【短編小説】ついてない日
ベッドから落ちた。
ボタンを一つずつかけ違えた。
家を出てから靴下の左右が違うことに気がついた。
…しかも片方穴が空いていた。
買ったばかりのノートにいきなり書き損じた。
お昼に食べたミートソースがおろしたてのシャツにはねた。
段差に躓いた。
…それを好きな子に見られた。
友達に消しゴムを貸したらいきなり角を使われた。
大好きな部活は急遽休みになった。
散歩中のポメラニアンに吠えられた。
コンビニに寄ったら変なおじさんに絡まれた。
人違いだったらしい。
…幸運を祈っといた。
レジ前で小銭をぶちまけてしまった。
今日はついてない。
もらったお釣りがピカピカの五円玉だった。
帰り道にお賽銭箱に入れて手を合わせておいた。
明日はもう少しだけついてますように。
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