清香軒(金沢兼六園 成巽閣)


「清香軒(せいこうけん)」

石川県金沢市の兼六園にある成巽閣(せいそんかく)内の茶室。

成巽閣は加賀藩第十三代藩主・前田斎泰がその母・真龍院の隠居所として建てた御殿で、文久3(1863)年に造営されたものだそうです。

成巽閣の東北側に付け下ろされた柿葺(こけらぶき)の屋根の下に、さらに別の屋根(庇)を設けて、茶室と書院が造り込まれており、清香軒はその茶室の部分にあたります。

土間庇の下には飛石や延段、沓脱石が設けられており、内露地としての機能も有し、雪深い季節にも対応できるようこの地方ならではの工夫がこらされています。景観も見事です。

内部は三畳台目の向切で、床の間側に入り込んで柱を立てた、原叟床(げんそうどこ)という形式を用いています。

客座畳と同じ高さに台目一畳大の地板を敷き込み、そこに角竹(かくちく)の床柱を立て、下を吹き抜けた壁が立ちます。入隅には楊枝柱、墨跡窓もあいた端正な床構えとなっております。

床の間正面には躙口、矩折に二枚腰障子の貴人口を設けています。躙口は板戸二枚を引違いに建てて、開放的で幅広いのが特長的です(※通常は一枚)。

二枚の襖をはさんで、八畳の書院が隣接、さらに隣には長四畳の水屋。

この茶室は今も金沢市に現存し、重要文化財に指定されています。

(国宝・重文の茶室をまとめています↓)

(ステッカー、中々良き仕上がりですのでぜひ↓)

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