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1日目:満員電車の窓にうつる未来/3日小説

~プロローグ~

知ってますか?
世の中は不平等にできており、実に皮肉めいていることを。

気づいていますか?
ちゃんとしている気になっているだけで歯車の一部になっていることを。

選択していることを忘れてはいませんか?
今この瞬間の生活を選んだのは自分であるということを。


分かっているって?
何を言い出すんだとでも思いましたか?
何らおかしいことは言っていません。
事実を述べているだけなのですから。

でも皮肉に聞こえるって?
わかってますよそのことについては、、、、、。


実に皮肉めいたぼやきのような独り言を、
6畳ワンルームの部屋から綴る私は一体何者なのだろうか。
そんな考えすら皮肉めいているように感じるのは、
おそらくこういう性格だからとでも言っておこうか。

そんなこと言いながらここまで読んでくれたのだから、
しばしアラサーのぼやきを見ていきなよ。
案外他人事には聞こえないかもしれないしさ。
あなたの代わりに少しぼやこうか。

さあそこの席に座って、
少し話をしよう。

コーヒーにミルクはいりますか?


~1日目:満員電車の窓にうつるのは、、、~

電車のアナウンスが鳴り響いた。
今日は格段に眠い。

1時間鳴りっぱなしのアラームのせいなのか、10分で仕上げたメイクのせいなのか、
はたまた時間関係なく鳴り響く社用携帯のせいなのか、、、
思いつく要因はどんどんでてくる。

眠い目をこすりながら、
音楽とともにホームに入ってくる電車を眺めた。
ぎょーさん今日もおるなあ、、、、、、

東京に来てすぐのころ満員電車に乗るのが嫌で何本か電車を見送っていた。
それでも足取りは軽く、仕事に向かう電車の中で
今日行う事を思い出して出勤をしていた。

そう、言うならばキラキラしていた。

笑顔が良いといわれていた。
そんな人間だったのに、今窓に写る顔をみて別人かと思った。

疲れて目が死んでいた。
そして周りの目も死んでいるように見えた。


その光景をただ眺めていた私だったが、
なぜかその日は違っていて怖くなったのだ。


なんでこんな死んだ顔しているのか。
やりたくて就いた仕事ではなかったのか?
稼ぎたくて就いた仕事ではなかったのか?

あと何十年もこの顔で私は過ごすのだろうか?


世の中は不平等であるけれど、
不平等であることと不幸な顔して過ごす事はイコールではないはずだ。
この顔のまま、
こんな顔が毎朝うつる満員電車で私は人生を終えたくはない。
無性にそう思った。


でも明日から急にこの生活をかえられるわけではない。


でも少なからず、
この死んだ顔をやめることはできるように思えた。
とりあえず今日帰ったら転職サイトでも覗いてみよう。

これが3日坊主で終わったなら笑えばいいや。


変えようと思って変われる人間は一握りのように思う。
だがしかし、変えようと思っても行動しないやつが変われる可能性はゼロだから。

とりあえず少しやってみればいい。


同じことを繰り返したって
満員電車にうつる未来は変わりやしないのだから。


さあ今から変わるのは誰だ。
1日目終わり。


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