見出し画像

リーマンショックで儲けた話 最終回~こども手当と円高

2006年のサブプライムが膨らむ米国で行き詰った30代子無しカップルだった私たち。

ここで、夫の1馬力&私の出産子育て100%全力という作戦に思い切って切り替える事に。

勇気要りましたよ。

でもこう考えたんです。
もしかしたら子育てなんて人生の中で短い期間なのかもしれない。高校生くらいからはほぼ自立が始まるし。
親は働き盛りの年齢と重なってしまうから大変だけれど、ここは夫婦で手分けして、夫は仕事、私は子育てに全振りの数年間があってもいいんじゃないか。
そっから先はどうなるかわからない。ここは夫を信じ、彼の夢を叶えさせてあげたい。それになぜか自信ある。私ならやれる。子育ても仕事もやれる。

なぜなら…

「意識低い系」だから!笑

高望みしていないから気楽。
ちなみに渡日の際は、日本の政治なんて何も考えていませんでした。会社に言われるままに着いた仮の住まいは東京タワーの目の前。

カーテン開けられないくらい眩しかった
ここからどうしてこうなった?

そんな風にして飛び込んだ東京。東京タワーの後に落ち着いたのは私が生まれ育ったエリアでした。そして勝手がわかっているから、気持ちも楽であっさり2人産みました。出産費用が返ってきたり、民主党政権でこども手当てが出たり、自治体に子育て広場や相談員もいる。

なにこの子育て天国。


まあこういう問題はあるけれどね。怒

東京の日常

それでもまあアメリカと較べりゃ待遇良いなんてもんじゃないよ。それでも少子化が進んだ…なぜなんだ!

…つまり原因はそこじゃないって事なんだよね。まあ色々思う事はあるんで、別記事にしますが…まあここからの展開も影響してきます。

夫の仕事は順調でしたが、やはり1馬力は不安でした。

リーマンショックがとうとう起きました。自分たちは最初から予想していたので驚きはありませんでしたが、日本で働いている外国人の多くが職を失ったり、他の地域に異動させられたりしました。夫はどうにかやっていましたが、いつどこに行くかわからないと言われました。

一方私は、気が付くと外国人の夫ができない日本の手続きを全部任されており、専業主婦として大忙しでした。

外国人を受け入れるという事はこういうハードルがあることを想定しなければならない。

お気づきでしょうか?
療育…そうなんです。長男は重度の自閉症なんです。

この怒涛の3年をダイジェストでお届けしますが、もうね。普通の子育ての100倍くらい大変なんです。次男は定型なので言えます。

療育通い
孤独

この上にですね。311です。

この時も夫は自宅通勤に

ますます外国人は日本を離れ始めました。
そして東京の保健師や保育士は緊急で東北に派遣され、東京の待機児童数はさらに激増しました。
障がい枠でやっとこさ入れてもらった保育園だったのですが、それを知らない人から怒られたりもしました。

気持ちがわかるだけに辛い

しかもですね。当時の日本では、まだ発達障害の早期療育の支援も環境も無かったんです。だからもう自分で勉強しながらどうにかこうにか頑張りました。

もう嫌だ。私の人生。この前に日本のバブルだからね。

私:…もうさ。アメリカ帰ろう。全部英語でやろう。この子はほとんど話せないほどの重度だし、オット君も今後日本語や制度を本気で学ぶつもりが無いんだったら、もう無理だよこんなん。

オット君:実は最近、人事と一緒に面接もするんだけれど、35歳過ぎると日本の企業が雇ってくれないっていう女性がたくさん来るんだ…だから外資じゃないとって…お前が日本の雇用問題について話していたの思い出してさ。そんなに酷いと思わなかった。

私:だからもう私は詰んでんだってばよ。アメリカに帰らない限り。

じゃないよとは言ったけど。笑

私:あのさ。でも1つ有利な事があるよ。
私たち、賃貸マンションで慎ましく暮らしていたじゃない?
だから経済的にはまだ立て直せる余裕がある。
しかも今、1ドル80円。

でまたグリーンカード取り直しになるんですが、ここがまたドラマでね。911以降のアメリカはビザが厳しくなっているから昔より時間が掛かるようになっていたんです。なので、療育が今すぐ必要な長男の説明など頑張ってね。

いい思い出もたくさんありました。
親に孫を見せられたのも嬉しかったです。

インターナショナルな子育て仲間もいました。

東京のいいところ
子育て広場は癒し

そんな5年間の日本生活を終えて帰ったボストンの住宅市場は…

底でした。

そんでこんな家を買いました。

勝組

これがリーマンショックで儲けた話です。

ここからまた無茶苦茶な展開です。笑

一つ言える事。

子供を産むことを恐れなくていいよ。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?