#創作大賞感想 算数障害だと思って生きてきた
著者:なつき希さん
ちょっと、この感想文は、想いが強すぎちゃうかもしれません。
なんかもう、最初に読んだ時から、そして読み直してもなお、涙がぽろぽろ出て止まりませんでした。
長くなってしまうかもしれませんが、どうか最後までお目通しください。
このエッセイは算数障害を持つ、なつきさんご自身の経験をもとに書かれています。
算数障害って何?と思った方はまず、なつきさんのエッセイを読んでいただけると分かりやすいです。
なつきさんのエッセイの冒頭で、私の著書である『算数障害の人が見ている世界』(Kindle電子書籍)をご紹介いただきました。
この本は、私が「書くを仕事にする」と決めた時から「絶対に表に出す」と決めていたテーマでした。
万人に「算数障害」を知って欲しい、のではなく、今まさに苦しんでいる子どものためにそうしたいと思っていました。
だけどそれをどこでどうやって形にしようか、大変悩みました。noteで出そうか、それともKindleで?いえ、一番は紙の書籍になって書店に並んで欲しい。多くの悩める方に届いて欲しい。それが一番の願いでした。ですが商業出版というのはそんなに簡単なものではありません。
まずは第1歩として、Kindleの電子書籍という形を選びました。
著作権の関係でKindleとnoteで同じ内容を投稿することはできません。ですのでKindleで書籍をリリースした私はnoteでは同じような記事を出すことが出来ませんでした。
このままじゃ、本当に必要な人に届かない。
そういう焦りもありました。
なつきさんとの出会いは偶然でした。
本当にたまたま、知り合った直後にこの本をリリースしました。
なつきさんはすぐにそれに応えて「私も同じです!」と言ってくれたのです。
そこから色々とお話しさせていただき、今回、なつきさんもまた「算数障害である」ことをnoteという場所で書いてくださいました。
このエッセイを読んで、私もまた首がもげるほど頷きました。
本当に、同じで、私はなつきさんのエッセイに救われたと思いました。
これまで「私も算数苦手」って言う人とたくさん出会って来たし、算数障害について執筆した電子書籍に対しては優しい感想をたくさんいただきました。算数障害というものは確実に実在してるはずで、関連書籍も読んできました。
でも本当の意味で「同じ」という人=当事者はいませんでした。
なつきさんのエッセイには「私だけじゃなかった」という、救いがありました。子どもの頃、自分だけがこの世の中で出来損ないだと感じていたその気持ちに、「同じ人がいるよ」と寄り添ってくれました。
なつきさんは小学校でお仕事されていたそうです。
そのご経験のある方が算数障害をカミングアウトするのにどれだけ勇気がいったのでしょう。本当に、すごいことだと思います。
繰り上がりが覚えていられない、九九が覚えられない、量や長さの感覚が分からない、数字の羅列が覚えられない。
これが日常生活にどれだけ影響を及ぼすか、なつきさんの言葉で丁寧につづられています。
あぁ。そうだ。言われてみればその通りです。
もう、あまりに数字ができないことが当たり前で生きてきたので、「大人になってから困ることはあんまりないな」なんて思っていました。
だけど、そんなはずなかった。
算数障害がある人が見ている世界はやっぱり普通の人より生きにくい。生きにくかったのに、見て見ぬふりをしたまま生活していたことに改めて気がつかせてくれました。
なつきさんの願いも、私の願いも同じです。
自分と同じような思いをする子どもが減りますように。
だんだんと世に浸透してきた「発達障害」
その中でも「算数障害」というものがあることを、ぜひ知って欲しいと思います。
たくさんの方に知られることで、一番困っている子どもたちとその保護者の方に届きますように。
▼なつき希さん著
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