中学校除籍 その2
私が、
自分は中学校を除籍扱いになっている
ということを知ったのは
まだ最近のことです。
それについて語る前に説明が必要です。
現在の義務教育では
みなし卒業
というものがあります。
小中学校に一日も登校していなくても
義務教育上、卒業扱いになり
卒業証書はくれるのです。
ですから、
不登校や病気などで
小学校、中学校をほとんど行っていない状態でも
高校入学試験を受けることができるのです。
義務教育とは
子供が学校に行く義務ではなく
親が子供に教育を受けさせる義務がある
という意味なので
子供が自分の意思で通わなかったり
やむを得ず通えない事情で通えなくなったりしても
卒業はできるのです。
私がこのことを知ったのは三年前でした。
私は親の都合で中学校を一年の三学期までしか
通えませんでした。
その事情については後々書いていきたいと思います。
自分が中学校中退だと思っていた私は
実際に履歴書にもそう書いていました。
現在は高校進学率が約99%なので
中学校中退の人間を雇ってくれる会社などは
ほとんどないのですが
面接官は、中学校中退などというものがあるとは思ってもいない人が多いようで
履歴書をよく読まないで
中学校で終わっている場合は勝手に
「中卒なんだな」と思いこんでくれて雇ってくれる会社もありました。
よく読んで
「中学校中退とはどういうことだ?」と事情を訊いてきて、正直に話すと同情してくれて雇ってくれる会社もありました。
だいたい肉体労働です。
やりたい人が少ないブラック企業がほとんどです。
私はそういう仕事でなんとか食いつないでいました。
ある日、アルバイトで知り合った人から
みなし卒業のことを教えてもらったのです。
「一日も学校に行かなくても卒業扱いになるんだぜ」
私は、
ならば、自分も卒業扱いになっているのか!
では、高校に進学することも可能だし
仕事も見つけやすくなるし
今後の人生も大きく変わる。
ものすごい期待感が私の心を満たしました。
堂々と卒業証書を貰いに行こう!
翌日、私は一年間だけ通っていた学校に電話したところ
事務員さんから
「在籍記録がない」と言われました。
「一年間は通っていたのに在籍記録がないというのはどういうことですか?」
私は担任の先生の名前や同期の友人の名前を並べ、確実に一年の三学期の終業式前までは通っていることを説明しましたが、
事務員さんは
「在籍記録がないのでお答えできないです。教育委員会に電話してもらえばわかるかも知れないです」と困ったような口調で言いました。
私はすぐに教育委員会に電話し、
自分が中学校を
除籍
になっている事実を知ったのです。
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