特別扱いされるべき蕎麦
神田のまつや。
何にしようかと少々迷い、寒い冬でもございますゆえ、温かい蕎麦。小腹満たし程度にしておこうと、花巻そばにすることにした。
ここの天南蛮そばが大好きで、ずっとそればかり食べたんだけど、痛風予防にえびを食べるのを控えてる。それからここではおかめそばかおかめとじって具合だったんだけど、そうだ、花巻そばがあるではないのと、好きだったことを思い出す。
これだけ特別扱いされる料理です。どう特別扱いか…、というとこれだけ蓋つきの丼でくる。提供されても蓋はそのまま。お客様で食べる直前にお開けください…、というメッセージ。
蓋を開けるとおいしい磯香りがふわっと漂う。大きな海苔が蕎麦の表面いっぱいを隠してゆっくり汁を吸う。蓋で閉じ込められた海苔の香りが一気に外に吹き出して、食卓の上をおいしい香りで満たすワケです。
海苔は板海苔。焼いて乾燥させてないので海苔の風味が閉じ込められてとっても強い。しかも汁を吸い込むとトロトロとろけて生海苔みたいに散らかって浮く。それが蕎麦にからみついて一緒に口の中にやってくるのです。鰹節系の出汁の酸味に海苔の旨味や甘味が混じり、なんともおいしく、とろけた海苔が熱々の蕎麦のねっとりとした食感引き立ておいしくさせる。
山葵をちょこんと海苔におき、海苔が溶けると一緒に溶けるがままにしながら味わう。最後に蕎麦湯をトクッと注ぎ、ゴクリと飲んでお腹が満ちる。あったまる。
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