見出し画像

壁は第三の皮膚

第一の皮膚は、人間のまとっている皮膚。
第二の皮膚は、衣服。
第三の皮膚は、住まいの空間。壁
第四の皮膚は、社会環境
第五の皮膚は、地球環境

オーストリア出身、フンデルト・ヴァッサーの提言した言葉です。


左官屋の考える壁の役割とは?

たかが壁、されど壁。
雨風しのぐ為。外敵から身を守るため。
守るために屋根が出来て壁が出来たのだと推測します。
どうやって作る?
そこらへんにあったもので作ったのでしょう。
竹。葉っぱ。木材。
それを軸(下地)にして土を盛りつけて壁にしたのが起源だと思います。
守る。愛にあふれた象徴が「壁」なのです🥰

自然と遮断する空間つくり

雨や風、強いては温度を遮断する。要は自然と切り離した空間を作ることが今の主流となっている訳です。
第二の皮膚的に言いますと、麻や綿ではなく、レインコートをまとっているのが現代の建築の主流となっている訳です。
自然界と遮断したうえで、空調システムなんかで室内を快適に。そして
室外はものすごい暑さにwなったのが現代。
室内が快適になった分だけ、室外が暑くなっただけなのではないか?
涼しい快適な室内にいて偉そうにそう書いておりますw

自然と遮断するとつらくなる

体験談でもあるんですけどね。なかなか自分も生身の生き物だという
感覚が薄れていくと、非常に精神を病みますねw
思い通りにいかなくなり、自分をコントロールできなくなり、
生命維持がままならなくなる。。。。そんな体験しました。
なので、自分も自然の一部であると認識すると
思い通りにならなくても、まあいいかとw
雨が降ることもあるし(以前、仕事がはかどらなくて何で雨は降るんだ?と
思い詰めて悩んだ経験がありますwwww)
悲しいことも、つらいこともあります。
そうなんです、自然を受け入れることは自己受容にもつながるんですね。
なので、ここはゆるーーーーく自然と繋がる方法を私は考えております。

第三の皮膚としての壁。左官屋としての使命。

またまた「土壁の家に住もう!」とマーケティングしたいのですがw
もちろん、今でも土壁の家が最高峰だと思っております。
これは経済合理性においても、健康面においても。
環境衛生面においても。ただ、なかなかハードルも高いのも事実です。
なので、最高峰としてそこに鎮座していただき、
幾つかの段階を揃えて、提供・提案出来たらと常日頃考えます。
①土壁の住まい(竹を組んで土を塗る) 
 これは、自然と室内をゆるーくつなぐ。
 それにより、心身ともにすこぶる健康になると思います。
 閉塞感が無く、また室内の温度環境もよく
 (※外断熱が重要なようです。なので伝統工法は正解というわけで
 もない)
 建築中もゴミが出ない素材で作るモノヅクリは、大変気持ちが良いです。
 落ちた材料が土ですからね。拾ってまた混ぜたら使えるんだもの。

②土壁で仕上げた住まい。
 下地は従来の工法でも、仕上げだけは土を使う。
 土の持っている素材感や、日本人特有のこだわりの強さで生まれた
 壁を平らに綺麗にするという美意識が、心も落ち着かせます。
 なにより、室内で自然を感じることが出来るのはうれしいですね。

③漆喰や珪藻土なので仕上げた住まい。
 こちらも従来の工法で仕上げは漆喰や珪藻土と言った自然由来のもの。
 これらの素材は室内の湿度を調整する役割もあるので、環境もよく
 なります。漆喰の壁は消臭効果もありますので快適です。

と言ったような段階があって適材適所。お客様の要望に応じてご提案させていただいております(えらい営業トークだなwww)

しかし。しかし!ここでもう一つ提案が!!
古民家ブームですよね。古い土壁の家ってありますよね。
これを機能的に利用しない手はない!もったいないですよね。
これからこの分野が非常に重要になってきて、
日本でもビンテージ住宅の市場が広がる可能性もあるのではないか?
と思います。
大体、土壁の古民家って、その上からボードを貼ったり、ベニヤを貼ったり。はたまた、土壁を壊して捨てたり😆😆
「なんでそんなことするんだ・・・・」ってそりゃ
扱い方がわからないからだよね🤣🤣🤣🤣🤣
ということで、左官屋さんの出番じゃないですか。ここ重要だと思います。


土壁の空間を沢山の人に味わってもらいたい

新築で土壁の家。これは時代的に新築を建てることのハードルの高さwったらありゃしない。この領域はこのまま聖域として成熟していっていただきたいですし、
私も是非参加させていただき、貢献できるよう頑張りたいと思います。
ですが、もっと土壁の空間に市民権を付与したい!!
もっともっと「こんな空気感なんだ・・・」といった体験を
提供したいなぁと、最近弊社に週二日だけ来るナヲちゃんと
いろいろ妄想を膨らませております。

なので、土壁の古民家をお持ちで、どうしていいかわからない方おられましたら是非一報ください。

どう維持管理していったらいいか?
はたまた、どのようにリノベーションしたらいいか?
どうやって活用していったらいいか?
提案できるとこもあるとおもいますので、是非ご相談下さい。


土に囲まれた空間ってどんな感じだろう?


こどもたちと作った土の小屋

360度土に囲まれた空間に身を置いてみたい欲求がふつふつと湧いておりますw
写真は以前、城ケ島で作った土の小屋。子どもたちの独創性に非常に興奮しました。土壁に囲まれた住まいもそうですが、
こんな空間にも身を置いてみたいなぁと思うのです。
10年前に行ったフランスの土の建築展。
ふらふら~っと行ったのですが、妙に鮮明に記憶にとどまっております。

その空間を味わうための作る過程。
土をカタチにしていく動き(生産活動)も非常に心地いい。
そんな空間を沢山の方にも体験してもらう方法は?
そんなものづくりを沢山の方に体験してもらうには?

生きるとは?喜びとは?

シンプルにシンプルにそぎ落としていくと、左官を通じて
そんなことを体現したいなぁぁと思い、
それを沢山の方と共有したいなぁぁと思う今日この頃です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?