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小論文の出題・テーマは同時代的なものが少なくありません。だからといって、あわててネタ本とかを漁らないようにしてくださいね。小論文は知識テストではなく思考力テストです。思考力はさまざまな形で表現できますが、その一つに課題解決型の思考力があります。ボクが授業や講座でよく使っているモデルですが、それをわかりやすく表現してみました。 現状の把握→課題の発見→課題の分析→課題の解決 これは以前に紹介した「受験生に現金?」の出題のにもみられる論理です。このように大学入試で思考力
大学受験における小論文試験は多様です。課題文が出題されて、それを要約・説明した上で、自分自身の考えを述べる…一般的には、そんなイメージかもしれません。しかし、テーマや短い記述が示されて、規定の字数内で構成や内容を自分で自由に考え、述べていく出題もあります。また、順天堂大学医学部のように一枚の写真や絵が示されて、各自が感じたことや思ったことを自由に述べるものもあります。これをボクは自由論述型と呼んでいます。 そんな小論文試験を続けてきた杏林大学医学部2018年のテーマが「普
※暫定公開中です 衝撃的な事件が発覚しました。ALSの患者さんを死亡させたとして、医師2人が嘱託殺人罪の容疑で逮捕されたのです。事件について「安楽死」と表現するメディアがほとんどです。しかし、それは誤解を招く表現で、医師による「殺人」に他なりません。 事件をスクープした京都新聞の記事によれば、「医師2人は被害女性の担当医ではなく、直接の面識はなかった」とのこと。この点で、医師による従来の「安楽死」事件とは、様相が大きく異なります。現段階で十分な情報がないため予断は避ける
今朝の朝日新聞の(耕論)タテ書き絶滅危惧?は、なかなか良いテーマでした。ボクが働く予備校ギョーカイでも教科や講師が両者に分かれます。また、同じ慶應義塾大学でも法学部や文学部の論文試験はタテ書き、他の学部はヨコ書きと出題形式が違います。 かつて、このテーマを取り上げた論文試験があります。岩手大学医学部2016年の出題です。課題文の掲載は著作権の関係でビミョーなので、以下にボクが書いた解答例を転載します。1段落の記述を読めば、課題文/筆者の主旨はわかると思います。筆者はタテ
ことばには光と影があります。薬と毒と言い換えてもいいかもしれません。自戒を込めていいますが、ボクも毒をふくんだことばを言い放ち、相手を傷つけ、周囲を暗くしてしまった経験が無数にあります。「やっちまった」と軽くやりすごすことはできず、自分のひどいことばを思い出すたびに、取り返しのつかない失敗に凹むことが少なくありません…そんな毒のあることばをめぐる小論文の出題(山梨大学医学部2006年)を紹介します。 課題文が紹介したのは、あるALS(筋萎縮性側索硬化症)患者をめぐること
今やっていることの意味がみえない…そんな人は以下の出題・文章を読んでみてください。文中にあるジョブズ氏の以下の言葉を、ボクも実感することがあります。いつも、何事も「成るように成る」と信じて一生懸命に取り組むと、不思議なことに、点と点は「つながる」のです。 将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。だから、我々はいまやっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない。 あま
東大が後期で論文試験を行っていた時代の出題(2008年)を紹介します。課題文というか資料は、実際にあった事件の判決です。受験生だけでなく、大人にも読みづらく、わかりづらい印象を受けます。しかし、意外なことに、受験生による問1(内容説明)の正答率は高いのです。それは、判決という文章は、論文の基本(判断+理由)に忠実な文章で、理由の正しさを論理的に(順を追って)説明するものだからです。基本をマスターした受験生ならば、構成も内容もクリアにみえるため、説明しやすかったようです。
慶應義塾大学文学部2018年の「小論文」は、とても秀逸な出題でした。直前の2017年末に流行語大賞をとった忖度をテーマにしつつ、それに一言もふれずに仕上げているからです。隠れキャラをしのばせた努力にもかかわらず、出題に忖度を見出した人は少ないようですが… この学部の小論文の設問は、以下のとおり実にあっさりしています。 設問Ⅰ この文章を300字以上360字以内で要約しなさい。 設問Ⅱ 「自由」について、この文章をふまえて、あなたの考えを320字以上400字以内で述べな
新型コロナウイルス感染症が社会・世界に拡大していく…その中で私たちが受け止めるべきは、ゼロリスクは「はかない夢」であって現実ではないということです。それは、リスクに絶望して、なすがままに任せることではありません。しっかりとリスクを向き合い、リスクに対する個人と社会の「耐性」を身につけることが大切なのです。ただ、「耐性」には大きな個人差(大きい/小さい、強い/弱いetc.)があります。そこで、多様な個人と個人がつながり、リスクを分かち合う社会的な努力こそが未来への「希望」を生
小論文ってどう書いたらいいんですか? よくある質問の一つです。この言葉の前提には、書き方にはたった一つの正解があるという思い込みがあるように感じられます。こうした不安に乗じるように、世の中には書き方をめぐる諸説があふれています。でも、20代のときから「書く仕事」を続けてきた人間として、「まゆつば」とまで言いませんが、一つの書き方を教え込もうとするあり方に強い疑問を抱いてきました。 大学も同様の疑問を抱いているようで、岩手大学医学部は以下の出題をしています(2018年)
我ながら、まったく意味不明なタイトルだなあ…と思いながら記しています。このボケたタイトルを解きほぐすべく、軽めにツッコミつつ記していきましょう。 東京大学推薦入試では文学部、教養学部、工学部で小論文が課せられます。過去問はHPに公表されていますが、超難関大学でかつ募集人員も少ないため、あまり注目されていない印象があります。しかし、いずれも良問で、学びの素材として十分に活用できます。 以下は工学部2019年度推薦入試の小論文の出題です。 以下の設問を読み、小論文解答用紙
フェイクニュースではありません。旭川医科大学医学部看護学科の小論文試験で本当にあった出来事です。出題はこんな感じで始まります。 別添の封筒をあけ、中の千円紙幣を取り出し、次の問1、問2、問3に答えなさい。 どうやら封筒の中に千円紙幣が入っていて、それが受験生全員に配られたようです。日本の大学入試史上初めて受験生に現金が配られた「事件」、地元の北海道新聞がなぜ一面トップで取り上げなかったのか不思議です(笑) そして、以下の問題が続きます。これは単なる知識テストで、特
コロナ休学が続き先が見えず、または学校が再開したものの気分が乗らず…そんな苦難の中にある人は一読してみませんか?難関大学の小論文の出題ですが、課題文の内容は平易です。ただ、これを起点とした思索は、それぞれ、きっと深いと思います。まずは感じとり…あれこれ考えてみて…短くても構わないので、何か文章を書いてみましょう。こんなときだから[特別公開]しますね。 上智大学総合人間学部看護学科2018推薦入学入試(公募制) 問 次の文をふまえ、「学びがい」についてあなたの考えを800字