自転車に乗るように文章が書けたら ―私がnoteを始めたわけ
家庭の事情により,しばらくの間,noteでの執筆をお休みします。
お休み前にnoteについて書いてみます。あまり自分語りはウケないのだけど(苦笑)。今の気持ちの記録です。
また戻りましたら,どうぞよろしくお願いします。
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文章を書くことには,ずっと苦手意識があった。本を読むことは大好き。そして小さい頃は文章を書くことは好きだったし,そうした関係の仕事に就きたかった。でも,いつのころからか文章を書くことを意識しすぎるようになり,「私は読み手の側にいるのだ」とかたくなに思ってきた。
SNSも嫌い。どうして自分のことをそんなに書けるの? 私の話なんて誰も面白がらないだろうし。そう思っていた。いくつか使っているSNSは連絡用かROM。仲間内に近況を知らせる程度だった。
きっかけ
あるとき,長い間学校に行かない子どものことで思うことが溢れてきて,文章にしたい,活字にしたいと思い,一晩で一気に書き上げた。
これを書いているとき,初めて自転車に乗った時のようなすいすいと進む爽快感,自在に好きな所へ行ける解放感があった。
この文章をあるところへ応募した。初めての投稿である。
これが幸いなことに掲載された。そして記事を見せた知り合い,特に同じ不登校の子どもを持つママ友に喜ばれたり,勇気づけられたという感想をもらった。
私が書いた文章が,誰かを勇気づけることができる。
初めてそんな喜びを知ったのだ。
さらにその文章を読んだ人から,不登校の親としての経験を聞かせてほしいという依頼があった。
相手の方は私のつたない話をじっくりと聞いてくださり,受容され満たされた気持ちになった。
なんとか自分の経験や意見を話し終えた充実感の一方で,言えなかったことがあったり,まとまりがなかったことに落ち込みもした。
学校に行かない生活が長いと,自分の子どもが世間で「不登校」と言われることも忘れて日々を送っているので,思い返したり,経験を整理することがなかったのだ。
けれど,私の経験でも聞きたいという人がいた。
確かに自分も子どもが学校に行かなくなった当初,不登校経験者やその母親の言葉をむさぼるように読んだものだ。学校に行かない子どもがどうなるのか,どのような大人になるのか。誰一人同じ道筋はなくてそのまま参考にすることはできなかったけれど,それぞれに成長したことを知り,不安が薄れたものだった。
ならば次に求められたときに,もっときちんと話せるように整理しておかなければ。
なぜ図々しく「再び私の話しを聞きたいと求められる」と感じたのか。自分でもおかしいと思ったのだが,確信めいた予感があった。
そこで私はnoteに書き始めた。
noteを始めて
noteには,自分でも驚くほど率直にさらけ出して書いている。面識がない人たちだから書けるということもあるのかもしれない。
そして,何本もの記事を書いてから気づいた。
私はずっと誰かに話したかった。
誰かに聞いてほしかったのだ。
不登校の子をめぐる経験は,不登校でないママ友とは共有しづらい。そして不登校ママ友もそれぞれ多忙で,じっくりと話す機会はない。
自分の数年前の経験の記事に「スキ」をもらうと,過去の自分にみんなから「よくがんばったね」と言ってもらえたようで,ようやく報われた気持ちになれた。がむしゃらに走ってきたけれど,私もまあまあがんばったじゃない?
仲間
noteの上で「スキ」を送りあう仲間がいて,「スキ」が毎日の「おはよう」「元気?」のあいさつの代わりになっている。
仲間の記事が更新されないと,体調が悪いのかと心配になる。
何人かの方とはnote外でもつながった。
一方で,仲間と思っていた方が突然noteから去っていき,その人をしばらく探していたこともある。
ある時からサークルに入り,さらに強いつながりの仲間ができた。
noteでコメントを送りあうサークルだ。
興味半分で入ったサークルだったが,私のnote生活をさらに充実させてくれた。
自分の記事に対する感想が聞けるのもちろんありがたかった。さらに自分の記事が読者の心のうちを動かしていくことを知り,大きな感動と少しの恐さを覚えた。文章で人に訴えることの責任を教えていただいた。
このサークル活動で思いもよらぬ関係ができた。コメントがいつしか交換日記のようになり,会ったこともない人なのに昔からの知り合いのように感じられるようになった。恐らくリアルでお会いしたら職業も年代も異なり,打ち解けて話すこともないままだろう。
noteで出会ったほかの多くの人も同じく,リアルでは会うことも,話が弾むこともなかったかもしれない。SNS慣れしていない私にとっては不思議な関係だ。
これから
私の文章を書く生活は,自転車でいえば補助輪がとれたばかりのよろよろ運転だ。いつかスイスイと漕げるようになって,さらに自転車から帆船に乗り換えて,広い世界へ飛び出していきたい。
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落ち着いたらまた戻ってきます! だって下書きがたくさんあるのだもの。皆さん,ごきげんよう!
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