*2.【オンライン配信まとめ】オーケストラ・ダンス・演劇・歌舞伎・映画
※4/14 ダンス・映画、4/15 国毎まとめ、4/20 演劇、4/25バレエ・ミュージカル・演劇加筆。【オペラ章を別記事に移行しました!】
世界中で公開されているコンサートや舞台などのオンラインコンテンツ情報をまとめています。多くが、Covid-19感染拡大の影響を受けて、一定期間限定公開されていたり特別に無料公開されていたりと、特別な配慮で生まれたもので、このような状況下で動いていただいた関係者の皆様には感謝の気持ちを届けたいです。
疫病は様々な面で私たちの生活を蝕んでいますが、その一つの面として文化芸術の催しの中止が挙げられます。回復には時間もかかるでしょうし、一度消えてしまったものが復活するかはわかりません。一鑑賞者として非常に残念なことだと思います。
不安を抱えながら家で過ごす時間が増えた今、たとえ劇場ではなくオンライン上であっても、活動の機会を失った人や作品と出会うことで新しい趣味につながる、あるいは公演が再開されたときに実際に足を運ぶきっかけになるかもしれません。また気持ちも明るくなればと思い、まとめを作って公開しました。
公開してくれている団体・業界・演奏者の方々に対しては、私はいつもオペラやコンサートに救われて生きているので、視聴回数や鑑賞者、趣味とする人、収入が増えて、少しでも恩返しできればなと気持ちを込めて書いています。
勢いよく早口で話すようにどばっと情報をまとめているため、魅力を十分に伝えられているのか不安もありますが、皆さんぜひご活用ください!
日本語では情報収集しづらいものも混ぜているので「こんなのあるんだ〜」とご参考になれば幸いです。特にイタリア関係の情報を各所から引っ張っています。
なお、情報を一元化するために複数ジャンルを扱ったことで、結構な量になっております。目次をさっと見て、ご興味あるところからご確認くださいませ。※取り急ぎ、できた章から公開します。しばらく加筆を続ける予定です。
【0. 国ごとの公式まとめ】
0.1 フランス文化省特設サイト【#Culturecheznous 】
ジャンルを問わず手っ取り早く情報を得たいという方、フランスの文化芸術に関して情報が集約されたサイトがあります。こちらです。
そのまま飛ぶとフランス語で表示されますが、英語やスペイン語その他言語に翻訳して表示可能です。左上でENを選択すれば英語に切り替わります。
子供向け、親向け(教育コンテンツ)、みんな向け、と分類されていました。
試しにAll Publicを開くと、音声データや、コンサート映像、映画、オンライン上の美術館・博物館展示品紹介、電子書籍(国会図書館のGallicaはフランス語がメインですが貴重な史料をみれます)項目ごとに分かれています。
Attend a concert or show から、オペラ座やコメディー・フランセーズが限定ストリーミング配信している映像の情報などを仕入れる事ができます。このサイトは、フランスの文化芸術に限定されるものの、情報が一元化されていて非常におすすめです。フランス語を勉強している方は必見ではないでしょうか。
【0.2 イタリア 文化財・文化活動省公式サイト】
続いてイタリア。こちらが、イタリアの文化財・文化活動省の公式サイトです。
ざっと見たところ、言語変換はできないようです(Googleの自動翻訳は可能かと思います)が、色鮮やかで情報の充実した素敵なサイトです!
オペラや演劇については、別の章でじっくり紹介しているのでその他の試みについて幾つか紹介していきますね。
まず、「L'arte ti somiglia」は世界中で既に流行りつつある、Art looks like youと名のついた、名画に自分を似せて写真を撮るムーブメントです。Youtubeに例が載っています。こんな感じ。インスタでもたまに見ますが、自分に似た名画を探すアプリも人気だそうです。
それから、漫画の無料公開、文化財のバーチャルツアーも実施しています。一部をスクリーンショットでお見せしますね。
リンクはこちらから。ざっと70弱ありました!
サイトだけではなく、文化財・文化活動省(通称MiBACT)の公式Youtubeチャンネルには、Iorestoacasa(Stay home)をキーワードに日々多くの動画が公開されています。美術館の解説動画、イタリアを旅できない今、オンラインで観光地を紹介する動画、Zoomを繋いで合唱や演奏をする動画など。イタリアが既にかなり大変な状況にあった3/25のダンテの日にも、神曲の朗読動画が配信されています。
【1. オーケストラ】
1-1. ベルリンフィルのデジタル・コンサート・ホール【クラシック】
本来有料で公開されている各種コンテンツについて、無料のクーポンコードが30日間の期間限定で使用できます。元々構築されていた有料のサービスなだけあり、かなり豪華です。
少し内容紹介すね。メニュータブには、コンサートのライブ中継(復活祭コンサートを最近やっています)、アーカイブ(過去のコンサート映像)、各種ドキュメンタリー(長編映像も含まれます)、インタビュー映像など。映像については日本語字幕が付いているものはなさそうですが、サイト自体は日本語で閲覧できることも一押し。
有名人、日本人でいうと小沢征爾や佐渡裕の指揮した公演も聴けますし、もちろんベルリンフィルなのでカラヤンも振っているし、子供達のクリスマスコンサートもあります。
ちなみに30日以降の有料会員期間も10%オフです。無料期間中にハマれば、有料会員への変更もご検討くださいということですね!
1-2. 都響スペシャル「春休みの贈り物」【親子向け】
続いて日本のオーケストラ。東京都交響楽団です。普段サントリーホール、東京文化会館、東京芸術劇場で演奏している彼らが、Youtubeでコンサートを開きました。《癒しの音楽》篇と《みんなで歌おう!》篇の2本がアップロードされています。
こちらについては、音楽監督の言葉を引用してご紹介したいです。
春休みを迎えた皆さん、今日から東京都交響楽団と大野和士が 都響スペシャル「春休みの贈り物」 をお届けします。 お家で長い時間を過ごしていらっしゃる、お子さん、ご家族の皆さんに、また都響を応援してくださっている全ての皆さんに名曲の数々をお楽しみいただけたらと思います。 プログラムは、次のタイトルで2つ。
A.長く愛される名曲を《みんなで歌おう!》
ドラゴンクエストのマーチから始まり、アニメの名曲を集めた、オーケストラの演奏とともに皆さんで歌っていただけるプログラム。歌って、踊って、大きく深呼吸をしていただけたら幸いです。
B. オーケストラ名曲集《癒しの音楽》
ご家族皆さんで楽しんでいただける、心休まる曲の数々。 そしてこのプログラムは、現在日々医療現場で、休む時も無く私たちのために診療を続けてくださっているお医者様、看護師の皆様方にも、心からのお礼の意味も込めて捧げさせていただきたいと思います。
皆様と力を合わせて、この難しい時を乗り越えて参りましょう。
そして、1日も早く再びコンサート会場でお目にかかれるよう都響楽団員一同と共に願っております。
東京都交響楽団 音楽監督 大野和士
AもBも、ゲーム音楽やアニメ音楽、映画で耳にするような曲を含む、ポピュラーな曲目なのでクラシック音楽をあんまり聴かないという方にも、どちらも何度でも聴いていただければ…!余談として、私はカヴァレリア・ルスティカーナが好きで、聴くたびにじんわりしています。
さらに、4/23より「探検!発見!オーケストラのヒ・ミ・ツ」というオリジナルDVDが無料配信中です。小中学生対象に、音楽鑑賞教室の事前学習用ツールとして作られたものです。
押し付けのようになってしまいましたが、個人的に都響の定期公演の会員にもなっているのでちょっとオススメ度高めです。
1-3. 新日本フィル テレワークコンサート 【パプリカ】
Zoomを使えばコンサートのテレワークができるのですね!!こちらはSNSで拡散されテレビでも取り上げられていた、新日本フィル楽団員によるオリジナル企画「シンニチテレワーク部 テレワークでパプリカ合奏してみた」です。
下記Youtubeチャンネルからご覧下さい。(劇団員個人の方のチャンネルのようです)
通常のコンサートでは聞き分けづらい楽器ごとの音も、パート練の動画では聴き取りやすくなっています。練習動画を含めてお楽しみください。レパートリーも増えていくようです。
ちなみになのですが、新日本フィルは(東京都が大口スポンサーとしてついている都響などに比べて)チケット収入がないことの痛手がより大きいように思えるので、さりげなく募金サイト(一口1000円〜)のリンクも貼っておきます。こういうこともやっていますという紹介で。
速報:チケットを払い戻さず寄附する選択
文化庁ホームページによるとチケットの払い戻しをしない代わりに、税金の寄付金控除を得られるようにする制度が新設されるとのことです。詳細はこれからわかるようで、今はまだはっきりとしないことが多いのですが、いざ制度ができた通りに選択肢に入れ判断できるようにと情報を載せておきます。
おそらく、この文化庁の支援情報窓口サイト上で公式発表されるのではないかと思います。チラシのリンクも貼っておきます。
1-4. フランス国立管弦楽団 【#ensembleàlamaison】
続きましてフランスから。テレワークオーケストラは日本だけではなかったのですね。
フランス国立管弦楽団のボレロの演奏を紹介します。ここで注目すべきはハッシュタグ「#ensembleàlamaison」。「お家でアンサンブル」という意味なので、これを使えばYoutube上に同様のウェブシステムを使ったアンサンブルの動画を多数発掘できます。ぜひ団体の公式サイトの方も覗いてみてくださいませ。
1-4. サンタ・チェチーリア国立管弦楽団(ローマ)
いきなり少しマイナーなところに入りましたが、ローマに場所を移します。サンタ・チェチーリアでは毎週木曜、金曜、土曜の夜(現地時間)に新しいライブストリーミングを公開しています。
ピアニスト ベルトラン・シャマユのコンサート(ツァラトゥストラはかく語りき 等)など既にいくつかアップロードされています。「Guarda il concerto」をクリックすると映像公開ページに飛びます。
1-5. キジアーナ音楽院(シエナ)
続いてもイタリア、シエナから。ダニエル・バレンボイムやジョン・ウィリアムズも学び教えた名門音楽大学です。毎週定期的に過去公演のストリーミング映像を配信し続けており、Youtubeの公式チャンネルから視聴できます。
各動画に「CHIGIANA STOPS COVID-19. Puntata 数字」と書いており、6/12の第(puntata)19回まで予定されています!夏休みまでの期間ずっと開催するのですね。
では、名残惜しいですが一旦オペラに移ります。この記事で一番ボリューミーなパートです。
→記事の読み込みスピードを軽減するため、オペラの章を別の記事に移しました。こちらに少し内容アップデートしております。
【3. バレエ】
3.1 marquee.tv【ロイヤル、NYCB、ONP、ボリショイetc】
marquee.tvというのはバレエ、オペラ、コンテ、ドキュメンタリー、演劇といった多様な芸術の映像を配信しているサービス(月額定額)です。
リンクはこちら。
元々月額$8.99と決してすごく高いわけではないのですが、今の状況で無料配信対象がかなり増えております。特にバレエでいうと、ロイヤル・バレエ団、ニューヨーク・シティ・バレエ団、パリ・オペラ座、ボリショイ・バレエ団という顔ぶれの作品がずらずら無料公開されています。圧巻!
バレエ団のドキュメンタリーもありますからね。
これから加筆していく際には、具体的なラインナップや個人的なおすすめも少し紹介していけたらなと思います。
3.2 バレエホリデイ@ホーム
「バレエと出会おう、バレエで遊ぼう!」というコンセプトで、2017年にはじまった〈上野の森バレエホリデイ〉は、今回4回目の開催をむかえます。昨年は8万3千人の方々に上野の会場にお越しいただきましたが、今年は新型コロナウイルス禍の影響により、すべての公演、イベントの中止を余儀なくされました。 そこで当実行委員会では、会場での公演や各種イベントの代わりに、〈バレエホリデイ@home〉と銘打ち、オンライン上で楽しんでいただける特別プログラムの配信を企画いたしました。
ということで、沢山のプログラムが急遽オンライン公開されることになりました。
東京バレエ団をはじめ国内のバレエ団から提供された貴重映像を期間限定で公開するほか、バレエダンサーによるオンライン上のクロストーク、ライブインタビュー、コメントリレー、国際的に活躍するバレエ教師やダンサーによるオンラインレッスン、ワークショップなど、60以上の多彩なプログラムをご自宅に居ながらして楽しんでいただけます。またSNSを通じてみなさまにご参加いただけるイベントも企画しました。
東京バレエ団『ジゼル』は25日限定公開、noismや井上バレエ団の映像を配信中。家でできるストレッチや、親子向けの「子どものためのバレエ」映像もあります。
3.3 新国立劇場 巣ごもりシアター バレエ篇
下記のスケジュールで、新国立劇場のこちらのサイトから同劇場の過去公演が視聴可能です。
★5月1日(金)15:00~5月8日(金)14:00
バレエ『マノン』
★5月8日(金)15:00~5月15日(金)14:00
バレエ『ドン・キホーテ』
【4. ダンス】
ダンスは、ここで列挙しているジャンルの中で私が最も疎いので、各カンパニーの紹介の仕方に粗さがあります。ダンスが大好きな方、ごめんなさい。
まず、バレエ章で紹介したmarquee.tvにもコンテの映像が豊富に公開されています。そちらもぜひ!シェルカウイやケースマイケルを特集欄に発見しました。
各団体も独自に頑張っているので、ニューヨーク拠点のカンパニー中心に見ていきます。
4.1 Alvin Ailey のAiley All Access
アルビン・エイリー、Alvin Ailey American Dance Theater は歴史あるモダンダンスのカンパニーなのですが、今回もオンライン上で豊かなパフォーマンスを見せてくれます。
まず、Ailey All Accessという特設ページが立ち上がりました。インターネットを通じて世界中誰でもアクセスできますからね。
ページ内にもリンクが貼られていますが、下記リンクから現在公開中の動画が見られます。
それだけではなく!ニューヨークも大変厳しい状況ですが、The show must go onを掲げて他にもインスタライブ、Youtube上で短編映像の公開など活動を続けています。
またZoomを使ったオンラインダンスレッスンも開講されているほか、Youtube上に色んなタイプのダンスレッスンビデオが公開されています。ヒップホップからサルサまで。ウェストアフリカンダンスって何なんだろうと気になって私も見ました。
家で踊りたいという方は、下記リンクからご覧くださいませ!見ながら身体を動かせます。
4.2 ローザス!
こちらもコンテの世界でかなり有名なダンスカンパニーですよね。ブリュッセル拠点に世界中で活動しており、来日も定期的にしています。去年5月には芸劇で公演していました。
幾つかの作品の全編映像、振付家ケースマイケルの講演(英仏字幕あり)、ドキュメンタリー映像などを4/30まで公開予定です。
私は元々あまりダンス、特にコンテに興味を持っていなかったのですが、ローザスが大好きな友人の「ファーズ最高~」という話を聞いているうちにバッハのブランデンブルク協奏曲や無伴奏チェロ組曲を用いた作品の宣伝映像をyoutube上で見つけ興味を惹かれました。クラシック音楽が好きという人の入り口によさそうです。
ローザスの作品って、途中で止めたり飛ばしたりせずに、ずっと聴いていたい、ずっと見ていたいという気になるんですよね。これからもっと好きになりたいです。
4.3 Bill T. Jones/Arnie Zane Company
New York Live Artsを拠点とするビル・T・ジョーンズ/アーニー・ゼーン・カンパニー、創立者2人の名前を冠した1982年生まれのカンパニーです。
公式サイト上で毎週木曜に4本の作品をストリーミング配信しています。木曜ごとに演目が切れ変わるのと、ニューヨークとの時差にはお気を付けください。
サイトに行くと、このような感じで現在再生可能「Streaming Now」の動画が並んでいます。
DONATEボタンの主張が好き。
公式Youtubeチャンネルも充実しています。ダンス映像だけでなくカンファレンス映像も盛りだくさんなので、ダンスが好きで英語で聞きたいという人はこういうものを使って勉強できそう。
4.4 トリシャ・ブラウン・ダンスカンパニー
Trisha Brown Dance Companyの公式サイトはこちら。
この画像の通り、何やらZoomの画面らしきものが映っていますが、、
トリシャ・ブラウンの初期作品 Roof Pieceがベースとなった作品。原作は屋根の上で踊っていますが、今は室内です。腕や頭の動きを、離れた人が再現して、それを次の人へと繋いでいくというコンセプトはそのまま。
New York Timesの記事にも大きく取り上げられています。(コツがあるそうです)Zoomで室内にいる友人と画面を共有して振りを繋いでいくゲームはなんだか楽しそうです。
不勉強なものでこのカンパニーについては私は最近知りましたが、ラモーにモンテヴェルディにバッハといったバロック時代の音楽を使った作品も発表していたのですね。幅が広い!古楽好きなので気になります。
4.5 Chocolate Factory Theater
ニューヨークのクイーンズ地区にある「チョコレート工場劇場」、こちらが公式サイトです。
下記vimeo上で、バラエティに富んだ作品の動画が公開されています。多くの作品で「おお、斬新!」という第一印象を持ちましたが、パフォーマー自らが作品のコンテクストを語っている動画もあるので、色々覗き込んでみてください。リンクはこちら。https://vimeo.com/chocolatefactory
4.6 Merce Cunningham Trust
マース・カニンガム(1919-2009)というダンサーのトラストです。カンパニーではないのですが、トラストなだけあって相当な量のコンテンツを蓄積・公開しています。
公式Youtubeチャンネルはこちら。まず、Monday with Merceというシリーズでマースのインタビュー映像(短編が17本)、彼のソロダンス映像(生誕100年を祝って昨年100本配信)などなど、ちょっと見てみてください。実験的な作曲で知られるジョン・ケージとのコラボも結構あります。
このVimeo上にも動画が相当数アップロードされています。舞踊界に与えた影響はかなり大きいようなので、さらっと見ておくと他の作品の解釈にも繋がるような気がします。全然知らないので、これから色々見て勉強したいです。
リンクはこちら。https://vimeo.com/mercecunninghamtrust
4.7 マーサ・グレアムのMartha Matinees
1991年に亡くなったマーサ・グレアムの名前を冠したMartha Graham Dance Companyの公式Youtubeチャンネル上では、水曜と土曜にライブ再生を行っています。
記事を書いている今、次の公開予定は4/16 3:30です。
これ、何が面白いかというとマーサの古い映像を配信しながらライブチャットでカンパニーの芸術監督とゲストが話している様子を追えるんですよ。もちろん生で見ていなくてもチャット記録が残るので読めます。新鮮な鑑賞体験ですよね。こういう時には日本との時差がちょっと憎いです。
4.8 OntheBoards.TV【4/30まで無料】
シアトル劇場の有料サービスが現時点で4月中無料でお使いいただけます。
プロモーションコード「ARTATHOME20」の使い方を説明します。
サイト上で見たい作品を選びます。
左側にレンタルまたは購入の選択欄があるのでRENTを選びます。そうすると「48時間レンタル」5ドルですよ、と出ます。名前やアドレスを入力し、プロモーションコード「ARTATHOME20」を使用すれば無料です。
ちなみに、私のようにまずはどんなアーティストがいるのかを知ってから選びたいな~そもそもコンテって難しそう~という方は、“Shifting Contexts”(サイト上部で左右にスライドできる特集の中のひとつ)から情報を得られます。コンテンポラリーダンスとは?という説明ビデオなど、わかりやすく教育的です。
本当に、、劇場を閉めること、舞台に立てないこと、観客の前で公演できないことが、パフォーマーにとってどれだけ辛いのかを想像することしか私にはできません。書いているだけでもしんどくなります。
今は、過去の作品をデジタルコンテンツとして残し、劇場から遠く離れた人にも好きな時に舞台世界の一部を見せてくれるインターネットのありがたみを強く感じます。そのありがたさに感謝しつつ、たとえしばらくの間一部無料で楽しめたとしても、それがビジネスとして当たり前のことではないのだとよくよく理解しておきたいと思います。
【5. ミュージカル】
5.1 The Shows Must Go On アンドリュー・ロイド・ウェバー作品
ミュージカル界の大スター作曲家(キャッツ、オペラ座の怪人、その他色々)のアンドリュー・ロイド・ウェバーが、自身のミュージカル作品をYouTubeチャンネル上で公開しています。4/18 日本時間3時から、《オペラ座の怪人》を48時間公開するとのこと。プレミア公開!4/25からはLove Never Diesです。
毎週金曜夜(NY時間なので日本の㈯朝)に公開が始まるので、ちょうど週末に見られてよいですね。
5.2 BroadwayHD 7日間フリートライアル
BroadwayHDという月額8.99ドルのサブスクリプションプログラムがあります。自宅のスマホ、PC等でブロードウェイのミュージカルの録画映像を鑑賞できます。かなりの本数の選択肢があり、ミュージカルの有名どころ(『王様と私』や『キャッツ』など)はもちろん、バレエや演劇作品もあります。気になるものがあれば、とりあえず7日間の無料期間中に見てみるというのはおすすめです。
上のリンクからご覧ください。
【6. 演劇】
6.1 エリゼオ劇場(ローマ)
ローマの劇場です。演目は「英国王のスピーチ」(をイタリア語の舞台で上演しています)や「バグダッド動物園のベンガルタイガー」などの割と新しい現代ものから「シラノ・ド・ベルジュラック」といった古典までバラエティに富んでいます。イタリア語がわからなくても見ているだけでも面白いかなと思います。
6.2 ビヨンド劇場(パレルモ)
Youtubeの公式チャンネル上で公開しています。#ClassicamenteBiondoや#AlmanaccoBiondoや #BiondoBimbi といったハッシュタグを使っています。古典を紹介する朗読や舞台など盛りだくさんでイタリア語の勉強にもなります。
6.3 ロンドン・ナショナル・シアター【ロンドン三大舞台芸術劇場その2】
ロンドン・ナショナル・シアターのYoutubeチャンネルでは、毎週(木曜午後7時(UKタイムなので日本の金曜午前4時))1本フル公演をアップロードし、一週間公開しています。(FYI, 4/17の明け方から『宝島』配信が始まります。)
また教育機関を対象に、さらに多くの30本もの作品を無料公開しているようです。
6.4 ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー【ロンドン三大舞台芸術劇場その3】
.先ほどご紹介したmarquee.tv上で公演を幾つも公開しています。またYoutubeチャンネル上でも舞台裏や公演一部映像など素敵な動画が多数公開されています。タグは、#ShareYourShakespeare です。さらに、学校が休校中の子供たちの学習支援として豊富なコンテンツを提供していることも必見です。
ちなみに4/28の午前11時から1時間(日本時間でいうと午後8時開始)同チャンネル上で《マクベス》の舞台裏レッスン(子供向け)をライブ配信するそうです。これも楽しみ。
公式サイト上でAt home with Shakespeareということで、家でシェイクスピアを楽しむヒントがふんだんに得られますので、こちらからどうぞ。
At home there is plenty of time to think… What is a ‘mass gathering’? Souls who congregate and celebrate the basic human need to share their lives in the company of other souls. Be it at a live music show, a theatrical performance or just a Friday night in a bustling, busy pub; the need to be connected during our strange and brilliant lives always burnt bright. [...]
If or when we get to share our production of The Comedy of Errors with people I hope that stirring sense of reunion and rebirth at the heart of it really resonates with our audiences. Emilia says to her reunited family in Act 5 Scene 1: ‘after such long grief, such nativity.’ The context of this pandemic will add extra resonance to that feeling of coming together once more having been bereft of each other’s physical presence for so long.
- HAL CHAMBERS
6.5 新国立劇場「おうちで戯曲」
新国立劇場の[巣ごもりシアター]企画、演劇部門からは「おうちで戯曲」が始まりました。
https://www.nntt.jac.go.jp/play/sugomori_gikyoku/index.html
こちらについては、演劇芸術監督の言葉を一部引用します。
新国立劇場演劇では、権利関係や音楽著作権などの問題があり公演映像のネット配信が難しいところがあります。
そこで、演劇の土台であり、稽古場での設計図でもある、大切な「戯曲」に、是非この機会に触れて頂けたらと思いました。公開に当たり、ご快諾下さった方々に、心より感謝申し上げます。
たしかに、今世界を見渡すと公演全編映像を見せてくれるカンパニーも存在していますが、異例中の異例の対応です。もちろんわかってはいるのですが、改めて、舞台の作品とは一期一会で、そうそう「簡単にオンラインで見られてラッキーだな~ちょっとお金払ってもいいからもっとやってほしいな~」などとは簡単に言えないのだと認識します。
戯曲を初めて読む!という方に、僭越ながら、例えばこんな風にも戯曲を読める!というご提案として・・・・
1)気負わず楽しんで読む
2)舞台化を想像しながら読む
3)俳優になって、好きな役を選び、一人の人物になりきって読む
4)演出家になって、具体的に配役や舞台美術などなどについて、アイデアを巡らせながら読む
5)短いセクションで区切って、そこを繰り返し読み、行間にどんなドラマがあるのか想像しながら読む
などなど。
こんな風に戯曲を読んでみたらどうでしょうというメッセージ。演劇にあまり馴染みがない、または文芸作品に親しんでいる人でなければ、あまり戯曲を読むこともないかもしれません。それほど戯曲を読んだことのない私にとっても、小川監督の言葉はヒントに満ちていました。
演劇作品のために書かれた脚本は、小説よりも描写が少なく読者の想像力に委ねる部分が多いため、それだけ舞台での解釈の可能性も広がります。まだ見ていない舞台の脚本はもちろん、鑑賞した作品の脚本もじっくり読むことで、別の筋を見出せるかもしれません。
同じ戯曲であっても、別の演出家、別の役者となればそれは別の作品。同じチームであっても、生身の舞台に全く同じものはないのだから受ける印象は変わるかもしれません。それこそ間の取り方、歩みだし方、目線、といった細部が戯曲で指定されているかといえば書き手にもよりますが変わります。
同じ楽譜を用いても演奏家、指揮者によって演奏が異なるように、同じ言葉が与える印象の違いを感じたいな、と私は思います。個人的な感想を長々と書いてしまいました。すみません。では、芸術監督の言葉の終盤を引用し、その後公開内容をご紹介します。
個人的なことですが、自分が演出をする際は戯曲の存在が非常に大きく、戯曲に頼って、戯曲に助けられて、戯曲に教えてもらって、戯曲に楽しませてもらっています。戯曲があるから作品を作れるし、作りたいと思う事ができています。
「戯曲」の豊かさや楽しさを、共に感じて頂けましたら幸いです。
小川絵梨子
スクリーンショットで恐縮ですが、公開作品一覧と公開日程は下記の通りです。読むのが楽しみです。
6.6 「観劇三昧」【国内の演劇動画配信サービス】
こちらは、今回特別に配信されているというわけではないのですが、全国の劇団の舞台映像を視聴できる有料サービス(月額料金950円)です。1400以上の作品が現時点で公開されていて、一部は無料(月額料金を払わなくても会員登録するだけで見ることができる)です。
ただ多少マニアックというか、一般的にメジャーな作品が並んでいるわけではないので、どの作品を見ればよいのかわからない、と悩んでしまう方もいらっしゃるかもしれません。人気順で並べたり、知っている小説や物語を脚色したものを探したりしながら、自分の好みを探っていくのが良いかと思います
【7. 歌舞伎】
7.1 歌舞伎チャンネル
4/6より「明治座 三月花形歌舞伎」出演者による座談会を公開中。
4/13からはスーパー歌舞伎II(セカンド)『新版 オグリ』の舞台映像を公開。現代風の歌舞伎です。
4/17からは歌舞伎座「三月大歌舞伎」の昼の部、夜の部の全演目の配信が始まります。
リンクはこちらから。
7.2 国立劇場チャンネル 「義経千本桜」【4/30まで】
公式サイトから引用させていただきます。
今回、3月歌舞伎公演『義経千本桜』(「日本博」参画プロジェクト)を無観客で映像収録し、その動画を国立劇場公式YouTubeチャンネルにて、4月30日まで期間限定で無料公開いたします。
この公演は、物語の中心となる場面、原作のニ、三、四段目を三つのプログラムに分け、それぞれAプロで「鳥居前・渡海屋・大物浦」を、Bプロで「椎の木・小金吾討死・鮓屋」を、Cプロで「道行初音旅・河連法眼館」を上演する予定でしたので、プログラムごとにご覧いただきます。
Aプロでは、源義経の都落ちとともに、義経の家臣・佐藤忠信に化身した源九郎狐の活躍や、義経に復讐を挑む平家の武将・知盛の姿が描かれます。Bプロでは、平家の公達・維盛一家を巡り、無頼漢・いがみの権太とその家族の人間ドラマがスリリングに繰り広げられます。Cプロでは、桜花爛漫の吉野山を旅する静御前と狐忠信の様子や、親を慕う狐の情愛が綴られ、〈初音の鼓〉に隠された秘密が明らかになります。
動画のご感想やメッセージは、TwitterなどSNSにハッシュタグ「#国立劇場」「#義経千本桜」を付けてご投稿いただければ幸いです。
見たらハッシュタグを付けて拡散しましょう、とのことです。各映像へのリンクはこちらから。
【8. 映画】
8.1 ovid.tv【インディペンデント映画】
インディペンデント映画の有料映像配信サービスです。これもmarquee.tvと同様に多くのジャンルをカバーしています!ダンスのカテゴリーに入れることも考えましたが、映画章を作りたかったので、ここに持ってきました。
Covid特別措置ということではないものの、2週間のフリートライアル期間があります。お試ししてみてよかったら続けましょうというサービスは大抵、はじめの一歩が重いですよね。使わないのも存在を知らなかったから、使う機会がなかったから、になりがち。私も今回初めて知りました。もっと早く教えてもらいたかった。
8.2 Uplink Cloud【60本見放題/2980円】
渋谷と、昨年吉祥寺、今年新しく京都にもミニシアターを開館予定(惜しくも延期中)のアップリンクです。配給会社でもあります。
個人的には渋谷でせっせとスタンプを集めていた思い出の場所。(会員サービスは今では変わっています。)本当になくしたくない。
元々オンライン映画館を開館していましたが、この度、60本見放題パックを作りました、とのこと。シアターで見るのとはちょっと違うけれど、映画料金を考ると2本見れば元を取れるし、2人でみれば1本でもいいよね、ちょっといいスナックとか用意して飲みながら見れるし、というおうち時間充実コンテンツです。
60本の中のおすすめは沢山ありますが「わたしはロランス」と「オマールの壁」と「ラジオ・コバニ」は好き。この記事を読んでいる人は「シーモアさん」(ピアノ教師)「ポルーニン」(れっきと知れたバレエダンサー)「ラチャナ」(フラメンコ)など面白く感じるのではないでしょうか!
私もまだまだ見逃しているものがあるのでぽちっと。(PRみたいになっていますが、この記事で紹介している団体やどこからも一銭たりともいただいてません。むしろお支払いしてます。当たり前か。)
UPLINKはnoteもされているので、この60本パックの使い方や支援の仕方についてはぜひ本家をご覧ください。寄附込みコースもあります。
この記事は現時点ではイタリアやニューヨークに偏っていますが、国内のこういった取り組みをもっと紹介していければと思います。
また、鑑賞記録も書いていきたい。(美術の方も宿題が残っているので頑張らないと。)
最後に、サービス使用上の疑問点対応やトラブル(誤って振り込んでしまった、、など)はあまり責任を取れないのですが、もしも内容に間違いがあれば申し訳ありません。修正しますのでコメント欄からお知らせください。よろしくお願いします!