さんちゅ/マイク

中小企業の元採用担当。土日はサッカー、障がい者施設ボランティアなど。 最近ようやく小…

さんちゅ/マイク

中小企業の元採用担当。土日はサッカー、障がい者施設ボランティアなど。 最近ようやく小説執筆を再開。ここでは書きたいもの、言いたいことを書く。 待っていても何も起きない。人生やりたいことをやりきるには、自ら動くしかない。 一人でも世界を変えてみせる。

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最近の記事

生きる自由と死ぬ自由

人は生まれてくる時と場所も、親も選べない。 本人が生きたいと思って生まれてくるのかもわからない。 だから生まれる自由というのは存在しない。 社会は自由ではない。多くの人間が共生しているため制約がある。そこから逸脱すると処罰される。 生育環境に応じた広さの檻が用意されるだけで、そこから出ることは出来ない。出ない方が幸せだと教育される。 それはつまり生かされているだけで、主体的に生きる自由は持っていない。 だから時々考える。 唯一自らの意志で選べるのは、死ぬ自由では

    • 人間にも消費期限はあるのかもしれない

      いつも考える。 自分の存在する意味は何かと。 誰の何の役に立っているのかと。 悩んでも答えは出ない。たぶん役に立っていないのだ。 人が人に何か影響を与えられるなんてただの傲りで、人はそんなに大した生き物ではないのだ。  時々私は考える。 人はなぜ死ぬのか。 自分だけの仮説だが、その人の人としての消費期限が終わりを迎えたからではないかと。 人はたぶん、生きているだけで生命体パズルの1ピースであり、想定外の死はこのパズルのごく一部地域の破損を短い間引き起こすけれど

      • 教えてください。目が見えない人は、友達や知り合いをどう識別しているのでしょうか?

        先日と言ってももうだいぶ前になるが、 白杖のあの子に会いたい 白杖のあの子に会いたい2 を書いた。どうしてもまた会いたいと思うけど、未だ同じ路線を利用して再会は出来ていない。 こういうご時世だから、悪意ある人間かもわからないので、知っているけど教えていいものか、と、もし迷っている方がいるなら、もちろん気の済むまで悩んで欲しいし、遠慮なく質問して欲しい。 以前にも書いたけど、目が見えない人はどうやって友人や知り合いを識別しているのだろう? 想像だけど、見えない人同士

        • 2019/12/16 池袋駅で白杖の男性を手伝う(失敗)

          2019.12.16 昼前西武池袋駅を降りて、改札に向かう途中、たぶん二十代くらいの白杖の男性が、人混みの中で戸惑っているのを見かけた。 手伝いましょうか? と聞くと、改札を抜けるまでお願いしますとのこと。 右肘を貸して歩き出すと、珍しいことに、改札までの直線が、人通りが切れて開いた。ついホッとしたせいで私は2つミスをしてしまった。 一つは、 あと5メートルほどで正面に改札です と言ってしまったこと。 いつもは共に歩くスピードから目分量でも必ず、 あと10歩ほどで改

        生きる自由と死ぬ自由

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        • はるかなる
          9本
        • 暁に恋して
          13本

        記事

          2018/11/23 池袋駅で白杖の男性を手伝う

          2018/11/23 夕方、池袋駅で白杖の男性を見かけた。 私は西武に向かう途中で、方角が違ったから正直面倒だと思ったけど、気になって見ていたら、JRの改札を出て右斜め前の催事のお菓子屋の店内に迷い込んで困っていたので、手伝うことにした。 ここはお店の中ですと声をかけると、いつもこの道を通ってエスカレーター前まで行っていたので困っていたという。 その位置からは、お菓子屋の壁と商品と、その周りの人混みとでエスカレーターは全く見えなかった。 とりあえず肩を貸し、店を抜

          2018/11/23 池袋駅で白杖の男性を手伝う

          2018/9/22 NPO法人りんご村のボランティア

          *このページは過去の自分のamebloからの転載です。 2018/9/22土曜日 朝からNPO法人りんご村のボランティアに行って来ました。 りんご村は、台東区で重度障害者の親達が立ち上げたNPOで、今では職員も事務所もあります。 この日は「秋のレクリエーション!バーベキュー」というテーマで10:15 amに、南千住駅から徒歩15分の汐入公園バーベキュー広場に集合。 私達ボランティアが先に集まり、あとから送迎車で来る利用者さん達を迎えて、共に調理するという段取りでした

          2018/9/22 NPO法人りんご村のボランティア

          2018/10/07 障害者施設のボランティアについて

          *このページは過去の自分のamebloからの転載です。 私は2年くらい前から、色々な障害者施設でボランティアをして来ました。 とても楽しくて、少しは自分の心が寛容になったかな、なんて思っていましたが、同時にずっと思っていたのは、自己満足のために受け入れてくれた施設を利用しているだけなんじゃないか? ということ。 施設はどこも人手不足で、助けを必要としています。 であれば、少しでもその楽しさを伝えることができるなら、そして1人でも多くの人に知ってもらえて、ボランティアに興

          2018/10/07 障害者施設のボランティアについて

          人は害なのか

          新型コロナウィルスが猛威を奮っている。 感染者数を減らすことは大切だ。どこかで食い止めなければならない。 だから理解は出来る。ソーシャルディスタンスの確保や、ビニールシート越しの接客や、接客自体の廃止も。 みんなで集まって遊んだり、飲んだりすることも出来ず、学校にも行けないことも、職場で勤務出来ないことも。 しかし、その結果生まれるのは、自分以外は害であるという超独善的社会だ。 咳一つされただけで感染したらどうしてくれる、と敵意が生まれ、ソーシャルディスタンスを侵害

          短編小説「はるかなる」作 清住慎   ~8~ end

           8.  行き先は、関東を少し外れた、海の見える温泉街である。社員全員で温泉のある宿に行き、宴会をして一泊して帰る。それだけのことだ。だが昨今は不況により社員旅行を実施する企業が激減しているということだから、私達はそれなりに恵まれているのかもしれない。  早起きをして集合し、二台のバスに分乗して高速道路を走る。最初ははしゃいでカラオケや酒盛りをしていた連中も、そのうち飽きて眠り込んでしまった。隣の席にいる瑞穂も、私の肩に頭を預けて寝息を立てている。  遥佳は別のバスに乗

          短編小説「はるかなる」作 清住慎   ~8~ end

          短編小説「はるかなる」作 清住慎   ~7~

          7.  その日の夜、私は二回も自慰で放出した。動画は見ていない。頭の中で、自分の思うままになる遥佳と何度も性器を擦り合った。明確な拒絶の言葉を突きつけられたことで、行き場を失った遥佳への思いは私という火山の中でマグマとなって膨張し、右腕を媒介にして噴火した溶岩は精液となって体外へ溢れ出た。  果てた後の、男特有の虚しさと共に胸に残るのはせつなさだった。  この気持ち、どうすればいい?  真剣に考えてみる。キスの理由を説明するチャンスをもらえなかった以上、今後の選択肢は

          短編小説「はるかなる」作 清住慎   ~7~

          短編小説「はるかなる」作 清住慎   ~6~

          6.  翌朝、私は少し緊張して会社のドアを開けた。  いつも通りならば、遥佳はあと数十分後に出社して来るはずだ。やはり今日は気まずくなるだろうか?   としても特に対処方法はない。結局は普通にしているのが一番いいのだ。私が変に意識すれば、彼女も困ってしまうだろう。  私はいつものようにコーヒーを入れ、パソコンに向かってメールのチェックを始めた。  しばらくして、ドアノブがカチリと回る。私の身体はそれにピクリと反応する。あえてドアの方は見ずに、少しディスプレイへ身を屈

          短編小説「はるかなる」作 清住慎   ~6~

          短編小説「はるかなる」作 清住慎   ~5~

          5. 「かんぱーい」 「お疲れさまぁ」  皆が口々に唱和する。一気に中ジョッキの半分ほどを空ける者もいれば、ショットグラスに口づけする程度の者もおり、各自気ままなペースで飲み始める。  ほぼ全員が健診を終えたその夕方、「とにかく飲みたい!」と叫び出したのは瑞穂だった。聞けば男性社員の中にも健診のために控えていた者が結構いて、すぐに五、六人が同調した。  瑞穂が来れば、必ず遥佳もついて来る。私に否やのあろうはずがなかった。楽しみにしていた新発見のワイン・バーは体調が完璧

          短編小説「はるかなる」作 清住慎   ~5~

          短編小説「はるかなる」作 清住慎   ~4~

          4. 「洋一さんの好きにして」 と、遥佳が吐息のような声で耳元に囁き、私の首に手を回す。私は既に火照りを帯びた彼女の身体を自分の体内に取り込むかのようにきつく抱き締め、それからもう何も身につけていないその背中にそっと指先を這わせた。 「あ」  と、小さく声を上げ、遥佳がピクンと身を仰け反らす。そのままちょっと目を閉じ、すぐに潤んで妖しげな輝きをまとった瞳を真っ直ぐ私に向けてくる。私はそれを正面から受け止め、彼女の耳の付け根にキスをする。  すると彼女は敏感に反応し、私

          短編小説「はるかなる」作 清住慎   ~4~

          私達はいつもマイノリティのことを忘れてしまう

          東京で緊急事態宣言があった。 不要不急の外出は控えるようにとのアナウンスもあった。 色々と苦しかった。 6月に何とか解除された。嬉しかった。 以前の暮らしとは程遠いけれど。 7月になり、8月になった。 一通のLINEが届いた。 高校時代の恩師が歩行困難になってしまった、と。 元々病気のリハビリ中だったときに緊急事態宣言となり、家から出られず、リハビリが出来ず、歩行困難になってしまった、と。 ショックだった。恩師の状態が、そして自分のことしか考えていなかった自

          私達はいつもマイノリティのことを忘れてしまう

          短編小説「はるかなる」作 清住慎   ~始めに~

          大人のラブストーリーを書きました。以下、あらすじです。 --------------  桐洋一は、妻帯者であるのにいつからか同僚の三宮遥佳を夜ごと思い、自慰に耽っている。会社でもそのボディラインから目を離せず、一言の会話にすらに内心驚喜するほど。  あるとき、会社の飲み会では必ず遥佳が右隣を開けてくれているのに気づき、遥佳も自分のことが好きなのではと思う。  健診後の飲み会で偶然遥佳と二人きりになった洋一は、我慢出来ず遥佳に濃厚なキスをしてしまう。翌朝遥佳を飲みに誘う

          短編小説「はるかなる」作 清住慎   ~始めに~

          短編小説「はるかなる」作 清住慎   ~3~

          3.  株式会社ルビアは、社員総数五十名程度の不動産管理会社である。誤解されやすいが、土地や建物を売買したりするのではなく、アパートやマンションの管理や清掃、施設維持など、言ってみれば管理人の仕事を請け負う会社である。  ビルの二階と三階を借りきっており、二階には実際に管理業務を遂行する部隊、三階には営業と事務部隊が入っている。  私は庶務部総務課の所属で、三宮遥佳は経理課の所属である。席は離れているため、日中仕事以外で話をすることはほとんどない。  既に始業時間は過ぎ

          短編小説「はるかなる」作 清住慎   ~3~