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本のことを書いたノートをまとめています。
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#津村記久子

19冊目-津村記久子『ポトスライムの舟』

19冊目-津村記久子『ポトスライムの舟』

父の実家は造園業をやっていたのだけれど、僕はといえば植物のことにはとんと疎いままこの歳になってしまって。

この本のタイトルになっているポトスライムも実は読むまで「スライム」が語幹なのだと思っていたような具合であって、ああそうかライムか、そりゃそうか、アホなオレ、と思ったりもするのだけれど、「あは、スライムか、それもええなあ」という津村さんのやさしい声が聞こえてきそうな、そんな静かな、小さな、ゆる

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16冊目-『とにかくうちに帰ります』

16冊目-『とにかくうちに帰ります』

なんてことだろう。

「3週連続の投稿すごい!」と全然すごくないことをnoteに褒めてもらってから、今度は3週の空白のときが過ぎてしまった。

もう「令和界隈」のことも時機を逸してしまっているでしょう。
干支とか、一世代ということとか、天皇という存在のこととか、考えていたことはあったのだけど。

来月の改元本番のときに持ち越すことにしましょう。
むろん、そんなもったいぶるような立派な内容なわけない

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7冊目-『私とは何か 「個人」から「分人」へ』

7冊目-『私とは何か 「個人」から「分人」へ』

本を読み終えてから、「ああ、あれにも書いてあったことと関係ある話だ」と思ったりするのはままあることで、今回もそんな話なのだけど。

平野啓一郎『私とは何か 「個人」から「分人」へ』(2012,講談社現代新書)



津村記久子・深澤真紀『ダメをみがく "女子"の呪いを解く方法』(2013,紀伊國屋書店)

について。

『ダメをみがく』についてはこのマガジンの2冊目でも書いたことがあって、今回は

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