【短編作品】泣いてもいいんだよ
空が泣いていた。
泣いている雲の様子は自分の身体が本当に引き裂かれているような、そんな感覚があった。
私も悲しくなって、雲に傘をさしてあげた。
「どうして泣いてるの?」
雨は答えることなくただ涙を流した。
「言いたくないの?」
雨は少しも答えず泣き続けた。
返事がなかったので少女も泣きそうになったが、彼女は涙を我慢した。
私が泣いてた時、雨上がりの虹が私の心を癒してくれた。
今度は私が虹をかけるんだ。
そうしてしばらくすると雲に虹がかかった。
地に降り注いだ雨は再び天に昇って行ったのだった。
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