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日本の料理は出汁の料理…、かな。

早朝、羽田からスタートの出張。空港ビルで朝食をとる。
JALの本拠地、第一ターミナルはここ数ヶ月で随分、テナントが入れ替わった。
それで朝からやってるお店が随分増えた。
新しい店に行ってみようかと思いもしたけど、ひさしぶりにHITOSHINAYAにやってきてみる。

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一日中、朝ご飯が食べられるというのがテーマのお店。
考えてみればご飯に汁、おかずに副菜という朝食のスタイルは、日本料理の基本の食べ方。だから一日朝ご飯というのは、とても日本的なコトかもしれない。

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日本の料理店において、おいしくすべきはご飯と汁。そこにこだわらない店はいつか人気をなくしてしまうと言われるけれど、ここのご飯は羽釜で炊きたて。汁の基本の出汁がおいしく、席に座ると出汁を湯呑に入れてコトンと差し出す。お茶代わりに出汁というのが粋でよい。

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北ウィングの一角にあって鉄とガラスの構造物の中に収められた数寄屋造りの建物のよう。南に向かう飛行機ばかりを使うボクにはワザワザ行かなきゃいけない場所だけど、ワザワザ行くだけの価値があるのがありがたくもある。
メニューが2種類。お粥の朝食と焼き鮭定食しかないというが潔く、わかり易くありしかも提供に時間をかけずにすむ工夫。飛行場という場所にあってうれしい気配りでしょう。
朝一番の無垢な口にまずやってくる上等な出汁をしみじみ味わい、お腹を芯から温めながら少々待って今日の朝食「焼き鮭定食」。

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お膳の上に四角い木箱。
手前に青菜のおひたしと豆腐が入った器が収まる。
このおひたしの出汁といい、豆腐の上にかかった出汁醤油といい、出汁がおいしいということは日本料理の基本としみじみ思う。

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メインは堂々、焼いた鮭。
鮭は二度焼き。ぼどほく焼き上げた鮭を注文が入ってから皮目をしっかり焦がして焼きつつ温める。だから脂が焦げた香りが食欲誘う。おゴチソウ。
鮭の後ろには厚焼き卵が一枚隠れて、絞った大根おろしに醤油。酢蓮が一枚と、開業当初からずっと変わらぬ料理の構成。揺るぎない。

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この、いつも同じという安心感をうれしいと感じるのか。たまには違ったものが食べたいと思うかそこがここの評価を分けるとこ。季節感を日本の料理の重要な要素の1つと思えばちょっと微妙なところ。けれど朝の寝ぼけた頭やお腹にはいつも同じの安心感がまさるような気もしたりする。

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サイドに必ずサラダがつく。そのあしらいにいつも感心。
ドレッシングではなくポン酢です。しかも出汁がしっかりきいたポン酢で酸味のしっかりしたフレッシュなおひたしみたいな感じがする。上にはぱらりと油で揚げたジャコがちらかる。シーザーサラダでいえばクルトンみたいな役割。カリカリとした歯ざわりと砕ける感じが小気味いい。枝豆だったり刻んだ大根と季節季節で副素材が若干かわり、サラダでありつつ日本料理のように感じる。オモシロイ。

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おひたしの上にドサッとのっかる削り節とか、汁の具材にゴロゴロ入ったじゃがいもだとか、サービス精神旺盛な料理をおかずに炊きたてご飯をハフっと食べる。そろそろ移動でございます。

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