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「地球の声を聞く」6/18~6/23平塚市美術館での作品展 テキストver
音声メディアで投稿したものを、↓ https://note.com/sakikusakan/n/n485945102b19 文字起こしました。 どうもお世話になってます。 鈴木一史(ひとし)と言います。 普…
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左官を再定義
こんにちは。こんばんは、左官作家の左菊と言います。 左菊とは、 曾祖父さんが菊一(きくいち)さんと言いまして、左官屋の菊さんで左菊くとと言って。 私のおじいさんが法人化する時に屋号に使った名前です。 さきくとよく言われてます。サギクって濁ることもあるかと思いますけど、どちらでもよろしいかなと思います。 最近、平塚市美術館で作品展をやらせてもらったんですね、六人の作家さんの一人として、お声をかけていただきまして、参加してみました。 その時にですね、 女性の作家さんが 石灰とか土とかそういうのを使って、抽象画になるのかな。まあ、私的には左官だなと思ったんですけども、非常に かっこのいい作品を作ってらっしゃいまして、 その作品を見て感じた。私の左官というものの再定義という話をしたいなと思います。 その作品がですね、壁にかかってて、パネルになってて何でしょうね。石のような、ブロックのような、土のような、 石灰のツヤがあったりとか、 まんま左官の技術を応用して表現する作品なんですけど。それ見た瞬間にすごいかっこいいなって 素直に思いましたし。その作品を見て どういう空間にこれ飾ったらかっこいいかな。とか、どういう家を作ったらいいかなって。どんどんどんどん。クリエイティブなものってどんどんどんどんクリエイティブを呼んで 連鎖するんだなっていうふうに思ったわけですね。 彼女は別に左官職人としての技術を すごい勉強されたそうなんですけども。要するに私たちのように修行をして 師弟関係を結んでということではなく、自由な発想で 作ってらっしゃるっていうところをちょっと感じたんですよね。 そう思った時に左官って何なんだろう?。ってちょっとね、考える必要は全くないんですけど(笑)、もう一回ちょっと考えてみまして。 私なりにちょっと定義付けしてみようと思ってしたらですね。多分どっか なんでしょうね。人類史 壮大な話ですけど。おそらく僕の中では、何かから守るために 建築というものが起こって、 土で壁を作るっていうことが発生したと思うんですけども。 そこが起源で、いろんなことを、それをやっているときに、どんどんどうやったら頑丈に守れるかとか、どうやったら雨風しのげるか、 どうやったら快適になるか、どうやったら心が休まるかとか、美しいと感じるかとかっていろいろ発展していって、 多分その歴史のどっかのタイミングで、その行為自体を 定義付けしなきゃいけない時が来て、多分その時に諸説ある左官という言葉が ラベリングしたんだと思うんですよね。多分その 作るっていう行為の一部分を左官と定義付けしたっていうところで。なので、僕の中では、多分 クリエイティブ=左官っていう概念。左官っていうのは、僕概念じゃないんじゃないかなと、ちょっとそんな風に思った次第です。 っていうのがですね。多分私たち、私たちとか、私は左官職人としてですね、 学びながら、日々試行錯誤を重ねながら、 こうしたらいいんじゃないかなということを 積み重ねていっているわけですけども。それの中でもですね、やっぱ同じ左官ということをやってても、 いろんな方のお話を聞いていると、すごい多様性が多いなと、 親方の戦略によって、全然そのもののものって物質の扱い方の感覚とかも全然違うし、 そんなに違うんだなっていうぐらい違う、同じもようなものを作っててもですね。例えば、漆喰を塗るって言っても 全然アプローチが違うんだなってことを思いまして。その時に、これが正しいやり方とか、それは間違ってるみたいなことも、 よく議論としてあるんですけど、なんかそれってもう正解がありきで。みたいな感じになってくると、なんかちょっと狭めてきちゃうなっていう感じも するんですよね。で、僕なんかどっちかというと気が弱い方なので(笑)、何かそういうこと言われてしまうと、 私はダメなんだってちょっと思ってしまうタイプなので、そうやってこうなんでしょうね。 あんまりクリエイティブじゃない心が生まれてしまって、それが結構 出来上がったものにも反映されがちだなと思い出したんですよね。 何が言いたいかっていうと、さっきの彼女なんかは、例えば、そういうことはあまり考えずに、 自由な発想で楽しく作ってみたものが良くてみたいな。なので、何でしょうね。結構その 自由な発想でやったもの自体が左官であって、例えば、今、動画がこれだけ普及した中で、 YouTube。で簡単にノウハウが手に入るので、DIYがこんだけ流行ってると、 それも何でしょうね。僕なんかからすると危うさも感じながらも、 そういうのでいいのかな?と思うんですけども。左官職人がこれだけ減っていく一方で、そういう人たちが増えるっていうのは、 なんでしょう。そのクリエイティブなことに対して 関わる人は増えているかもしれないなとちょっと思ったんですよね。 左官職人は減ってるけども、左官っていう行為自体は増えてるかもしれないなと。 だとしたら、もうちょっとそこら辺のことも考えて やっていったら、どんなことが待ち受けるかなと思ったら、 日本の文化というか、そういうのがもっともっと 素敵になるのかなと。そんなふうに思い始めたんですね。なので、私の中でもそういう活動をやっていった方が 楽しそうだなというか、そんなふうに思いました。 なんで、その左官っていう概念の一部分として私は左官職人でもあったり、 何かこうこうやって発信するっていうことで、左官作家みたいなところもあるのかなと思っております。 なので、何でしょう。今回はその左官を再定義するっていう話で、 録音してみました。 またこれからもワークショップとかで、 身の回りにあるものがどんなものでできてるかっていうのはちょっと本当に多くの方に知ってほしくて、 いろんな選択肢があるんだよっていうことを気づいてほしいみたいなところがありますかね。 そうすると暮らしはもっと豊かになるかもしれないし、 それってそういうことなんだ。とかじゃあ土がなんで固まって、なんで水で解けるのか?とか、 いろんな選択肢が増えていくのかなと。それで、もうみんなが考えるっていう、 自分で一回考えてみて選択するっていうことをやっていくと、なんか未来はもっともっと楽しくなるんじゃないかなと。 そんなふうに思った次第でございます。以上。左菊でした。