幼虫すずむし

自己紹介から遺書までがスペクトラムな自分語り。激重感情に殺されない為の避雷針に。

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自己紹介から遺書までがスペクトラムな自分語り。激重感情に殺されない為の避雷針に。

マガジン

  • 精神疾患まとめ

    身も蓋もないタイトルしか思いつかなかった。闘病記とその体験をもとにした創作短編なども入れています。

  • 音楽関係まとめ

    音楽に関係する記事だけまとめました。早口オタク感想記事とか歌詞考察とかひたすら曲紹介したりとか色々。

最近の記事

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短編 / 深海魚はバレリーナの夢を見ない

しまったと思った瞬間、もう遅かった。 手からフォークが滑り抜けてカップの淵に当たり、カシャンと音を立てた。これでこの日の勝負は僕の負けだ。偏屈ジジイの視線がサッとこちらに向くのを肌で感じた。 僕はリスニングルームを退室した。 ここは喫音堂という。サービス業の看板として掲げるには少々危なっかしいネーミングセンスの喫茶店だ。 店名にも記されている通りこの店の客が嗜んでいるのは茶というよりもむしろ音のほうであり、店内奥にはクラシック音楽を鑑賞する為の専用のリスニングルームが備え

    • 人との別れについて思うこと

      家を出るとか初めて1人で暮らそうとした時などの、親との別れという節目はそんなに苦しみとか悲しみというのがなかった。無感情だった。 むしろ、親からもらいたかったものを代わりに親のように私に与えてくれた、愛情を示してくれた人たちとの別れの方が何倍もつらかった。 自分から切り出した別れだとしても、体の一部が引きちぎれるような思いだった。明らかな精神的欠損を感じた。 ただ、そうやって直感的な感情というのが湧かないからといって、親や家族に対して何も思っていないわけではない。 いや正

      • クロッキー会を主宰している

        昨年の秋からクロッキー会を主宰している。 元々は私が自分の絵、というかドローイング特に線の感じが、センスが落ちてピタッと来なくなっていることに不満を覚えて 定期的にクロッキーなぞをして絵を練習する習慣をつけたいと思い立ったところから始まった。 クロッキー自体は別に会に参加しなくともそこらへんの街中や駅などで通りすがりの群像を対象にやる人もいる。私も最初はそのつもりだったが、まぁまずこういうのは続かない。習慣になるまでに精神力と時間がかかる。 となるとやはりクロッキー会の

        • 土下座したけど意味無かった話

          先日、人生で初めて本気の土下座をした。 泣きながらだった。効果は無かった。 弱い人間が語るネガティブな話はある種の暴力性をどうしてもはらむと私は認識していて、そういう意味で優しい知人たちの心配を必要以上に煽りたくないので具体的な出来事の記述は避ける。 (でも隠したい出来事って訳でもないので気になる人は会った時にでもお話せがんでね) 私は不出来な人間なもので、人の当たり前にうまく納得がいかなかったり、自分の心身を適合させられなかったりする。子供の頃から現在に至るまで度々そう

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        短編 / 深海魚はバレリーナの夢を見ない

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        • 精神疾患まとめ
          10本
        • 音楽関係まとめ
          6本

        記事

          吉井和哉アンチ記事だけやたら伸びると思ったら「吉井和哉 アンチ」でGoogle検索したときに上から2番目に出てくるのが私の記事なんやね。コワ!

          吉井和哉アンチ記事だけやたら伸びると思ったら「吉井和哉 アンチ」でGoogle検索したときに上から2番目に出てくるのが私の記事なんやね。コワ!

          ゆめじゃなかった

          大学に入って初めて自分の好きなように服を着ることの楽しさを知ったというのは、つまり他者の存在がその空間まるごとすべて心地よかったんだと思う。 少なくとも排他的な疎外感や自分が異常者に仕立てあげられるようなことは無かった。 人によっては有ったかもしれないから必ずしもその場所が誰にとってもそうだとは言い切れないけど私にとってはそんな場所だった。 そこから出た後、舞台の界隈なり、仕事場なり、一瞬だけ働いた広告メディア業界だったり 大体の場所はなんらかの形で素の自分だと排他的に扱

          ゆめじゃなかった

          まとまりなくても吐露吐露吐露

          精神科に通院し始めて一年が経つ。 去年の4月末、仕事に行けなくなって、というか起き上がれなくなって、正直一人では通院にこぎつくことは出来なかったと思う。 同居人が覚えのあった病院を調べ、車を出してそこまで運んで待合室で一緒に座ってくれたからなんとか私は診療にこぎつけることができた。 (精神科の初診は待ち時間がとても長くそれだけでなかなかの苦痛である。酷いところだと検査も含めて朝から晩まで拘束された挙げ句結果はまた後日というふうなとこもあった。混んでるから仕方ないのだけど…

          まとまりなくても吐露吐露吐露

          あなたにまた会いたい

          優しく面白おかしい友人たちのお陰でなんとかまた上がってこれたので、元気なタイミングでちゃんと自分の気持ちに節を打っておこうと思う。 式に参列ができない私のせめてもの宗教的慰めだと思ってご容赦いただきたい。 お世話になっていた方が亡くなった。 染織家であり、また舞踏の踊り手であるその方は、背筋がいつも綺麗にピンと伸びていた。美しくて上品な言葉遣いで愉快な調子を作れる、でも隙を感じさせない、表現者としてプロフェッショナルの姿だった。 恐らくその人がこの文章を読んだら少し眉を

          あなたにまた会いたい

          続「考え方」と「調べ方」の話

          前回の続きです。 この記事6400字もあるのに、それでもまだ書き忘れた内容があってこうして続きを書きたがっているのは我ながら不気味だと思う。(元の本文に無駄話や寄り道が多いだけですが…) 書き忘れたトピックは2つあり ①自分の考えの観点について俯瞰的になる。観点を変えると結論が変わることもある。 ②なぜ必要なのか、なぜそれが起こるのが必然なのかを、建前かもしれないが、建前なりに調べて仕組みを理解する。 それぞれ少し補足します。 ①観点を変える 前回は理屈で考えた場合

          続「考え方」と「調べ方」の話

          人のきもちが解らないとキレてばかりの人間なりの「考える」と「調べる」のやり方

          ※How to記事ではなく私自身が自分の中のパターンを文字に書き起こしながら整理する為のものです。内観です。 おおよそ5歳頃、保育園に通うようになった辺りから、私の家族外との社会交流は始まったと言える。 そのスタート地点から今日に至るまで大体いつも「人のきもちが解らない」とキレたり泣いたり拗ねたりしている。 正確に言うと、人の考え方や感情において「なぜそうなるのが当然なのか」が解らない。空気が読めないという表現があるが、空気は読めても理解ができない、納得できないという感覚

          人のきもちが解らないとキレてばかりの人間なりの「考える」と「調べる」のやり方

          短編 / ほんとに殴るようなやつはお前ただひとり

          いわゆる、マゾである。 マゾヒスト。どうでもいい豆知識として、マゾもサドも人名が語源になっている。 人によって程度は千差万別でしょう。「SはサービスのS、Mは満足のM」という言葉があるようにカスタマーの数だけ需要の形も様々というのはSMの世界でも変わらない。 わたし個人としてはやはり性行為で刺される側の性別ということもあり、その延長として追い立てられたい。よりそれらしい言葉遣いをするなら、安全が確保されている関係性というのは勿論大前提に、人間としての尊厳を踏みにじられると

          短編 / ほんとに殴るようなやつはお前ただひとり

          愛がつたう線 / 展示「岩田壮平展○」

          ※この展示は2023年12月に開催されていたものです。現在は終了しています。 私は一応芸大の芸術学部で学士をとった。でもその割に日本画には疎く、特に現代のものについては作家名をほとんど知らない。 精力的に作家活動をしている大学の後輩が日本画をやっていてその投稿にリアクションをしていたからか、たまたまでてきた広告で岩田宗平さんの展示を知った。 どういった作品を描かれている方なのか全く知らなかったけど、広告に出ていた作品が既知の日本画のイメージとはあまり一致しなかったこと、ま

          愛がつたう線 / 展示「岩田壮平展○」

          明日になったら死んでもいいよって言い聞かせて毎晩

          なんとか誤魔化して生き残っている。 死に損なっているとも言う。 毎年春は恨めしいというかなんというか、ろくな思い出がないので最早春の空気そのものが苦しく感じるようになっている。 春はきらいだ。 自分の誕生日前後が特にろくなもんじゃない。 誕生日前後一ヶ月間くらい。運転免許の更新期間かよ。 数少ない欲しいものがなんで手に入らないんだろうとこっそり絶望している。 目の当たりにするたびにとても苦しい。解ってるならそもそも欲しがらなければいいのにとも思うけど。 なにかが欲しい

          明日になったら死んでもいいよって言い聞かせて毎晩

          まとまりなくても吐露吐露

          熱が下がらない。 寝込んでいても3時間ぐらいで目覚めてしまう。 食欲は元々ないけど、こういう時に何を食べたらいいのかわからない。 人に買ってきてもらったものも、とにかく早く治すためと作業のように口に運んでいる。楽しくないし何より食べ物に失礼な感じがする。 3月末なのに気温がまだ真冬並みなのが解せない。 早くあったかくなってほしい。 何度も風邪をひいてしまって仕事を休むたび、またクビにならないかと心配になる。こわい。 自分の体や周りの環境が不都合で辛い。うまくいかない。 特

          まとまりなくても吐露吐露

          闘病記 / 離脱症状がつらすぎる(2023.09.25)

          この雑記は2023.09.25.に書いた内容です。 パソコンのメモ帳に書いていた手記がおもしろかったので載せます。 (喉元過ぎればとはいえ苦しんでいる過去の自分に対して非道すぎる感想) 離脱症状がつらすぎるので文章を書きなぐることにした。 なにか手を動かしていると不思議と痙攣麻痺が気にならない。 調剤薬局のポスターでちらっと見ただけなので詳しいことはなにも知らんが医薬品の輸入が追い付いていないらしい。 今回だけじゃなく前回・前々回も、処方箋通りの必要量が店舗の在庫に無くて

          闘病記 / 離脱症状がつらすぎる(2023.09.25)

          地獄みたいに良い曲がすき

          "良い曲"、"良い歌"っていうものの1つのかたちとして、体験からくる感情を3〜4分くらいに圧縮して高濃度で浴びせてくる仮死体験のようなものがあると思うんですけど そんな地獄みたいな感情をそんな解像度で浴びせないで?!思い起こさせないで??! ってなるようなシチュエーションがままあるというか、むしろわざわざ曲作るまでの勢いのある感情というのはそういう方向になりがちなのかもしれない。 車で長距離移動したり人ん家で酒飲んだりするときに音楽流しがちなんですけど 「すずちゃんの流す

          地獄みたいに良い曲がすき