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バイオリンのアマティ、コーヒーのアマティ

ひさしぶりに「亜麻亜亭」。新宿駅前の地下街の出入り口をなす人通りの多い一角にひっそりとある喫茶店。

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アマティと読む店名は、バイオリンの名機を作った一族にちなんでのこと。店の中には弦楽器が主役のクラシックが流れてて、今日は格調高くヘンデルでした。
メイド服っぽいウェイトレスの仕草も優雅で、背筋が思わずシャキっと伸びる。
好きな店。

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作ったときにかけるべきお金をきちんとかけて作った店だから、古くなってはいるけれど古さが風合いになっているのがいい感じ。例えばボクがいつも座るオキニイリの席のテーブルは、磨かれみがかれ塗装が盛大に激しまっているけれど、それも味わい。本物は歳をとっても見苦しくないもの…、と気合をもらう(笑)。

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いろんなところが上等です。
冷たい水が入ってくるグラスはキリッと冷やされていて薄くて軽い。まるで水を素手で握ってるんじゃないかと思うほどに、冷たい水を飲む前に手が味わえるオゴチソウ。

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グラスに敷いたコースターは水をしっかり飲み込む構造。テーブルを濡らしたり持ち上げたグラスに貼りつくようなことがなくいたく快適。おしぼりも分厚くしかもお出迎え用とロールサンド用にとふたつやってくるのがちょっとうれしい。
シュガーポットは磨き上げられピカピカだし、コーヒーについてくるミルクの小さなピッチャーもキラッと鈍く光ってなめらか。

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コーヒーのブレンドが何種類か用意されてて、それぞれストロングとかコクがおいしいとか、味わい、風味の特徴を上手に表す名前がついてる。
ボクは大抵「香りがおいしいブレンド」で、今日もそれ。

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朝のお供にロールブレッドのサンドイッチを2個たのむ。
ひとつは玉子。
もう一種類はツナサラダ。
スリット入れたロールにススッと切り目を入れて、レタスをひと切れ。
玉子は甘い味わいのふかふかしっとりの卵焼き。
ツナはみじん切りにした玉ねぎとマヨネーズであえたものでどちらもパンからはみ出す姿が健気に感じる。

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玉子にケチャップをプチュっとほどこし、はふっと食べる。
空気をたっぷり含んで焼けたロールブレッドはさくっと歯切れ、挟んだ具材と一緒にとろける。おいしすぎない普通のおいしさ。朝の口にはありがたい。

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香りがおいしいコーヒーは酸味おだやか。苦味もやさしくなのにコーヒーらしい焦げた香りや甘い風味がしっかりしている。特に口に含んで鼻から抜ける香りはとても力づよくて、余韻も甘い。
コーヒーを飲んだ!って充実感に浸れるところにうっとりします。
ミルクを入れると香りがちょっとおだやかになる。その分、コーヒー自体の旨味が強くなってふっくら、口の中で苦味がほどけるように消えてく。コーヒーってなんでこんなに面白い飲み物なんだろう…、ってしみじみ思う。今日はちょっとのんびりしましょう…、朝の9時。


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