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「折角だから・・・」と差し出せるもの
少し前に遊びに行ったポツンと一軒家のノブちゃんは
「折角来てくれたから、上の観音様へ連れてってやる」
と言って、ノブちゃんしか知らない観音様を拝ませてくれた。
エコパークのキミエさんは
「折角だから、あっちの花まで見に行ってみようか」
と言って、園内を一回りして、咲き始めた花々を説明してくれた。
中ノ平の林を手入れしているシズオさんも
「折角だから、あっちの林まで行ってみるか」
と言って、自生
『愚かで可愛い「母親」という生き物②』
母親って、我が子のことを自分の所有物のように勘違いしてしまうことがある。自分が母親になってみて、初めてそのことに気づいた。母もそうだったんだね。
……
昭和19年、農家の長女として生まれた母は、何かと辛抱と我慢とを強いられて育った。母だけが特別だった訳ではないだろう。戦後、多くの子供たちは多かれ少なかれ、兄弟姉妹の為に夢を諦めたり、自分の意に反した進路を選ばざるを得なかったりした経験があると思
『愚かで可愛い「母親」という生き物①』
母親って、我が子のことを自分の所有物のように勘違いしてしまうことがある。先日、お弁当の水平を無視して通学リュックに放り込む娘に「傾けないようにして持って行ってよね!」と注意したら「それはお母さんの都合じゃん!」と一蹴された。
……
娘は次のように言い放った。『私はお弁当の中身が傾いていても全然平気。身動きがとれない満員バスの中で、リュックの中のお弁当の水平を気にしなきゃならないことの方が、お弁
お父さん 2016年11月14日手記より
五つの時に父親と死別した父は「父親」とは何か分からないまま、私たちの父になりました。お手本などなかった父ですが、いつも頼もしくて家族の為に、懸命に働く姿しか記憶にはありません。
ある日、突然の病に臥した母。生涯、傍にいると信じた母が亡くなり、父は、ひとりぼっちになりました。幼な子のように泣いて震える父でした。
あの日から「父親らしさ」という鎧を脱ぎ捨てて、父は、ありのままの姿で歩き出しました