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気になった、あちらのサイエンスニュース【6/8】 NASAの目玉企画が金欠でピンチ。

俺たちはふんいきで科学をやっている。
コーエー信者の私が気になった、海外のサイエンスニュースをクリップしています。



磁場の弱体化が、海洋生物の大躍進を促したか。

有害な宇宙放射線から生命を守る、地球の磁場。

しかし約5億9000万年前のブラジルの岩石を調査した、ニューヨーク州ロチェスター大学の地球物理学者、ジョン・タルドゥーノによると、当時の地球の磁場は現代の約30分の1であったということです。

そして彼は、この時代に海洋生物が大幅に増加した原因が、この磁場の弱体化にあるのではないかという説を唱えています。

磁場が弱かったことで、宇宙からの高エネルギー粒子が増加し、大気中の水分子をバラバラにした。そして軽い水素分子は宇宙に逃げたが、酸素分子は地球に留まり、海洋中の酸素量を押し上げただろう。

そしてこれは当時(エディアカラン時代)の、より大型の海洋動物に酸素を提供し、海洋の大型生物の誕生を促したのではないか、というのがタルドゥーノの仮説です。

一般的には、磁場が弱まると生命が危険に晒されると言われていますが、条件によってはある種の生物カテゴリーには優位に働くのかもしれません。
やはり自然は複雑怪奇ということでしょうか。


予算難でNASAの目玉企画が危機に。

アメリカの宇宙探査における予算削減は、NASAの計画やミッションに深刻な影響を与えています。特にダメージが大きいのが火星探査です。

2033年までに火星からの岩石や土壌のサンプルを地球に持ち帰るべく、華々しくスタートしたNASAのMars Sample Return (MSR) ですが、予算削減によりその行方に暗雲が立ち込めています。

2021年に火星に到着したパーセバランス・ローバー君は現在、ジェゼロ・クレーター付近をウロウロしながら、岩石サンプルをせっせと小さなチューブに詰めている最中。最終的には合計38個のサンプルを集めることを目標としています。

最終的には2基の宇宙船を乗り継いで、地球にサンプルを持ち帰る予定ですが、当初NASAはこのミッションとして見積もっていたのは、50〜70億ドル。
しかし独立委員会が、「いやいや、120億ドルくらいかかるんじゃね?」と指摘したことで、雲行きが怪しくなりました。

現在NASAは、同ミッションのスタッフ350人をレイオフするなどして、予算の確保に奔走していますが、苦戦中。目玉企画が大ピンチです。

金ねンだわ。


ジャイアントウイルスが北極の氷を救うか。

毎年春になると北極でも生き物たちが活動を再開します。
ホッキョクグマなどの動物だけでなく、雪氷藻も元気に花を咲かせ始めるのですが、この藻類の花は黒ずんだ色をしており、そのため太陽光の反射が低下し、氷の融解を促進して、地球温暖化を早めてしまいます。

しかしオーフス大学環境科学部のラウラ・ペリーニ博士研究員らは、雪氷藻の繁殖を制御する方法を発見した、かもしれません。
彼女は、藻と一緒に氷の上に生息するジャイアントウイルスを発見したのです。

1981年に初めて発見されたジャイアント・ウイルスは、海中の緑藻に感染することに特化していますが、今回のように氷や雪の表層で発見されたのは初めてです。

ペリーニ博士は、ウイルスが雪氷藻をパクパク食べることで、藻の大発生を自然に制御するメカニズムとして働くのではないかと期待しています。

しかしジャイアントウイルスは比較的新しい発見のため、活性遺伝子のメカニクスなど未解明な点も多く、多くの課題が残されています。


注意:ふんいきで書いてます。


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