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おいしい食べ物、たのしい食べ方

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おいしく食べてやろう。 たのしんでやろうと思うと、いつもの料理、いつものお店も違ってみえる。 飲食店を嫌いになるのはもったいない。
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2020年1月の記事一覧

渋谷のチャーリーハウスが新宿のチャーリーとして生まれ変わった!

チャーリーハウスというお店がありました。 場所は渋谷。 公園通りの坂道をほぼ登りきったところの路地裏。広東風の湯麺の専門店で彼らはそれを「トンミン」と呼んでいた。 上等な上湯を使った上等な湯麺。本当においしいモノとは単純で余計なものを削ぎ落としたところに生まれるものなんだ…、としみじみ思わせるようなゴチソウ。ケレン味はなく、上品で繊細なのに迫力のある味は唯一無二。大好きでした。 出会ったのはボクが20代の半ばの頃。 目立たぬ路地にあって、赤いテントが目印程度の商売っ気を感じ

ジンジャエールクラウド

ギンザシックスの中のスタバ。 いわゆる普通のスタバの奥にあるリザーブバー。ここにしかない飲み物がいつも提案されていて、いわゆるスタバに物足りなさを感じさせる人たちでいつもニギヤカ。 ちなみにリザーブバーの手前のスタバは一日ウェイティングが出るほど混雑していて、廃墟のごとき静かなギンザシックスにあって、その周りだけがまるで違った場所のよう。この店の集客のための巨大な装置…、と思えばなんとも贅沢なコト。 ジンジャークラウドがオキニイリ。ジンジャエールの上にシェイクして泡立てた

喫茶店のモーニングって…。

新宿で朝。ローレルという喫茶店に来る。 新宿といえばかつては喫茶店がそこここにあった街です。 今では随分少なくなった。 スターバックスのようなお店が増えるにつれて、喫茶店の数が減る。スターバックスのコーヒーの単価と喫茶店のコーヒーの値段を比べると、スターバックスの方が高いことがほとんど。 だから吉野家のような安売りチェーンのせいで、定食屋さんが次々潰れていったのとは違った減少。 コーヒーをたのしむというスタイルがまるで変わってしまったのでしょう。 朝からやっていて、朝食セッ

バイオリンのアマティ、コーヒーのアマティ

ひさしぶりに「亜麻亜亭」。新宿駅前の地下街の出入り口をなす人通りの多い一角にひっそりとある喫茶店。 アマティと読む店名は、バイオリンの名機を作った一族にちなんでのこと。店の中には弦楽器が主役のクラシックが流れてて、今日は格調高くヘンデルでした。 メイド服っぽいウェイトレスの仕草も優雅で、背筋が思わずシャキっと伸びる。 好きな店。 作ったときにかけるべきお金をきちんとかけて作った店だから、古くなってはいるけれど古さが風合いになっているのがいい感じ。例えばボクがいつも座るオキ

マダムの花園でおじさん一人、ドリアを食す

新宿三丁目でランチ。ほどよき量でフルコース仕立ての食事をお行儀よく…、と「ルブラン」にくる。 イタリア料理をベースにした軽食料理のカフェ。 瀟洒な雰囲気、教育の行き届いたギャルソンのにこやかなサービスが楽しめる店で、「マダムの花園」ってボクは密かに呼んでる。 ビックロの向かい側にある店で、そこが三越の新宿支店だった頃からある。 数ある百貨店の中でも三越を好んで選ぶマダムが好きそうな店だから、正式には「三越マダムの花園」と呼ぶべきなんだろうけど、その三越が新宿からなくなっち

〆たてのアジ、釜で炊く釜飯、もぎたての金柑

低気圧の雲の中をヒュインヒュインとあえぐように飛び熊本空港に到着。 車で一路、南に向かって2時間ちょっと。 えびのという高原の町について昼ご飯。 内陸の町。つまり海のない地域にあって大きないけすで活きた魚を活け締めでたのしむことができる「十兵衛」という店にくる。 内陸とは言え車で一時間ほども走ると九州南部の海にアクセスできるという、見方を変えればいろんな海の魚を集めるに適した場所。 今日はアジがおいしいという。一尾刺し身につくってもらう。 目がキラキラとうつくしく、氷の上

日本の料理は出汁の料理…、かな。

早朝、羽田からスタートの出張。空港ビルで朝食をとる。 JALの本拠地、第一ターミナルはここ数ヶ月で随分、テナントが入れ替わった。 それで朝からやってるお店が随分増えた。 新しい店に行ってみようかと思いもしたけど、ひさしぶりにHITOSHINAYAにやってきてみる。 一日中、朝ご飯が食べられるというのがテーマのお店。 考えてみればご飯に汁、おかずに副菜という朝食のスタイルは、日本料理の基本の食べ方。だから一日朝ご飯というのは、とても日本的なコトかもしれない。 日本の料理店に

神田のエースでドーナッツ

街の景色をみながらのんびり歩いて20分もかからぬ距離。 神田、神保町、淡路町、秋葉原って結構近くて、自動車のなかった時代の町は人が歩ける距離でつながってたんだって思ったりする。 着いた神田でお茶を飲む。 神田エースという喫茶店。 昭和なムードバリバリで、海苔トーストという名物料理もあって人気のお店です。薄切り食パンをトーストし、バターを塗って海苔を乗せ醤油を垂らして仕上げた、磯辺焼きのトーストバージョン。海苔つながりでそれもいいかと思ったけれど、ちょっと変わったものを食べ

特別扱いされるべき蕎麦

神田のまつや。 何にしようかと少々迷い、寒い冬でもございますゆえ、温かい蕎麦。小腹満たし程度にしておこうと、花巻そばにすることにした。 ここの天南蛮そばが大好きで、ずっとそればかり食べたんだけど、痛風予防にえびを食べるのを控えてる。それからここではおかめそばかおかめとじって具合だったんだけど、そうだ、花巻そばがあるではないのと、好きだったことを思い出す。 これだけ特別扱いされる料理です。どう特別扱いか…、というとこれだけ蓋つきの丼でくる。提供されても蓋はそのまま。お客様で

大阪の蒸し寿司

大阪から移動しましょう…、のその前に今の季節の小腹満たしをすることにする。 かつて商家が立ち並び、今でもオフィス街としてにぎわっている本町。 目抜き通りから一本入った通りにひっそり佇む老舗。 「吉野鯗」にやってくる。 押し寿司、棒鮨の専門店で店を入るとお持ち帰り商品のサンプルが並ぶショーケース。船場の旦那衆のお使い物で重宝されていたんでしょう。 2階に食堂があっていつものんびり食事ができる…、はずなんだけどインバウンドの人たちでちょっと前までずっと満席だったんだという。お店

かにまみれ

六本木のグランドハイアットホテルのフレンチキッチンで蟹の食べ放題バフェが始まった。 今年初めての試みなのかなぁ…、たらば蟹も食べ放題っていうのに心惹かれて試すことにした。 蟹。 種類それぞれに味わいが異なり、どの蟹が好きと聞かれると本当に困る。 生のズワイに渡蟹の殻の隅っこにこってりこびりついた玉子。上海蟹のオスの白子に、きめ細やかな毛蟹の脚の肉。どれもそれぞれ趣深くおいしくてこれが一番とは決めがたい。 そんな中でもタラバのどっしりとした食感に甘みを帯びた味わい独特。それで

旅の前のなだ万。梅餡の粥の和朝食

日曜日の朝。今日の午後から出張。月曜の朝早くからの仕事に備えて、事前に移動することにした。 まず「なだ万」で朝。 帝国ホテルの地下一階にあるアーケードの中の一軒。新館と本館の地下をつなぐ通路の先にあり、この通路が地下アーケードの中でも一番きらびやか。 まばゆいほどのシャンデリアにいざなわれた先にシックな数寄屋造りの店がある…、というのも特別。 店に入ると週末の朝ということもあってでしょうか…、お店はにぎやか。国内旅行の人たちでしょうか。ご婦人方のグループや熟年夫婦。いろんな

渋谷、福田屋、蕎麦前の午後

土曜日の昼。渋谷で遊ぶ。朝から冷たい雪混じりの雨。それでも人出はすごくて、歩道からあふれる傘の花。 坂道途中の路地にある「福田屋」にくる。 老舗の蕎麦屋で、店に入るとまるで渋谷じゃないみたいな感じがするのがうれしいお店。 ご機嫌な仲間が集まった土曜日の昼。 せっかくだからキリンの中瓶。スポンと抜いてみんなで互いに注ぎ合う。生と違った瓶を分け合うビールのたのしみ。大人な感じ。 お通しは味がしっかり染みた金平。蕎麦前いくつかたのんで分ける。ワカメときゅうりの酢の物に刻んだ穴子

ミロンガヌオーバでモカマタリ

神保町の猫の道みたいな細い路地に面したミロンガヌーバにくる。 入り口脇にメニューがあって、あるのは前から気付いてたんだけど見ることもなくいつもブレンドかウィンナコーヒーをたのんでた。 今日はじっくり見てみるとモカマタリってのがあって、コーヒールンバを思い出す。 お店に入ってテーブルにつき、何にしましょうというから思わずコーヒールンバって言ってしまった。お店の人がクスッと笑って、「モカマタリでよろしいですか?」って応える素敵。 大きなスピーカーから流れてくるバンドネオンのタ