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#27.ぱちぱち、ぱちん

宅配の荷物を受け取ったら、その瞬間爪が割れた。
当たりどころが悪かったようで、あまりにも華麗にぱきっと行った。
痛くはなかった。
乾いた音が耳に残った。

仕方がないので爪を切る。
両手の爪を短く揃える。
爪切りで短く揃える。

ぱちん、ぱちん、ぱちん。

小気味良いリズムで、ぱちぱち、ぱちん。

あれ?ゴミ箱の上で切っていたはずなのに、切った爪は何故だかベルトコンベアにのって、運ばれていく。

爪だと思っていたけどよくみたらCDプレーヤーだった。
CDを高速回転させて洒落た音楽を流しながら流れていく。
ベルトコンベアは流れてく。
CDプレーヤーを乗せて流れてく。

景色は流れ、変わりゆく。

リビング、キッチン、バスルーム。

玄関を抜けて外に行く。

線路沿いをぐんぐん進む。
洒落た音楽流して進む。

スピーカーから流れる音楽に合わせて、小人がダンダン、ダンシング。
小人のダンスを右から左に見届ける。

住宅街から河川敷に抜けて、海にでた。
ベルトコンベアに乗ったまま、流れ流れて海にきた。

砂浜の途中ベルトコンベアはいきなりおわり。
プレーヤーはゴトンと落ちる。

誰かがプレーヤーを拾い上げる。
CDプレーヤーだと思っていたそれは、あれ?
紙飛行機だった。
誰かはそのまま、こちらに向かって紙飛行機を投げ飛ばす。
まっすぐ飛んだ紙飛行機は、おでこにこつんとぶつかって、そのまま下に落ちてった。


.
.
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夢を見た。
変な夢だ。
なんともおかしな夢だった。

不思議な夢は、思い出すそばから忘れていく。そのまま布団の上で頭の中と格闘してたら、手紙が届いた音がした。
玄関あけて、ポストをチェック。
そこには一通の手紙があった。
ひっくり返して裏を見る。

手紙の差出人は、懐かしいあの人だった。

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