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【広辞苑でエッセイ】沸・錵

『沸・錵』
日本刀の、刃と地肌との境目に銀砂をふりかけたように輝いている鉄の組織。匂とともに重要な見所で、地方や流派によって粒子の大きさが異なる。(2206頁)


日本刀は、「沸」と「匂」が混ざって刃文を構成している。鉄の組織の粒子が大きく荒いのが「沸」、細かいのが「匂」。「沸」が多いとよく斬れ、「匂」が多いと柔軟性があるらしい。

サッカーのストライカーには、「剛」と「柔」のタイプがいる。漫画『キャプテン翼』で言われていたことだ。「剛」とは日向小次郎のように、とにかくゴールへ荒々しく突き進むタイプ。「柔」は大空翼のようなテクニック重視のタイプである。日本代表でエースストライカーの座を勝ち取ったのは、日向小次郎であった。

先日、サッカーW杯のアジア2次予選をテレビで観た。やはり日本は決定機に弱い。日向小次郎のような選手がいなければ、日本の得点力不足はいつまでも解消されないのではないだろうか。

今の日本代表は「匂」が主体で柔軟性がある。それも悪くないが、「沸」が混ざることによって得られる斬れ味も大切だ。

『サムライブルー』という日本刀の「沸」になる選手は誰なのか。刀工たちが、丁寧に焼き入れしてくれることを願う。

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2019年9月21日(土)

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