見出し画像

リマのイマ

上を向いて歩こう...


日本でもニュースに取り上げられたペルーで足止めをくらっている日本人250名というのは、卒業旅行やツアーとか観光で訪れた人たち。

僕のような未確認物体は含まれていません

そもそも、僕は3度目の世界一周修行の旅で初めての南米ペルーにあるWorlds 50 best restaurant(世界レストランランキング) 4位のレストラン Central(セントラル)に修業に来ています。

旅を始める少し前から日本のテレビ局の方にドキュメンタリーを撮っていただき、クルーがペルーに到着し、初日の撮影を終え、翌日から撮影のメインであるレストラン セントラルで密着取材が始まろうという時にことは起きた。

3/16に3月末まで突然というくらい唐突にペルー政府は、国境閉鎖を発表した。
日本(世界中)への航空券は即完売になり、見つけても値段は成田まで片道最低¥60万円、¥80万円なんてのもあった、もちろんエコノミークラス。
撮影を断念し、クルーは運よく日本へ帰ることができた。

僕はその後のチャーター便(もちろん自費)も申請せずペルーに残ることにした。
それは、空港の混雑に巻き込まれ、そこで感染する恐れを感じ、日本(成田)へ帰るチャーター便はリマ-メキシコシティorマイアミ-成田となるわけだが、メキシコシティやマイアミからの便は各自各々で手配しなければならない。そこで確保できなければ、空港で待機と最悪な状況に陥ってしまう。

国境閉鎖の日からレストランはコロナ終息まで閉店することにした。この時はあくまで自粛段階だが、ペルー中のレストランは一斉にクローズした。
テイクアウトもできない。
何より感染を止めるのが第一と理解していたからだ。

現在、4/3金曜日、国境閉鎖されてからもうすぐで1ヶ月。
当初、3月末までと発表された国境閉鎖も長期化され、現在は4/12までと発表されているが伸びるだろう。
国境閉鎖された後、まず外出制限がかかった。要するに話題のロックダウン
外出はAM05:00〜20:00までで、必要な買い出しや緊急を要する自体以外は認められない。
それ以外の時間帯はマシンガンを持った軍隊が街を見張っており、外出即逮捕+罰金。
初日にフットサルをやっていた人たち数人がまず逮捕され、今では約2万人が留置所に入れられている(ホームレスなども含まれているだろう)。
基本的に営業可能な店舗は、スーパー・個人商店・ペットショップ・薬局・警察署・消防署・銀行が主だ。
営業時間もAM08:00〜PM15:00まで。個人商店はPM16:00まで
外出移動制限もあり、自らが住んでいる区域の近所の売店やスーパー以外には行けない。
外出時にもマスクは強制着用。
交通機関も稼働しているが、スーパーなどで働く人のためのみである。
スーパーへ入店するにはマスクが強制着用とされており、入店時には係員にアルコールを強制。一度に入店できる人数ももちろん制限されておりスーパーを一周ぐるっと毎回並ぶこととなるが、店内ではスムーズに動くことができる。

もちろん市外へ出るなど許可されていない、車などでの移動はヨーロッパ同様許可証が必要で厳しくチェックされている。
ペルー政府は、自国の医療の貧弱さを理解しているのもあり、早急な対応のおかげで現在4/3時点で感染者は1414名、重傷者は51名に抑えられている。

4/2、さらに外出制限が厳しく制限された。
外出はAM05:00〜PM18:00までと2時間短縮された。
必要な買い出しも男性は月・水・金:女性は火・木・土の3日間の入れ替わり制。
日曜日は全住民外出禁止になった。
肝心の物資だが、ペルー人は元々質素な生活で、食事も1日に1回という生活基盤もあり買い溜めはあっても買い占めという恥ずかしい状況は見られない。
スーパーでもたまに野菜が少ない日はあっても、不自由なく食材も購入できる。

街は1日2回、市の職員によって清掃されており常にきれいな状態が続いている。
本当に感謝しかない。

肝心の仕事だが、飲食店など接客業は全店閉店されており、事務作業の人たちも基本在宅勤務。

1ヶ月以上も引きこもるなんて暇だ。
日本ではたった2日間すら我慢できないバカどもが多いのには正直呆れているけれど、確かに実際暇なのは間違いない。
料理人の自分にとって、家にいること自体が稀有なわけで。
毎日朝から朝まで働いていた状況から朝からずっとほぼ家にいるわけだけど、この貴重な状況を逆に楽しみ、有意義なものにしていく努力をしている。
来年、2021年に都内で独立を予定している僕は、エクセルで必要調理器具や備品と全てをまとめ上げる作業を行う。
今回のコロナ含めて、様々な災害、天災時への金策や対応策はもちろん。
せっかくペルーにいるので、スーパーで買うことができるペルーの食材を使って様々な料理を創り、研究したりもしている。

現在、Youtubeにクソみたいなキッチンでもできる簡単でうまい料理のチャンネルを製作中。

三脚なんかの道具なんてないから、片手でスマフォを持ったりしながら1人で頑張って撮影と料理をしています。
先日つくったローストビーフ⬇️

noteの執筆活動、もちろんNetflixや筋トレなどでリラックスも。
深く、自分について考え直すのもアリかも知れない。
貴重な時間を無駄に消費しないことが重要であり、有意義に過ごすために思考を凝らせば時間なんてすぐ過ぎてしまう。
勉強なんてやりたい放題だ。

これは戦争である
全世界が共通する見えない敵との戦争だ。

先日、デンマークの2星レストランのKadeau(カドー)が破産申告した。
ペルーも国からの保証は一切ない。
僕自身もレストランをやっていたら大変なことに陥っていたが、何より大事なのはコロナを終息させること。
最低3週間、1ヶ月ロックダウンすることで間違いなく落ち着く。
戦争時、保証なんてない。
それでも、方法はテイクアウト以外にもたくさんあるはずだ。
食事券の販売、予約満席のお店は先払いと...
東京だけで飲食店は14万店舗以上もある... パリは4万店舗だ。
まずは生きること。
他人を生かすこと。
今まで、何度もの疫病・金融危機・天災も乗り切ってきたんだ

厳しい状況にパニックになったり、心を貧しくならないように。

先日、スーパーの閉店時間を知らず、やむなく個人商店(キャッシュオンリー)で水を買おうとしたところ忘れていてカードしか持っていない僕は、諦めて帰ろうとしていたところ、後ろに並んでいたペルー人のおばちゃんが僕の分も一緒に買ってくれた。
こういう全員が共通してつらい時期に、他人を思いやる心の余裕と豊かさが何よりもあったかかった。

ペルーは水道の水が飲めない。
水が豊かな日本はそれだけでもありがたいと心底感謝する。

人間の外出制限がかかってから、外では小鳥たちや小動物たちが楽しそうに道を闊歩している。皮肉にも自然の摂理を感じた...

おいしいご飯を食べれば自然と笑顔になる。
今日もおいしいご飯をつくって、上を向いていこう

明日はペルー食材で1人餃子パーティだ

#ペルー #ロックダウン #コロナ #戦争 #STAYHOME #ステイホーム #コロナに負けるな #シェフ #料理人 #外出禁止令

この記事が参加している募集

おうち時間を工夫で楽しく

料理人である自分は料理でしかお返しできません。 最高のお店 空間 料理のために宜しくお願い致します!