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真夏の別府旅 〜後編〜

Bさんと行く別府の旅、後編。
前編はこちらから。

2日目

別々のベッドでぐっすり眠り、早朝に目が覚める。
目覚ましが鳴ってから実際に起き出すまでの数十分間は、Bさんのベッドに潜り込んで抱きついたりチューを浴びせたりというウザ絡みに徹した。
「あれ、いつの間にかこっち来てるやん!」
と言いつつ満更でもなさそうなBさん。好き。

本日のメインイベントは「地獄めぐり」である。
大分に詳しい知人から「別府といえば地獄めぐりだけど、途中で離脱しても誰も責めない」と言われていたため私の中での優先順位は低めだったが、Bさんは「せっかくだから全部行ったほうがいいんちゃう?」と言い、昨日のうちにしっかりスケジュールを立ててくれていた。

朝ごはんをたべてすぐに出発。
地獄は全部で7つある。そのうち5つは宿から徒歩圏内だったため、歩いていくことにした。
大した距離ではないがこの猛暑、おまけに坂道が多く、あっという間に汗だくになった。
前編でも書いたように街じゅうで温泉の蒸気が上がっているため、暑さがいや増す。
いまは立派な観光地だけど、こんなふうにそこらじゅうから熱湯や蒸気が噴き出してくるなんて、熱いし怖いし作物も育たないし、昔の人にとってはまさに「地獄」だったんだろうなぁ…と思いを馳せた。

海地獄
鬼石坊主地獄
かまど地獄
白池地獄

もうひとつの「鬼山地獄」にはなぜか巨大なワニがたくさんいたのだが、フェンスに阻まれて撮影が難しかった。とにかくワニがたくさんいた。

それぞれの地獄はすぐ近くに位置しているのだが、池の色や何もかもが全然違っておもしろい!自然ってすごい。

前半戦を終えたところで水分&塩分補給を必要としたため、一度宿に戻って車に乗り、ラーメンを食べに行くことにした。
こちらも昨日Bさんが調べてくれた、「ふらり」というお店。

人気店のようだったので開店前に行ったが、すでにウェイティングボードには名前がいっぱい。
でも車のナンバーを書いておいて車内で待っていれば呼びに来てくれる、というシステムだったので助かった。
Bさんは豚骨醤油ラーメン、私は中華そばを選択。

中華そば

シンプルで美味しかった。あっさりめのラーメンが好きな方にはお勧め。

ラーメンのあと、残り2つの地獄へ。

龍巻地獄。数十分おきに熱湯が噴き出す
血の池地獄

血の池地獄には、足湯がある。
朝行った海地獄にもあって、そのときは「暑いし別にいいかなぁ」という感じだったのに、ここで足湯を見たら急に入りたくなった。
「ちょっと足湯に入ろかな」
と言ったら、Bさんが
「うわ、今まったく同じこと考えてた」
と言い、二人で足湯に入った。気持ち良かった。

無事にすべての地獄をめぐったので、おやつと称して、これも人気店であるらしい「甘味茶屋」へ。

Bさんは大分名物の団子汁、私は宇治金時のかき氷。
団子汁を少し分けてもらったけど、めちゃくちゃ美味しかった。

宇治金時のかき氷。最高

昼のうちにやりたかったことはひと通りできたので、一度宿に戻る。
戻ってベッドにごろんとしたら、あっという間に眠ってしまった。
起きると1時間半くらい経っていた。
「ごめん!めっちゃ寝ちゃった」
と謝ると、アマプラでアニメを見ていたBさんが事もなげに
「おまえは暑さに慣れてないからな。疲れたんやろ」
と言う。
こういうところほんと好きだな、と思う。

もう夕方になっていたが、知人から「勇者ならぜひ行ってみてほしい」と言われていた「別府温泉保養ランド」へ行ってみることにした。
Googleのレビューを見ても賛否両論という感じで迷ったのだが、まあ何事もチャレンジである。

ここの売りは、いわゆる泥湯だ。
地下から湧く「鉱泥」に入れるのは世界でもここだけであり、その泥にはさまざまな健康効果があるらしい。
じゃあなぜレビューが賛否両論なのかといえば、まず施設の古さ。
外観は、バブル以前に建てられた会社の保養所が手付かずのまま令和に取り残されてしまった、といった風情を漂わせていた。なんというか野ざらし感がすごい。
そして何より、「混浴」という点である。

一応男女を隔てる仕切りはあるので変な行為(って何)はできないし、泥湯なので肩まで浸かれば見えない。
しかしお湯の深さは腰程度なので、ずーーっと肩まで浸かったまま移動するのはなかなか大変である。
特に囲われたスペースからオープンなスペースに出る瞬間は、よほど気をつけていないと気づいたら男性の視界に入ってしまう。ていうか、初めての人は絶対うっかりポロリしてしまうと思う。
で、その「うっかりポロリ」を狙える絶妙な位置でスタンバイしているクソ野郎殿方がいるのである。
Bさんも「ほんまにじーっと女湯のほう見てる奴おんねんな。キモかったわー」と言っていた。

なのでナイーブなお嬢さんにはお勧めできないが、私自身は多少見られても気にしないし、泥湯自体は新鮮な経験だったし、仕切り越しにBさんと話せたりもしたので楽しかった。
ちなみに私が行った時には親子連れ(50代くらいのお母さん&20代くらいの娘さん)がいて、私より少し先にオープンエリアに出た娘さんがうっかりポロリしてしまい、
「あっはっはー!ねえママ、知らないおじさんに見られた!え、ほんとにめっちゃ混浴なんだけど!ちょっとパパ!パパー!私、見られちゃった!」
と仕切りの向こうのお父さんに呼びかけていて、お父さんも
「猥褻罪で捕まるぞ(笑)」
と返していた。素敵なご家族だった。ああいうメンタリティで生きていきたい。

夕食は、「関サバを食べたい!」ということで選んだお店へ。
はじめて食べた関サバ、しっかりした弾力がある。九州の甘醤油につけて食べるとそれはそれは美味しかった。

関サバのお造り
残り半分は炙りで!
地元の魚を使ったりゅうきゅう(ヅケ)
大分名物とり天

芋焼酎のソーダ割りとともにじゃんじゃんいただく。どれも美味しい。
店員さんがやたらとイケメン揃いでびっくりした。
ソーダ割りの氷が製氷機のやつではなく、いちいち塊氷を割ってくれるのもポイント高かった。良いお店。

〆に、こちらのお店で教えてもらった近くのスナックへ。
ママは男性なのだが、いわゆるゲイバーという雰囲気ではなく、地元のお兄様お姉様がワイワイ飲んで歌っているような楽しいお店だった。我々のような新参者も温かく迎えてくれて、「何歌う?」とデンモクを回してくれる。優しい。
特に近くにいた50代くらいのご夫婦が、
「ふたりの雰囲気がいいねえ。仲良さそうだねえ」
とニコニコ接してくれて、そんなふうに見えているんだなとなんだか嬉しかった。

代行で宿に帰り、酔っ払った勢いでシングルベッドにぎゅうぎゅうになって寝る。
起きたら何も着てなかった。笑

朝早い飛行機だったので、翌朝さっとお風呂に入って空港へ。
離陸が遅れて乗継がうまくいかないかもとヒヤヒヤしたのだが、航空会社の皆さんのご尽力のおかげで無事に帰ることができた。
1年半しか住んでいない町だけど、帰るとやっぱりホッとするし、誰かと一緒に帰ってこられるってすごく幸せなことだ。
急なハプニングや予定変更も動じず受け止めてくれて、私が決めたいところは素直に従ってくれて、私がしっかりしてないところはフォローしてくれる、Bさんの優しさを再確認できた3日間でもあったなと思う。


だらだらと書き連ねてしまったけれど、そんなこんなの楽しい旅でした。

考えてみるとコロナ前は休みさえ取れれば海外に行っていたので、あまり国内旅行をしたことがなかった。
別府も、前回行った能登も、それぞれに特色があって楽しい。
次の機会があったらどこに行こうかな。お勧めスポットがあればぜひ教えてください。


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