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自転車で訪ねる式内社、140字の古社巡礼
2021年1月30日 19:05
八幡神社の鳥居をくぐり境内を見渡すが古社感というか、古社の風情は感じられない。住宅街だから? 全体的に改築を済ませ新しく生まれ変わっているから? 逆に坂名井神社に比定されるのは鎮座地名の「境」が郡名や社名に結びつくから? 頭上には雲ひとつない初夏の青空。写真は福井県坂井市。
2021年1月29日 20:27
「杉の老樹數株を數へ、神厳な雰囲氣」。式内社巡りの参考書「式内社調査報告」は境内をそう表現している。しかし実際に訪ねると…鳥居から本殿に向かう参道左手に社叢はなく、しかも現在見られる木々よりも明らかに太い切株が数カ所。冒頭の「老樹數株」だったんだろうな。写真は福井県坂井市。
2021年1月28日 14:01
「新山古墳の奥の院のような感」とは拝殿掲示の言葉。墳上から北に目を向けると社叢を目印に神社が見える、確かに奥の院。同名の神社を香川でも訪ねた。広陵町に讃岐神社があるのも偶然ではなさそう。香川の於神社近くの鑵子塚古墳では鉄柵越しに石室の闇をのぞいた、懐かしや。写真は奈良県広陵町。
2021年1月27日 19:39
社名からイカヅチの神をまつると思いきや現在の祭神は手力雄命、天照大神に変わっていた。延喜式に官社として名を連ねたのは千年以上前。長~い時間が経過したわけだから本来の祭神が姿を消したとしても不思議ではない。緩い坂道を上がり境内へ。玉垣越しに眺める遠い山並み。写真は奈良県広陵町。
2021年1月26日 19:48
「古墳祭祀の起源」の看板通り本殿は前方後円墳上に鎮座。参拝後、少し離れて樹木が茂る本殿後方を眺めるも〝古墳感〟はいまいちだ。めげずに道路端の木々の隙間をのぞけば盛り土があるような。入口近くの池に氷が張る寒い日。焚き火に手をかざすと温もりにとろけそう。写真は奈良県広陵町。
2021年1月25日 20:32
整備工事中の巣山古墳は神社とは目と鼻の距離。道路を渡ってすぐの近さから成立とは無関係でなさそう。神社が鎮座する森は国道からすぐ。竹取物語っておとぎ話だと思っていたけどこの地が舞台だそうな。竹取の翁は讃岐造で、求婚した貴族たちは皆、いまでいうエリートたちだ。写真は奈良県広陵町。
2021年1月24日 19:55
大和川始め数本の川が交わる河合という地名は水の神をまつるに最適な場所。鳥居くぐり拝殿まで長い参道を歩き460歩。新年は明けたが絵馬等を買い求めるひとの姿が見られる。今年の砂かけ祭はコロナ禍のため規模を縮小する。厄除けの意味もあるというから残念。写真は奈良県河合町。
2021年1月23日 20:13
村屋坐弥富都比売神社の境内社として鎮座する式内社。若宮恵比須神社ともいい神域前には恵比須さんこと事代主神と、鉄を打つ天之久之比命のイラスト。天之久之比命は別名天目一箇命で、製鉄や金属加工の神。鏡や銅鐸等、金属製品を作る工房が存在した城下郡の象徴的存在。写真は奈良県田原本町。
2021年1月22日 19:50
神社が鎮まる田原本町と金属加工業が多い東大阪周辺との共通点とは? 答えは小阪、今里、八尾という地名なんだとか。鏡作坐天照御魂神社の神さまは独立した神社にも坐し、麻氣神社の祭神は製鉄や金属にまつわる天目一箇神。立砂や拝殿内の鏡餅、昨年の大晦日に見た風景。写真は奈良県田原本町。
2021年1月21日 20:12
鏡製作の現場は炉で溶かした鉄や銅を鋳型に流し込むはずだから熱との戦いだったのでは。製鉄製銅の現場を知らないためあくまでも想像だけど。神社に隣り合うため池から吹く冷たい風が境内を通り抜ける。炉の熱さを想像しようにも厳しい寒さで全身が氷のように固まりそう。写真は奈良県田原本町。
2021年1月20日 19:11
同名の神社が至近距離に鎮座。十市郡に位置する保津の当社は大和特有の環濠集落内にあり滅多に訪ねることない貴重な体験。どんぐり混じりの砂を踏みしめ拝殿へ向かうと手前に金属のフタを被る枯れた巨木の姿。祭神の石凝姥命は天岩戸神話で鏡を作った神。社名にぴったり。写真は奈良県田原本町。
2021年1月19日 20:02
村屋坐彌富都比賣神社に摂社という形で村屋、久須々美、服部の式内三社が鎮座。皆同じような見た目の小祠だが祠が二つ並ぶのが村屋神社である。祭神が経津主神と武甕槌神の二座だからか。紀に壬申の乱時「村屋神」が神助を授ける記述がある。しかし比賣神社の方のようだ。写真は奈良県田原本町。
2021年1月18日 16:54
由緒には主祭神が豊鍬入姫命とあるけど、社名に糸の文字があり近隣に服飾関係の神をまつる式内社があることから三ノ宮の綾羽と四ノ宮の呉羽が本当の祭神ではないかなと思う。朱色の立派な鳥居をくぐり青々とした社叢に囲まれた境内に入る。拝殿前の門松に感じる正月の残り香。写真は奈良県川西町。
2021年1月17日 19:12
城下郡の筆頭、村屋坐彌富都比賣神社の社名に「富都」の文字。まったくの偶然かもしれないが、郡の筆頭大社との関係をにおわせる。こぢんまりとした境内だが入口左右にこんもりしたクスノキ。葉を落とし丸裸のイチョウも黄葉する秋ならば緑のなかに黄一点の存在感を示すはず。写真は奈良県田原本町。