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ロンドンで妊婦④ バースプラン

NHSの10w初診までに、考えておきたい基本的なバースプランが2点あります。

◆希望出産場所→病院or自宅

イングランドでは、2.1~2.4%の方が自宅出産しており、地域によっては9%にものぼるとのこと。0.1%の日本とは違い特別視されず、選択肢のひとつとして確立しています。

自宅出産を選んだ場合も、NHSからmidwifeが派遣され、出産用プールを用意しておけば水中出産も可能です。

初産婦にとっては、新生児の健康上の問題発生の確率があがる(病院5/1000→自宅9/1000)が、健康な経産婦にとってはリスク確率の差はない。ただし、非常時の搬送時間のロスはあると説明されています。また無痛分娩(硬膜外麻酔 epidural )の選択はできません。

デメリットだけではなく、リラックスして挑める、上の兄弟など家族と体験できる、などのメリットも上げられて、妊婦にとっての選択肢として大々的に提示されています。

◆希望出産方法→経膣自然分娩or無痛分娩or予定帝王切開

出産場所に自宅でなく病院を希望すると決めたとして、さらに出産方法を決めることになります。

日本では
・逆子 breech
・帝王切開経験者 cesarean / c-swction
などは基本的に帝王切開が予定されますが、イギリスは少し異なります。

逆子はまず外回転術 (external cephalic version : ECV) が試されたり、帝王切開経験者もVBAC(次回は経膣でトライ)が基本とされます。

無痛分娩 epidural は妊婦の30%が選択しているとか。日本の9%と比べるとかなり一般的に普及しているように思います。

これらの前提条件を踏まえた上で本人の希望で出産方法を決めますが、ひとつ注意なのが、その選択により病院内での出産場所が変わること。

病院内は大きく、
◆Birth centre (midwife-led units)
という助産師が自然分娩を行う場所と、

◆Labour ward
という医師の介入する分娩場所に分かれていて、階も違ったりします。無痛分娩や予定帝王切開の方は、こちらの管轄です。またバースセンター予定でも急変した妊婦さんは、レイバーワードへ搬送されることになります。

この二ヵ所は同じ院内でも雰囲気は違うかもしれませんので、意識して区別しておくと、混乱しないように思います。

一例として。アットホームな雰囲気のバースセンター
バースセンターの水中分娩用のお風呂
病棟らしいレイバーワード

以前の記事でも紹介した通り、順調な経過で、バースセンターで出産を終えた場合、検診も含めて医師に一度も会わない可能性は多いにあります。場所も雰囲気も違うところという感じですね。

次回は、NHSの初エコー検査(12w)について書きたいと思います。

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