川㟢雄司

詩人。カワサキユウジと呼ばれている。詩、随筆、小説、その他を好む。余白で生きてる。 Insta @y.k.works

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    言語と音楽に関するざっくりした脳の話~BFC4 超番外編~

    まえおき 表題の通り、ざっくりと、脳の話をしていく。  それぞれ好きなところから読んでください。  完成していません。後半に行くほど書きかけです。  最後は見出しがあるだけです。疲れました。(2022/11/23) きっかけ 最初に目にしたのはこのツイート。  へえ! そうなんだ! と思って、白髪氏の他のツイートを見ていたら、そこにはBFCがあった。  BFCはオンライン上の文芸イベントで、西崎憲氏が主宰している。  言及対象になっていたのは、  冬乃くじ氏のBFC4

      • のろまな光

        画像(文庫ページメーカー)1~24テキスト(横組み) 緑色のカップにいれたコーヒーへ手をやる。馬鹿々々しいと思いながら、吉野はいつもその色彩の関係を逆転させて、黒楽焼茶碗で抹茶を飲むような気でいる。  薄いコーヒー。一口飲んで顔を上げる。外光の入るに任せて、部屋の電気は付けていない。澄んだ朝である。林の向こうを電車が走る。その振動でか、風の為か、ときおりカン、カンと錆びついたバルコニーの金具が揺れて鳴っている。バルコニーで陰った駐車場は薄青い。敷地の境界を超えた先では、じゃり

        • 彼が言うことには

          • 画家の制作ノート

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            川㟢雄司
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          • 既刊:私家版
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            寄るべない二人

            バスは苦手で、特に後ろの方へ座るとエンジンの振動で酔ってしまう。まんなかのドアより手前の、足元に段差のある座席がすきだ。棒のように突っぱって出た膝小僧をさすりながら窓外を眺める。後ろに座ったオリバーが耳元でささやいてくる。 「バラがたくさんあるんだ。すごい数なんだよ。品種も多いし、珍しいのもある。今日はバラ日和でよかったよ。暑いから蕎麦も美味しいだろうね。ね、蕎麦。食べようね」 似たようなことをここ数日ずっと言っているので、適当な返事で済ませた。  私も植物園は好きだけ

            夏の家族

            名前をあげましょう 遠く離れても思い出せるように 口にふくんでも忘れられるように 耳を澄ませなさい 空気と水の密度の差に 震えてきらめく光がある 生命の燃える季節に 猛々しくなくともよいのです 静かな眼差しで 嘘を射抜きなさい 温もりはいつも 姿を変えて そっとあなたを呼ぶの #夏の家族 #夏 #家族 #詩 #名前

            全裸でカレーを食べていたときのことです。つまり、そう、ついさっき。なに、ちょっと春めけば当然の出来事です。 台所の横へ設けられた小窓には格子が嵌めてある。集合住宅の廊下が静かにストライプに割られて、隣の家の父親が帰宅する時などには、人影がアニメーションのようにタラリララとちらついて過ぎていく。 窓の鍵には、友人がチェコの土産にくれた鳥の、平たいストラップが掛かっている。スナメリの胸ビレのような耳が垂れている。しょうゆの屋号のような目をしている。部族のペニスケースが逆さになった

            われ彫刻になりたや

            過去や今やの別なくし 音や光の包みきたり 啞も吽も漏れぬまま われ彫刻になりたや 不動の体を愛づればいつか 明王となりましか 眺むる人を迎えては そのあわいで真に 生命となりたや #詩 #彫刻 #生命

            夢より深く醒めていて

            あれから何が育っただろう 野蛮なほどに存在を 肯定するのはいつだろう 荒れ狂う赦しが 腹から湧き出して満ちるのを ずっと待っている 目印のようにそっと置かれて 世界のへその如く 連続を断ち切られたあとに この指先で何に触れよう 朽ちた言葉のウロのなかで ずっと 夢より深く #詩 #夢

            わたしの小石

            かなしいかなしい夜でした 涙のこぼれる夜でした どうしてかなしいのか 分からないので よけいにかなしくてたまらない なみだにぬれて 心がそっくり返るのでした ひっそりとした夜の底に 小石がひとつおかれている 小石はひかりというひかりを みんな吸い込んでしまうので あたりは暗くて何もみえない 音さえ吸いついていくようで  ただただかすかに しっとりとして しめっている 誰の目も声も届かず ひっそりとした夜の底に おかれたひとつの小石のような心地がして かなしいのでした 吸い

            詩展「さっきまでが向こうから歩いてくる」を巡って 鼎談  中編

              かわさきは満足したように   体を伸ばしながら瓶から離れる。   入口上部にある絵を眺めている。  か この絵は全部自分で描いたの?  川 そうですよ。ちょうど二年前から画材を    集め始めました  か そういえば別に絵とか描いてませんでし    たもんね  川 ここにあるのはほとんどこの半年くらい    で描きましたね。使い勝手が分からなく    てずいぶん大変でした   三人しばらくぼんやりと眺める。  カ なにかこう人体を感じますね  川 人体で

            詩展「さっきまでが向こうから歩いてくる」を巡って 鼎談 前編

            登壇者  川㟢雄司、かわさきゆうじ、カワサキユウジ   会期中某日、薄曇り、回廊数十分後、East   Factory Art Gallery 入口に架けられた構   造物を見つめながらかわさきゆうじとカワ   サキユウジが歩いてくる。二人を認めて会   場内から迎えに立つ川㟢雄司が構造物の脇   で声をかける。  川㟢雄司(以下川)どうも   川㟢雄司に視線を移し二人はまばらに応じ   る。  かわさきゆうじ(以下か)こんにちは  カワサキユウジ(以下カ)どうも

            新しき墓  –石神雄介個展「光景の背後」に寄せて–2020.7/11-20 efag.cssにて開催

            序  記憶と認識 育った環境が、今もってなお、自らの空間認識に影響している。日々を送る最中より、旅した先でこそ、鳴り響くものでもある。帰宅に際しては、遠く地形の連なりがゆっくりと肌になじんで迎えてくれる。  平らである 産まれこそ違うものの、私はすっかり平野の民として育ってきた。関東平野の民である。千葉北西部の民である。日本は土地の七、八割が山岳であるけれども、私の生活に山はとんと現れない。すこし出張れば海があるが、滅多なことでは訪れない。ここいらの生活にあるのは、平たくひ

            寒暖差

            朗々と鳴る緑の毛並み 苦汁に浸した灰の空 崖のような風がのたうつ つまみあげたような木々が狂れる 充分に濁った騒ぎのなかを ゆっくりと清らかに 疑わしいほど 発光しながら 白鷺が 知覚を縫って飛んでいく 濁った頭の中で 千切れた純粋のように

            立ちくらみ

            知らないよ 違うかもしれないね 眼球てヤツはさ 都合がいいからな つまんないことばっかりだ 一瞬の繰り返しが 立ちくらみを起こしちゃう 血が薄く透けて ほら 朝がくるよ