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ソルティはかた
2016年2月13日 17:42
(PDFファイルにより縦書きでも読めます)心にもあらでこの世にながらへば 恋しかるべき夜半の月かな春の宵。満月。舞台奥に帝。客席に背を向け縁に座り、月を眺めている。縁の先に、満開の桜、ときおり散っている。舞台下手より続いている板塀が、桜の幹を客席よりさえぎっている。舞台外より中臣の唄が近づいてくる。 中臣 ひさァかたのォー、ひかァりのどォけき、春の日に(下手より登場)、ア
2016年2月14日 19:11
(PDFファイルにより縦書きでも読めます)同夜。月、天頂に達す。座敷に竹取の翁、媼(おうな)、五人の求婚者、酒や料理を前に談笑している。侍女たちが給仕している。座敷の一隅は、客席からは御簾で、求婚者たちからは屏風で隠されている。(後にここにかぐやが入る)家の外には透垣(すいがい)がめぐらされ、裏手 に築地(ついじ)、その向こうに竹林が見える。媼 それでは大伴の大納言さまが