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2021年全国読書感想文コンクール課題図書を読んでみた(小5〜高校生の部)


こんにちは。
さあ、いよいよ夏休みがやって来ますね。 
夏休みの宿題といえば大変なイメージがある読書感想文📖。今年は初めて夏休み前に親子で一通り課題図書に目を通すことができました。たまたま図書館で早期に予約していた為読んだ娘達は既にどうするかを決めたようです。勿論自由図書にしてもいいですね。課題図書作品選びの参考になれば幸いです。


◆小学校高学年の部

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『おいで、アラスカ!』

アンナ・ウォルツ/ 作 野坂悦子/ 訳

転校生のスフェンとパーケルはクラスメイト。
パーケルか昔飼っていたアラスカという名前のワンちゃんがやがて成長してスフェンの介助犬になっていました。スフェンの病気はどんなものかを知ったパーケルはどうするのかを優しく描いた作品です。

○海外のお話で少し社会の事情が日本とは異なり、次女はちょっと怖がりましたが病気のことも知れて結果的に前向きな良い読書体験となりました。翻訳本を読む練習にもなりました。


『サンドイッチクラブ』

長江優子/ 作

2つの塾に通う小学6年生珠子。違う学校の成績優秀なヒカルと出会います。他の友達とサンドアート対決に取り組む小学校最後の夏休み。登場人物の立場に立って私ならと考えられる児童書らしい心の動きや勇気を感じる物語でした。

○中学受験が盛んな地区でしたら共感できる部分が多いかなと思います。(こちら地方では選択肢が少なく、ほとんどが公立中学へ進む為 娘の知らない世界でした。)


『オランウータンに会いたい』

久世濃子/ 著
オランウータンが好きで海を渡った作者。約20年の研究から子ども達へ伝えたいことが写真などとともにわかりやすく書かれていました。オランウータンの子育てや食生活、生態を知ることができます。

○目次も可愛くて長文の物語が苦手でも読みやすい作品です。将来国語での説明的文章を読む練習にもなりました。動物が好きだときっと楽しく読める一冊。オランウータンの赤ちゃんが可愛いです。


『エカシの森と子馬のポンコ』

加藤多一/ 作 大野八生/ 絵

子っこ馬のポンコは森で暮らしています。
長老の木はエカシ。不思議なカメムシは友だち。
音や香りを感じる大人への成長を描いた物語です。

○挿絵が全ページにあったり工夫されています。また北海道出身の作者により自然やアイヌ文化に触れられる作品です。大人になってしまった私より、成長過程にいる子ども達の方が沢山発見がある物語かもしれません。

◆中学校・高等学校の部

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『with you』 (中学校の部)

濱野京子/作

母親の介護による「ヤングケアラー」が話に登場しどういった悩みがあるのかを知ることができます。
基本的には朱音に恋をした悠人とのストーリーが中心となり、異なる立場の相手を思いやることを学ぶきちんとした作品に感じました。

○すでに普段本屋大賞関連など一般書をよく読んでいる長女はすぐに読了していました。ページ数も多くなく読みやすいですね。


アーニャは、きっと来る』(中学校の部)

マイケル・モーパーゴ/ 作 佐藤見果夢/ 訳

第二次世界大戦中のフランスのある村が舞台です。少年ジョーは羊飼い。ユダヤ人の子どもの亡命を助けるべく村のみんなが一つになる物語。

○読書感想文ではこういった背景にも目を向けるきっかけになりますね。私もドキドキハラハラしながら読み終えました。
↓こちら映画化されました。
予告編を見て世界観が伝わってきました。

https://cinerack.jp/anya/


牧野富太郎:日本植物学の父』(中学校の部)

清水洋美/ 文  里見和彦/ 絵

野山を駆け巡り数多くの新種を発見し描いた牧野富太郎さんの人生がわかりやすくまとめられています。美しい画は今手帳のデザイン等でも見かけますね。波乱万丈な94年を知り、好きなことを突き詰める真剣な姿が印象に残りました。その世界を感じる一冊です。

○先日読んだ小説に、植物画といえば牧野富太郎さんだという一文が出てきました。この本を読んでいたおかげでなるほどと理解できました。精巧な図は圧巻です。

水を縫う』 (高等学校の部)

寺地はるな/ 著  [9回河合隼雄物語賞受賞]

高校生の主人公が好きな刺繍を通して家族とつながる物語。会話は関西弁で気持ちがよく伝わります。姉の水青のウェディングドレスはどうなるのか、各章1人1人にあたるスポットライトによりその輪郭が見え、温かさがじんわり広がる一冊です。

○千葉、東京の中学入試で出題されました。

○ちなみに私が読んだ時にはこんなツイートをしていました。ご参考まで↓


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子どもの頃「あー書かなきゃ」と大変だった読書感想文。読むのは好きだけど書くことに慣れていない為苦手でした。時間がかかる課題ゆえ書くことに抵抗がある方も多いかと思います。

今思えば、見識を広げたりアウトプットする練習だったんだなと今回読んでみて少しイメージが変わりました。

実際私が小学生の時のオレンジ色の表紙の課題図書『大地震が学校をおそった』を今でも覚えています。長野県王滝村での地震をこの本で知りました。

自分ごとと照らし合わせたり、登場人物の気持ちを想像する読書感想文。自分の考えを文章にする問題が増えているからその練習にもなりますね。



今年は娘達と「この作品はどうだった?」と話したり「子ども目線だとそう思うのか」なんて驚いたり1ヶ月面白い時間が過ごせました。

課題図書でも自由図書でもOK。読みながら好きな文章のメモを取ったり付箋をはさみながら感じたことをまずは書いてみる。そこから今の年齢でしか書けない自分の言葉が沢山見つかるといいですね。


楽しい夏休みになりますように。


お読みいただきありがとうございました。



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