青森・田村ファミリーのすごすぎる手作り生活 PART5「調味料は塩だって手作り」編
青森県にすごい家族がいる。
過去に何度もテレビで取材され、「超節約家族」「究極の0円家族」「自給自足家族」などのキャッチフレーズで紹介された。
わかるとおり、田舎で自給自足生活を送る家族だ。
書籍『都会を出て田舎で0円生活はじめました』の中から、田村一家のすごすぎる手作り生活の様子をシリーズでお届けしている。
今回は、調味料は塩でもみりんでも味噌でもなんでも手作りする田村家の食事作りの様子をお届けする。
みなさん、はじめまして。僕の名前は田村余一といいます。
我が家は、青森県にあるとある平屋。家主である僕と、妻である嫁さん、そして息子の3人暮らしをしています。 よその家とちょっと違うのは、その家がぜんぶタダでもらった廃材でできていて、建てたのは大工さんではなく、家主自身が1から建てた手造りの家だということ。 そしてもう一つ違うことといえば、我が家では電気・ガス・水道を契約していない。スーパーでの買い物もあんまりしない。ほとんどお金を使わない生活だということだ。
えっ、それで生活できるの? と思うかもしれない。 できる!家族3人、充分に生活できている。そんな僕たちの「手作り生活」の様子を、書籍から抜粋してご紹介させていただきます。
海水から塩を作る
人間の生命、肉体の健康を維持していくというのは人生においてメッチャ大事なこと。それが損なわれちゃうとなにをするにも大変だ。僕らの体は食べた物で作られていると言っても過言じゃない。体に良いものを食べていれば健康になるし、逆に悪い物を食べていれば不健康になる。特に現代人ってのはミネラル不足だと言われ、それをサプリメントで補う人も少なくない。
ちなみにミネラルっていうのはこの地球上の土や水、空気に含まれている微量の金属元素やハロゲン元素のことで、人間の生命活動を支えてくれるもの。まぁもともと、自然の中に豊富に含まれているものだからドラッグストアなどで買うような代物ではないんだけど、いかんせん今どきの人間の生活環境は便利さを追求したあまり、自然を結構なレベルで排除してしまっている。自ずとミネラル欠乏に陥るわけだ。
我が家はなるべく自然のものを生活に取り入れて生活するようにしていて、主たる食べ物を作り出してくれる家庭菜園も自然有機栽培だ。土の状態を自然に近いものにしている。いちいち土壌を調べることはしないけど、僕ら家族もニワトリたちも毎日元気に生きている。
前置きが長くなってしまったけど、そんなとっても大事なミネラル。なんと!海水にはすべて含まれている。つまり、地球上の元素が全部入っているってこと。これってスゴくない?まさに母なる海だ。
これをゲットしない手は無いぜってことで、我が家はわざわざ車で30 分以上かけて太平洋までお出かけして海水を汲んでくる。ゴミの漂着や生活排水の影響が極力無さそうな、キレイな海藻類がゆらゆらしている磯の海水だ(海水って密漁にならないからいいよね〜)。
その海水を自宅まで持ち帰り、あとは昔ながらの製法でひたすら加熱して水分を蒸発させ、塩を取り出す。海水の塩分濃度は3%だから、100リットルの海水から採取できる塩はおよそ3キロ。ニガリを取り除き、いよいよ結晶化してきた純白の塩を取り出すときの喜びはまさに「ヒトシオ」。これは現代主流になっている、電気分解のイオン交換膜法で作られた塩化ナトリウムではおそらく味わえない感動だ。
できあがった塩は主に我が家で作る調味料(塩麹など)や漬物、味噌に投入されて食卓を美味しくしてくれる。しかもミネラル豊富。うーん、ありがたい!
こうした我が家の塩作りは冬の恒例行事。なぜなら毎日、薪ストーブで火を焚くから。調理以外のときは常に海水入りの寸胴鍋を薪ストーブの上に載せておく。暖房ついでに徐々に海水の水分は蒸発して、乾燥しがちな冬のお部屋の加湿器に。
いい感じに海水が減ってきたら土鍋に移し替えて木ベラで析出してきた塩を掬い取る。部屋を暖めるついでの、一石二鳥の塩作り。もちろん、燃料は廃材だからタダ。ホッホッホ。毎年10キロ近く、ミネラルたっぷり、自家製の塩をゲットさせていただいております。
他にもこんなものも手作り!我が家の調味料シリーズ
塩…… そのまま塩としてお料理に使うことはほとんどなく、味噌や塩麹に加工したり、漬物や塩漬け保存に利用。
味噌…… ここ数年は自然栽培農家さんから大豆を購入して手造りの米麹と合わせて仕込んでいる。今年から畑の面積が増えたので少しずつ大豆も自家製でまかないたいところ。
醤油……
2年連続で納豆菌に侵され醤油の仕込みに失敗。今のところ購入している
が、今後引き続きチャレンジ予定。
柿酢…… 秋に熟れた柿を潰して待つだけでできちゃう優れもの。3年待った黄金の柿酢は炭酸割りで飲めちゃうほどフルーティーで豊かな味わい。
みりん……21年の冬に初チャレンジして熟成中。上澄が少しずつ変化する姿がキレイで待ち遠しい。もち米を炊いて焼酎を入れるだけなんだけど、コストがかかるので今後どうするかは考えたいところ。
塩麹…… お料理に単体で使うことは少なく、玉ねぎ塩麹・にんにく塩麹・レモン塩麹などにアレンジすると使い勝手がよく、旬の香りを長く楽しめるので重宝している。
醤油麹…… うちにきて仲良くなった人にまず、お土産として持たせるのがこの調味料。出汁の旨味が抜群でなにに加えても美味しい。納豆にかけたり炒め物のほか、カレーの味の決め手になる万能調味料。
〈我が家の保存食の例〉
季節のものを旬な時期にいただくのが基本。あまった食材を乾燥させたり、長い冬を乗り切るため、保存食にして補う。
春 → 山椒の醤油漬け 梅干し
夏 → トマトの缶詰 ズッキーニのピクルス 紫蘇ジュース
秋 → 生姜の甘酢漬け たくあんと干し菜 赤かぶ漬け 干し柿
冬 → 塩 米麹
本を読まない人のための出版社 サンクチュアリ出版
https://www.sanctuarybooks.jp/
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