鈴木一史(左官職人)@神奈川県三浦半島

壁を創る職人。(有)左菊 土遊びが得意技です。 職人会社の経営をしながら他方で、 地元…

鈴木一史(左官職人)@神奈川県三浦半島

壁を創る職人。(有)左菊 土遊びが得意技です。 職人会社の経営をしながら他方で、 地元三浦の地域の事も思案中。 2024/1現在、熊本県の地域創生ビジネスに挑戦中。 多拠点生活のADDress三浦邸の家守。 多様な価値観で起こった私の中のイノベーションも 書き記していきますね。

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  • (神奈川県三浦半島より)左官の出来ること、左官が…
  • 左官の材料について
  • 神奈川県三浦市三崎港バス停待合所リニューアル工事
  • スタッフ職人(未経験可)募集! 土で暮らしをデザ…

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土壁イベントで感じたワンネス

先日行ったイベントで塗った土壁。 風雨にさらされ、剥がれ落ちてしまいました。 その落ちた土を広い集めていると、どこから大地の土で どこから壁の土なのか。。。。 なんか区別することが馬鹿らしく そういえば私はどこから私でどこまで私なのか? 切った爪や抜けた髪は私ではないのか? 視覚で認知できる範囲が私なのか? 素粒子までいくと、どこで区別出来るのか? というか、区別する必要かあるのか? ただ落ちた土を拾っているだけなのに そんな思考が巡っている自分がかわいいなぁと思っ

    • なぜ人は壁を作ろうとおもったのか?

      過日は横須賀市にある農園レストラン、SYOKU-YABO農園(※1)で 竹を組んで土壁を塗るイベントをやってきました。 その時感じたことを感じたままに書き記そうと思います。 身近なもので壁を作ってみたい!! NAO(ショクヤボのスタッフでもある(※2))のこの企画、コンセプトは身の回りである素材で作る。 言わばこんな便利な社会以前の、当時の当たり前の建築を再現するを コンセプトに、2023年末にNAOが三浦の竹部の人たちと竹を切り出し、 それを加工して竹小舞という日本建

      • 30年の節目に思うこと(現象とビジョン)

        大凡30年前。高校卒業したてのほやほやだった18歳の私。 3/27に先代が亡くなり。左官職人としての門が開き、 気が付けば30年が経とうとしています。 紆余曲折。良いことも悪いことも。 楽しかったことも苦労したこともありました。 そんな経験を経て、今思うことを10年単位で区切って 記そうと思います。 急転直下のスタート。勢いで突き進んだ10年。(18歳~28歳) 18歳で父の葬儀の時に左官やる宣言をしていきなりスタートラインに。 30年も前になると、なんかどうでもよくな

        • 一流の職人さんの現場で体験した「見ようとしないと見えない世界」

          私がまだ若かれし頃に体験した話。超が付くほど一流の左官の親方の現場に参加させていただいたときにパラダイムシフトしたことをつらつらと書いてみます。 狭い世界で天狗になることの重要さ 20代だったと記憶してます。田舎町でそれなりにデザイン的なお仕事などもしたり、建材メーカーさんから表彰されたりそりゃもう天狗を通り越してました。 技術の追求。究極を目指す!など息巻いていた私は、ご縁を頂いて とある老名人と知り合うことが出来ました。 建築雑誌の世界の中の人とリアルで繋がることが出

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        • 左官職人のお話。
          19本
        • 地域のこと、三浦のこと
          8本

        記事

          山梨県 土のものづくり 土レンガの積み上げ

          2023年末。12/25.26にて、山梨県身延町湯之奥の焙炉&かまどつくりWS を行いました。 その時のレポートになります。 ぎりぎりで土のレンガが乾燥した模様。。。 前回の記事を参照いただきまして、土のレンガを作成したのち 乾燥期間を設けて今回は土のレンガを積み上げて形を作る作業となります。 11中旬に作った土のレンガ。約一か月半の乾燥期間。 幾ら屋内であっても乾燥するかなと算段しておりましたが、 見通しが甘かったですw このプロジェクトの取り仕切りをされている日高先

          山梨県 土のものづくり 土レンガの積み上げ

          世界(この世)で暮らすことと社会で暮らすこと

          新年一発目でございますね。本年もどうぞよろしくお願いします。 いきなりディープな話で恐縮です 最近の漠然とした生きづらさみたいな正体を探る なんでしょうね。時代の過渡期だと思っております。 経済至上主義からの脱却・環境問題・AIの台頭・地政学・人の憎悪・心の時代・Z世代 未知の領域にどんどん踏み入れてよくわかない状況に陥っている。 私に限っては、思春期を迎えた長男が私の思い通りにならなくて腹を立てている自分がいてw 不確定要素が日々膨張していく感じ。 反面、そんな時で

          世界(この世)で暮らすことと社会で暮らすこと

          山梨県の山奥の集落で土ざんまい     其の一 日干しレンガ作り編

          11月の中旬から現在進行形のプロジェクト。 山梨県は身延町の山間の集落にて、かまど。焙炉(ほいろ)つくりの プロジェクトについての記事になります。 土で作るモノヅクリの楽しさを垣間見れる文章を心がけたいと思いますw 小さい集落の夜学舎の中で 今年の春先に、大学の先生より「山梨県の集落にて焙炉を復元したいのです」とのお誘いを頂きました。 焙炉?そういえば以前、湘南方面のお知り合いに頼まれて、修理したことがあったのを思い出しました。 焙炉とは。。。。 製茶用の乾燥炉。もとは

          山梨県の山奥の集落で土ざんまい     其の一 日干しレンガ作り編

          カイホウなのです

          今年もあと僅かですね。。。 明日から山梨県身延町での土のレンガを積み上げる ワークショプです。 そんな準備の前に色々整理しませう。 大停滞期間 来年、30年なんですよ。。。左官を初めて。 18歳。左官屋を営んでいた父親が急に他界したので急に左官屋に。とはいえその腹づもりはあったので 今となっては必然の選択だったんですけどね。 紆余曲折。山あり谷あり。 若い頃に苦労したもので、その分 「誰よりも優れたい!」 と思って色々勉強して、学んで我武者羅に 肩に力入れて生きてきました

          利他主義と合理的利己主義

          今日は、私の思考の整理といきませふw 今興味があることと言えば、若者との認知のギャップw 多拠点生活のアドレスの会員さんと、「もう会社やってらんなくね?w」 みたいな話で大盛り上がりですw 何かといえば、「ハラスメント、ハラスメント」 これ、ハラスメント「ハラスメント」だよね。(略してハラハラw) とまあ、おっさんのぼやきなんですが、ことの真相を究明したく ちょうど若者とおっさんの中間世代にアドバイスを頂いた。 「今の若い人たちは、人生における苦痛とか苦労を無くすことに全力

          新スタッフのご紹介

          約二か月ほど前に出会った新スタッフ、ナヲについての他己紹介の記事でございます。 いきなりメールでアプローチ 平凡な毎日を過ごしていると、神のいたずらとでも言いましょうか。 普段は割とビビりで不安なことが頭を駆け巡っている私なので、 急に、良いことが起こると心臓発作をおこしそうになりますw 約二か月前の2023/9下旬に一通のメールが。 『「土で暮らしをデザインする」という言葉が気になり、メールしました。』 との新スタッフになるナヲ(正しくはナオw)からの連絡。 左菊の経営

          壁は第三の皮膚

          第一の皮膚は、人間のまとっている皮膚。 第二の皮膚は、衣服。 第三の皮膚は、住まいの空間。壁 第四の皮膚は、社会環境 第五の皮膚は、地球環境 オーストリア出身、フンデルト・ヴァッサーの提言した言葉です。 左官屋の考える壁の役割とは? たかが壁、されど壁。 雨風しのぐ為。外敵から身を守るため。 守るために屋根が出来て壁が出来たのだと推測します。 どうやって作る? そこらへんにあったもので作ったのでしょう。 竹。葉っぱ。木材。 それを軸(下地)にして土を盛りつけて壁にしたの

          左官を”道”にしてみる

          今回は世代間ギャップについて思うことをつらつらと書いてみました🥰 世は個別最適化の世の中 便利な世の中になったものです。スマホで動画を見ていれば 「あなたこんなのが好きなんでしょ?」みたいに勝手にレコメンドしてくれる。 おかげで自分にあった傾向と対策がガンガン提案されるので、飽きてくるんですよねw なのでたまにシークレットモード(アカウントを解除)で見たりします。 こうなると、ラジオとかテレビの方が。。。。と言いたいけど どうもテレビだけは肌に合わない感じがします。 ネガ

          地域創生型モノヅクリ(地域の職人の未来像)

          マイブームです、「地域創生」www 地域を活性化する。町を元気にする!町おこし! というのとはちょっと意味合いが違って 仕事ってなんだろね?という真理を追究するがごとくw 働く喜びとは?を考えるのと同時に、地域創生を考えると非常に この答が見えやすくなったので、今日は左官と地域創生について。 熊本県が教えてくれた、地域創生と地域の工務店の関係 私は三浦市三崎のひとでして、生まれも育ちも。そんな私がなぜ熊本なのか?は以下の記事を参照ください。 地域創生ビジネスの立ち上げで

          地域創生型モノヅクリ(地域の職人の未来像)

          「土に還る自然素材。」とか言うくせに、肝心な土に全然フォーカスが当たらないのこの世を恨んでますw(10数年ぶりに、土・どろんこ館に行ってみた)

          愛知県は常滑市にあります、INAXライブミュージアムに 多拠点生活のアドレス仲間のこばちゃんとなっちゃんと、 どろだんごつくりを体験しに行ってきました。 私も、左官屋さんの作るピカピカに光る泥だんご(大津だんご)を考案した榎本さんに、いろいろ教わり(榎本さんは私のメンターです) どろだんごイベントのサポートに行ったり 地元でどろだんごつくりイベント開催をしていますが、今一度 このどろだんごを上手につかって「土のものづくり」 「土の建築」「土の可能性」についてもっともっと

          「土に還る自然素材。」とか言うくせに、肝心な土に全然フォーカスが当たらないのこの世を恨んでますw(10数年ぶりに、土・どろんこ館に行ってみた)

          古民家 「古い」という定義はレイヤーがある

          2020年に、築60年程の古いお家を手に入れて、フルリノベして 拙宅としております。 そんないきさつはこちらの記事をどうぞ。 「なんとなく、古民家って可愛いよね。」という妻の言葉もあり また、これから深刻になろうである空家問題にも有効な手段がないか?と 実験して、フルリノベして実際に住んでみている物件でもあります。今回は「古い」という概念について。 古民家ブーム 社会課題としてこれから深刻になるであろう「空家問題」に対しての 一つの解とでも言いましょうか、古い物件をDI

          古民家 「古い」という定義はレイヤーがある

          熊本県で地域創生の取り組みにダイブしてみた

          なぜに地域創生なんだろうね。。。。 もともとですね、わたくし、地域の事を考えるのが割と好きで、 なぜなのか?はよくわからずw 神奈川県三浦三崎という町に対して 郷土愛がとても深い。ということでもなく、青年団体に30年近く所属していたからなのか、思考の癖とでも言うべきか。 兎に角、地域の事を考えるのが嫌いではなく、 特段未来を憂いてるわけでもなく、私が生きて来た48年で こうも町の状況が変わるものか。。。という良くも悪くも驚きと、 時間の積み重ねの力の大きさは、年を重ねるたび

          熊本県で地域創生の取り組みにダイブしてみた