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亜熱帯のさなか

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書いた詩を ここにまとめています。 若いころに書いた詩なんかも、織り交ぜながら 記憶を どこかに メモするように 細々と 書いています。
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#小説

焦り

わたしの 隙間を
言葉で 埋めたい

石の階段を
むせぶ程の緑の匂いを
背後に

わたしは
脆い

なんとかして
言葉を 紡ぎださねば
#詩 #詩を書く#焦り#詩作#小説

含まれているのだ、僕らは

宇宙が
手の届く範囲にある場所
に 僕等は 今 居る

宇宙って なんだろう
僕等は 今 宇宙の中にいる

宇宙の中にいる

何ひとつ
隙がない
宇宙の中にいる

だのに 僕は
なんだか 少し 淋しかった

ため池で
さかなが
泳いだ後みたいな
天の川が

ああ、そうか
宇宙って 淋しいんだ

涼しくて
無駄なものが なんにもなくて
ないから 淋しいんだ

流れているから
淋しいんだ

僕等は

もっとみる

融合

目が醒めると
朝から じっとりと
雨が降っていて

今しがたまで みていた夢と
それが 融合して
色落ちしてしまった ウールのセーターみたいな
情けない気持ちになった

やましいことのない
あるべき姿のまま
気取った装飾はない

きっと
あの人は
元気にしているのだ

会いたくとも
会いたいと言えない

雨を しばし 眺めている
#詩 #小説#記憶#融合#三文詩

迷い

憂いや
砂のかたまり
眠り

わたし

よろこびに
満ち満ちて
光さすほうへ
#詩 #小説#記憶#迷い#言葉をつづる

無題

帰ろうと思えば
すぐに 帰れる距離だったのに

あなたも
こちらに来ようと思えば
来れる距離だったのに

遠ざけていたのは

つまりは
遠ざける
ちゃんとした理由と
いるべき 場所の相違だけだった
#詩 #書いてます#記録#小説 #三文詩

きれてない糸 つづく形

ようやく 知ることになる

紡いできた時間は
瞬く間に
するすると
ほつれていって

また 元の木阿弥

それで 良かった
それで

先など なくても
その都度
確かめながら
紡いでいくのだから

糸は
途切れて いなかった
#詩をよむ #詩#記憶#小説