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脱サラして痛感する、リセットの大切さ

悔しくて、泣いた。

でも、次の日もその上司に会わなくてはいけなかった。

大企業勤めの、計8年間。僕は2度、上司の前で泣いた。というか、自然と涙が出てきた形だけど、それくらい、理不尽な指示を送ってくる上司を前にして、僕のメンタルは大きく揺らいでいた。上司の前じゃないけど、仕事帰りに堪りかねなくなってファミマのトイレに駆け込み、店員さんが外から「大丈夫ですか」と心配するほど泣きじゃくったこともある。

人間関係は仕事ではつきものだし、向いてない人、向いてない仕事にぶつかることも、もちろんある。それが会社員だし、給料をもらっている以上、そこに異論を挟む余地はない。

でも辛かったのは、「リセット」ができないこと。特に僕の場合、イヤな気持ちを引きずってしまうので、布団の中では上司の声がエコーのようにこだまし、明日が来てほしくない…でも眠い…という葛藤の中で、寝たのか、寝てないのか自分でも分からないまま朝を迎える日々を送っていた。

そんな状態じゃ心が摩耗するのは当然で、結局、大企業2社で休職を経験したわけだけど、そこでようやく分かったのが、自分には「リセットする時間」が必要だ、ということ。

昔の僕は、沿道からの「もっとやれるだろ!」という声援のもと、体力がボロボロのまま走り続けているマラソンランナーのようだった。「大企業」という競争社会の中で、42.195kmをいかに早く走り切るか、それだけを考え、ガムシャラに身を削ってきた。

でも、今は違う。

派遣週5日→派遣週3日→フリーランス、として働いてきた中で、自分の時間を手にできるようになった。不安なこと、イヤなこと、もあるけど、会社員の時のように「同じ上司と連日顔を合わせて仕事をする」といったことはなくなったので、心を落ち着かせる時間も意識的につくれるようになった。

にんげん、リセットする時間が必要だ。

5分目を閉じればリフレッシュできる人もいれば、僕みたいに半日~1日ほど一人の時間を過ごすことで気持ちが上向く人もいるかもしれない。

でも、全速力でマラソンを走り切れる人は、いない。

同じゴールを目指していたとしても、途中の給水所で体力を回復してもいいし、なんならコースを外れ、カフェでゆっくり過ごしたっていい。急がなくていい、歩いたっていいんだーー。

こう気付いてから、心が本当に軽くなった。

窮屈な世の中では、制約や、ガマンも、時にはある。フリーランスは「自由」とも言われるけど、実際働いてみるとお金や健康の不安もあるので、むしろ「不自由さ」も感じる。ただ、自分を”回復させる時間“があれば、不思議と困難を乗り越えられる気がするのも事実だ。

「意識的に立ち止まる」、そして「自分の時間を持つ」。

何かしら常に動いている毎日だけど、この2つは特に大切にしていこうと思う。

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