今さらながらSLAM DUNKの魅力を語る
映画SLAM DUNKを見てきた。最高だった。アニメの技術が井上雅彦先生の世界観に追いついたという感想だった。批判はあるようだが、個人的には大満足であった。
映画の内容はネタバレになるので言わない。ただ映画は原作の漫画を読んでいないと多分追いついていけない流れだったので、今さらながらスラムダンクの魅力を語る。なかでも好きなメンバーについて語っていく。
湘北の看板「ゴリ」(赤木剛憲)
赤木は中学時代には大した実績がなかったので、強豪校ではない湘北に入学する。高校に入って実力をつけ、海南の牧や陵南の魚住を始めとする多くの実力者から評価される。
しかしチームメイトに恵まれずに湘北は上位に上がれなかった。勝利にこだわり、チームメイトにもそれを強要する赤木は先輩や同輩からも敬遠される。
三年になって流川と桜木が入学し、宮城と三井がチームに戻って、湘北は急速に強くなる。強くなったが不安定なチームを赤木が柱として支える。赤木の苦労はようやく報われ、神奈川と全国の強豪校や有力選手と互角以上に渡り合えるようになって、実力を遺憾なく発揮できるようになる。
長い間自分の実力を信じて努力し続ける赤木は、大人になって共感する男である。
隠れイケメン「メガネくん」(木暮公延)
木暮は選手としてはそれほど優れていなかった。しかし赤木とともに湘北を支えてきた人物であり、赤木と並ぶ湘北の柱であった。しかも途中で抜けた三井やど素人の桜木にスタメンを奪われても、まったく恨むそぶりを見せない人格者である。
木暮を見ると、スターだけを重宝する組織の危うさが良くわかる。実際には組織は赤木や流川のようなスターだけではなく、裏方として支える人物が不可欠であることがわかる。
優秀なプレイヤーでなかっただけに無警戒だったために、全国大会を決定づける陵南戦において、決定打となる3ポイントシュートを放つ。このシーンは鳥肌ものであり、井上先生の構成力に脱帽する。
木暮は地味な役割の重要さを教えてくれう男である。
ムードメーカー「桜木花道」
桜木は高い運動能力とリバウンド力が注目されるが、実はムードメーカー的な役割も大きい。恐怖の大王である赤木をゴリ呼ばわれして遠慮なく発言し、途中参加の問題児である三井ともたちまちに仲良くなる。
桜木は流川以外のチームメイトと何気に仲がいい。三井をみっちー、宮城をリョーチンなどと、あだ名呼びし、先輩にもタメ口を聞くが、なんだかんだで好かれていたりする。
チームメイトもなんだかんだで桜木を認めており、頼りにしている。赤木はきついことを言って殴ったりしているが、リバウンドの特訓をつけたりして、なんだかんだで桜木に期待をしている。
山王戦で絶望的な点差になっても諦めずに、勝利宣言をしてチームの空気を変えようとする。
桜木はバカで素人であるが、だからこそ愛すべき男である。
頼れる姉御「彩子さん」(苗字不明)
マネージャーの彩子さんは赤木、木暮と同じようにチームを支える重要人物である。赤木や安西監督からの信頼も厚く、バスケを見る目も長けている。特に桜木や宮城を要所で励ます場面は多い。
海南に敗北して全国大会行きが危ぶまれるときに、いち早く「がけっぷち」と書を掲げてメンバーを鼓舞するのも頼もしい。
名言メーカー「安西監督」
「あきらめたらそこで試合終了ですよ」をはじめとする、多くの名言を残している安西監督。今でこそ仏のような優しい風貌であるが、かつては白髪鬼と呼ばれるほどの鬼監督であった。
安西監督の最大の過ちは大学時代の教え子の谷沢の死でした。谷沢は厳しすぎる安西監督を嫌い、単身アメリカに渡ったものの、失敗してそのまま死んでしまいます。安西監督の想いは谷沢に伝わらず、谷沢はやり直す勇気を持てませんでした。
安西監督は教える立場の難しさを教えてくれる人物でした。
田岡監督と魚住
最後に湘北以外から陵南の田岡監督と魚住を上げる。田岡監督は海南と翔陽という二強がいる神奈川で全国大会出場を夢見ていた。魚住という選手を獲得し、その夢が実現すると信じていた。
一年の時に、魚住が自分はデカいだけで他には何もないと思っていた。そんな魚住に田岡はデカいだけでいい、立派な才能だと励ます。
陵南戦を締めくくる最後の一言が「敗因はこの私」だと言い切る。「戦に勝つのは兵の強さであり、戦に負けるのは将の弱さである」というが、この一言にそれが現れている。
選手を信じ、責任を取る田岡監督は管理者の鑑である。
というわけで若い人でまだSLAM DUNKを読んでいない人はこれを機にぜひ読んでください。
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