戯曲 かぐや 第1幕

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第1幕 第1場 宮中の一角

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心にもあらでこの世にながらへば 

恋しかるべき夜半の月かな

春の宵。満月。

舞台奥に帝。客席に背を向け縁に座り、月を眺めている。縁の先に、満開の桜、ときおり散っている。舞台下手より続いている板塀が、桜の幹を客席よりさえぎっている。

舞台外より中臣の唄が近づいてくる。 

中臣  ひさァかたのォー、ひかァりのどォけき、春の日に(下手より登場)、ア

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第1幕 第2場 竹取の翁の家

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同夜。月、天頂に達す。

座敷に竹取の翁、媼(おうな)、五人の求婚者、酒や料理を前に談笑している。

侍女たちが給仕している。

座敷の一隅は、客席からは御簾で、求婚者たちからは屏風で隠されている。(後にここにかぐやが入る)

家の外には透垣(すいがい)がめぐらされ、裏手 に築地(ついじ)、その向こうに竹林が見える。

媼  それでは大伴の大納言さまが

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