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【毎週ショートショートnote】戦国時代の自動操縦

お題:戦国時代の自動操縦


「石垣は自動で組め!」

 そんな命と共に上様から諸大名に配られた操縦機。その名も「自動石垣殿」。
 城を造るにあたって石垣を組むのが当たり前になった昨今。しかし一言で石垣を組むと言っても作業は重労働を極める。正直面倒この上ない。
 だが大名と言うのは面子が大事だ。城の大きさは勝手に決められないからこそ、城のあちらこちらで組む石垣には大名の面子がかかっている。大きな石を組み込む者、青石をふんだんに使う者、石を綺麗に成形する者。北から南まで皆がこぞって石垣造りに精を出した。
 だからこそ自動石垣殿は皆が泣いて喜ぶ、はずだった。

「まだ進んでおらんのか?」
「申し訳ございませぬ……!この自動石垣殿がなかなかの曲者でして……」

 新たな築城現場に赴くや否や目に飛び込むのは石垣と呼ぶには無様な石の山。話を聞けば自動石垣殿が、石の凹凸を全く理解出来ていないと言うではないか。
 そこには置けないと言うような場所に勝手に石を置き、崩れてはやり直す。目の前でそれが繰り広げられる様を見て頭を抱えた。

「最早儂がやった方が速いのではないか……?」

 皆で泣きながら上様に「人力で作らせてほしい」と願い出るのに時間はかからなかった。



大好きな石垣について書いていたら文字数がどんどん増えてしまった。
いつか同じ話を千文字くらいで書きたい。
ちなみに私が一番好きな石垣は徳島城だ。

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