしかったこともあるけど、その分傘を持っていなくて雨に当たったり道に迷ったこともある。でも、それらから学んだことがたくさんある。
あの高いビルを目指して歩いたら、絶対に家に着く。
みたいな。

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そんなこんなで、明日からわたしは仕事に行かない。この三連休も決して体調が万全だったわけではないし、休暇をとって良かったと思っている。その反面、明日から周りは動いていくのにわたしはその道から逸れて行く。それが、ちょっぴり、こわい。

きっと、今のわたしは、小学生の頃あんなに好きだった「道草を味わう力」をどこかに忘れてきてしまったんだ。1人で考える時間が必要なことだって、今の体調で仕事に行くことだって難しいっていうこともわかっている。でも、そんなとき道草をどうおもしろがったらよかったんだっけ。。。

わかっているのに、わからない。
わたしは、明日からどうなっちゃうんだろう。道草をしたあと、昨日まで辿っていた道に戻ってこられるのだろうか。

わかっているのに、わからない。
そして、ここに、この東京に留まっているのさえ、ちょっとこわくなっている。

だからね、明日から、またちょぴっと東京を離れてみようと思うのです。『思い出のマーニー』のアンナみたいに、自然の中でぼーっとすることも必要かな。なんて思ってね。あと、休職中の後輩が外に出ようと誘い出してくれたので。こういうとき、えいっ!って外に出してくれる人がいることはとても大きいなぁと思う。じゃないと、いくらこわくても小さなわたしの部屋に閉じこもってしまう。


せっかくの機会だし。焦って考えるんじゃなくて、まずは心を空っぽにしてみようかな。そんなことを考えている。




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