森川 紗名

【ライター/batons writing college 1期生】食品メーカー採用担当…

森川 紗名

【ライター/batons writing college 1期生】食品メーカー採用担当 12年 ⇒育児に専念 ⇒バトンズの学校入学。4歳のおんなの子の母。noteは週1程度でのんきに更新。どら焼き、回転焼きが大好き。食べるマガジン『KUKUMU』連載中です!

マガジン

  • 食べるマガジン【KUKUMU】

    • 38本

    「ひとくち、ひとやすみ。」がコンセプトの食べるnoteマガジン、KUKUMUです。4人のライターと、ひとりの編集者でお届けしています。毎週水曜日、夜21時ごろ更新予定。現在はお試しの気持ちも込めて無料ですが夏以降は有料にし、収益でzineなどにまとめられたらと思っています。

  • 『KUKUMU』の別腹

    • 22本

    記事を書くライター4人と、マガジンを主宰する編集者1人が、それぞれ『KUKUMU』について書いたnoteです。決意表明だったり、あとがきだったり、考えていることだったり。別腹として、お楽しみください。

最近の記事

わたしのプロフィールとお仕事依頼

ライターになって2年目を迎えたのを機に、経歴や執筆実績、お仕事の依頼方法をまとめました。現在お仕事を受付中です! ご依頼・ご相談は、TwitterのDMよりご連絡ください。 経歴 関西学院大学法学部を卒業後、食品メーカーに入社。おもに採用担当として12年はたらきました。子育てに専念する期間を経て「書くことを仕事にしたい」とムズムズ思うように。一念発起し、トップライター・古賀史健さんが主宰するライターの学校『batons writing college』へ入学。師匠のもとで

    • ハッピーごはんの現在地 #KUKUMU

      20代。かつて独身だった頃。私にとっての「ごほうびメシ」は、どこぞのレストランバーで飲む香りのよいクラフトビール。キリっと冷えた辛口の白ワイン。おいしいお酒にマッチする小洒落た前菜。スペインの生ハム ハモン・セラーノ、白カビチーズのブリア・サヴァラン、枝付きレーズン。それに豚レバーペースト……。 横文字ばかりの、正体がイマイチ判然としない食べものが好きだった。ちょっと背伸びが必要な雰囲気や、見知らぬハイソな世界観に特別惹かれた。 今から思うと、20代の私にとってのごほうび

      • 「どら焼き」を食べたくなる映画のこと。#KUKUMU

        私はどら焼きが好きだ。 いや、きちんと正確に言おう。どら焼きは、好きになろうと決めて好きになった。私にとって特別な食べものだ。 きっかけは、今から3年前。「好きな食べものについて言葉を尽くして情熱的に語れるようになったら、人生ゆたかだろうな」とふと思い立ったことだった。 なぜ好きなのか、どう好きなのかを明文化してみよう。そうすればきっと、その食べものをもっと好きになるはず。仕事で必要な自己紹介にも役立つかもしれないぞ。 「コレはおもしろい思いつきだ」と我ながら感心した。

        • 短編小説「左ひとさし指から生えてきたもの」 #KUKUMU

          11月中旬のことである。窓から差し込むやわらかな日のひかりに照らされて目が覚めた。 「いま、何時かな」 毛布にくるまり目をつむったまま、左腕を上下に動かしてスマホをさがす。小指にスマホらしきものがコツンと触れた。指先でたぐりよせようとしたそのとき。 ぬぬ。 ひとさし指の先に、なにかひっかかった。不思議に思ったものの、寝起きでぼんやりした脳が「気のせいだろう」と判断した。 スマホをむんずと掴んで画面に目をやると、6時42分。あと15分は寝ていられる。ホッとした心持ちで

        わたしのプロフィールとお仕事依頼

        マガジン

        • 食べるマガジン【KUKUMU】
          38本
        • 『KUKUMU』の別腹
          22本

        記事

          目指すは「うまいおいなりさんをつくる、イイ女」 #KUKUMU

          油あげと疎遠だった、あのころ。 年を重ねてよかったと思うことのひとつに、「油あげの魅力を知れたこと」が挙げられる。 20代のころ。私と油あげの関係はとかく寒々しいものだった。なにしろ油あげの容貌は質素すぎる。ボリューム皆無。シズル感もイマイチ。おまけに「油ぬき」なる謎の調理工程が料理初心者にやさしくない。見た感じパッとしないクセに、ちょっと手間をかけさせるところが、分不相応というか、ふてぶてしいというか。いけすかない奴だなあと思っていた。 そんな調子で、油あげに圧倒的偏

          目指すは「うまいおいなりさんをつくる、イイ女」 #KUKUMU

          【編集後記】魅惑のドリア

          昨日、KUKUMUに記事を公開しました! 「高級ホテルレストランにカレーを食べに行った」という単純なお話なのですが、書くのにすごく苦労しました……。取材が浅いままに書くと「高かった! 旨かった! また行きたい!」だけになっちゃうんです。誰もが体験しうるシンプルで身近な題材こそ、きめ細やかな観察や取材が肝になるんだなあと痛感しました。 執筆中、書く手が止まるたび、上質な食エッセイを読んでは唸るのくりかえし。内田百閒大先生をはじめ、東海林さだおさんや原田マハさんなど偉大な書き

          【編集後記】魅惑のドリア

          3,162円で買った、一皿のカレーとスパイシーな思い出 #KUKUMU

          「カレーに大枚はたくバカ」に、私はなりたい。 平日の午後。在宅勤務中の夫と「なんだかカレーが食べたいね」と雑談した流れで、「今夜は旨いカレーを食べに行こう」という話になった。 なんでもない平日に、家族で外食する。それがカレーであったとしても、ちょっとうれしいシチュエーションだ。お店選びを委ねられた私は「絶対においしいお店を見つけてやる!」とさっそくスマホの検索画面をひらく。 けれど、私は検索ワードを打とうとして、しばらく考え込んでしまった。そもそもカレーと名のつく食べも

          3,162円で買った、一皿のカレーとスパイシーな思い出 #KUKUMU

          【編集後記】秘密のひとくち

          KUKUMUに記事を投稿してから、早一ヶ月が経ってしまいました……! 家族に秘密で桃を喰らう。ひとりでおいしいものを食べる。ただそれだけの行為をつづったエッセイなのですが、思入れのある一本になりました。 *** このエッセイを書きすすめているうち、ひとつ重要なことに気づいてしまいました。それは「 私って、ひとりっきりのシーンじゃなくても、家族のまえで堂々と『秘密のひとくち』を楽しんでいるんじゃない?」ということ。 私は台所を主戦場とするシュフです。お客さんは夫と4歳の

          【編集後記】秘密のひとくち

          「体がよろこぶ」を味わえるお弁当 #GrinoBento

          「美味しい」って、ほんとうに多種多様だ。 高級食材と高度な調理技術の掛け合わせで実現する、ハイクラスな美味しさもあれば、お母さんの手料理にホっとする美味しさもある。疲れた体に沁みわたるジャンクな味だって、きっと美味しさのひとつだ。 いろんな美味しさがあるなかでも、「素材そのものの味にしみじみ感動する」美味しさって、出会うのがけっこう難しいと感じている。 私が「素材そのものの味にしみじみ感動した」美味しい記憶は、8年も前に遡る。私は当時29歳だった。 七転八倒した腸閉塞

          「体がよろこぶ」を味わえるお弁当 #GrinoBento

          秘密の桃 #KUKUMU

          晩夏の昼。 リビングに仰向けになって寝転がるわたし。時折、芋虫のように伸び縮みをして、フローリング材のひやっこい部分を探して移動する。意味のない蠕動運動を繰り返しているうちに15分も経ってしまった。わたしは眉間にシワを寄せながら思う。 「暑い。ダルい。気が滅入る。夕飯の準備? は? しゃらくせえ。今夜はインスタントラーメンだ、ばかやろう」。 思わず口が悪くなってしまうパッとしない日に、圧倒的に足りていないもの。それは「自分だけの“あそび”の時間」だ。仕事のフタをそっと閉

          秘密の桃 #KUKUMU

          ムスメからのエール

          今年の6月に普通車の自動車免許を取得した。免許を取って以降、週末には必ず運転するようにしている。 最初にことわっておくけれど、私がハンドルを握る理由は「車の運転がスキ!」だからでは、けっしてない。「過酷な教習期間に流した汗をムダにしたくない」。ただその一心で、運転に励んでいる。 教官に大きなため息をつかれてもめげず、嫌味を言われても折れず。高校生や大学生たちがやすやすと受かっていく校内学科試験に落ちて、4500円の追加料金がかかったときも、心を無にしてなんとか耐えしのんだ

          ムスメからのエール

          【編集後記】そうめんの新しい扉

          7月の初旬。こども園から帰ってきたむすめが、ルンルンと口ずさんでいる言葉がステキだった。 「夏といえば~、すいか!」 「夏といえば~、はなび!」 「夏といえば~、プール!」 おゆうぎの時間に先生から教えてもらったのかな。聞いているだけで、夏がどんどん楽しみになってくる。むすめがニコニコと唱え続けるものだから、わたしもつい参加してみたくなった。 「夏といえば~、そうめん!」 わたしが大きな声で横やりを入れると、むすめはきょとんとした顔でこちらを見つめた。彼女の目が「そう

          【編集後記】そうめんの新しい扉

          私のそうめん。娘のそうめん。#KUKUMU

          日本人ならば、誰もがそれぞれの胸に、そうめんにまつわる原風景を持っているのではないだろうか。 今日は「私のそうめん」の話をしたい。 私にとってのそうめんの原風景は、小学校の夏休み、土曜日の昼さがり。扇風機が忙しく首をまわしているその脇で、テレビが「関西の家庭ならそうあるべきだ」と言わんばかりの顔をして吉本新喜劇を映している。 そんな日の食卓には必ず、そうめんと、ケンタッキーフライドチキンがあった。 「今日のお昼は、そうめんにしとこか」と母が言い、「いいやん。6束ぐらい

          私のそうめん。娘のそうめん。#KUKUMU

          摘芯の鬼

          朝顔の栽培にハマっている。 6月下旬頃だったろうか。むすめがこども園から朝顔の鉢を持って帰ってきた。ご家庭で夏の風物を楽しんでください、との丁寧なメッセージ付き。 こども園の粋なはからいに感謝しながらも、私は少々憂うつな気分だった。「こちとら、むすめとオットの育成で手一杯なんですけど」などと、かわいげのないことを思う。でも、まあ、もらって来てしまったものは仕方がない。私は腹をくくって育て始めた。 するとどうだろう。日一日とみるみるうちに、朝顔への愛情が湧いて出てくるので

          摘芯の鬼

          【編集後記】「がんばる」と「手を抜かない」の違いを教えてもらったインタビュー

          少し前に、こんなインタビュー原稿を書かせてもらった。 『豆醍珈琲』の店主 上田さんにインタビューさせてもらった時間のなかで、特に強く印象に残っている出来事がある。 *** インタビューと称した楽しいおしゃべりを終えた直後のこと。 「今日はほんとうにありがとうございました。おもしろいお話をいっぱい聴かせてもらえたので、がんばって原稿を仕上げます」 私がそう言ってインタビューを切り上げたとき、上田さんはしみじみ感じ入った様子でつぶやいたのだ。 「がんばる。がんばるかぁ

          【編集後記】「がんばる」と「手を抜かない」の違いを教えてもらったインタビュー

          まるで炭酸のように泡立ち、軽やかに変化するお店、『豆醍珈琲』。 #KUKUMU

          兵庫県神戸市の和田岬駅。ここは大阪湾と神戸湾に面した岬の街です。駅のそばにある広々としたノエビアスタジアム芝生広場を通り抜け、静かな住宅地へ進むと見えてくるのは、小さな一軒のお店。 お店の名は「豆醍珈琲」(トウダイコーヒー)。店主は、上田善大(うえだよしひろ)さん。神戸元町で12年間営業していたカフェバー「コーヒーとお酒 スジャータ」を2020年に閉め、2021年1月、新しくオープンしたのがこのお店です。 「お店は預かりものであって、僕の所有物ではないんです。お店はお客さ

          まるで炭酸のように泡立ち、軽やかに変化するお店、『豆醍珈琲』。 #KUKUMU