父が家出!母が大型車を頑張って運転したこと
母がやっと今まで通りの生活に戻ったころに
父が店を閉めてから外で飲むようになっていた。帰宅も午前様が多く
夜中に夫婦で喧嘩している声が聞こえた
たまに、ちーちゃんが参加して3人であれこれ言っているな~ぐらいだった
大きな喧嘩をしてから数日後
父の書置きがあった
「探さないでください」
ちーちゃんが
「普通、メモの走り書きって、わざわざ半紙に墨で書いていくもんかな~
勝手にしておけばいいよ」と言っていたが母は動揺しきっていた
父は川田夫婦・高畑のおばちゃん以外に
運転手を8人抱える社長だからである
ちーちゃんが
「しばらく体調壊して遠くに入院してるでいいから黙っとけ」と言った
運転手さんたちがタイムカードを押すときに
「あれ?社長は?」と聞かれても
ちーちゃんが一人一人に同じことを言っていた
お見舞いはいらないから気にしないでくれ
そんな父がいない生活が10日続いたときに運転手さん2人がはしかで休んだ繁忙期だったので2人もいないとお客さんに迷惑がかかる
曽祖父の家にいる母の弟にバイトに来てもらっても人が足りない
そんなとき、母が父のジャイアンツの帽子をかぶって
「お母さん、ミキサー車運転してみる」
え~!!周り騒然。
免許あるんだからできなくはないだろうけどとおじちゃんが言ったら
「やる!がんばる!まけない!」と言い出して
ミキサー車に乗って近くの現場に配達に行った
私たち姉弟は「お母さん かっこいいな~」と思った
最初は擬古地なかったかが2日目となると
数十年やっている運転手にしか見えなくなるのも不思議だった
1か月後、父が突然帰宅した
弟が泣いて喜んでいたのは覚えているが私たちはドライだった
母も普通に対応していたが
ちーちゃんの部屋に入ったあとなかなか帰って来なかったところを
見ると説教されたのに違いない
ちーちゃんが
「なんか疲れちゃったんだってそれでひとりであっちこっち周っていても
会社が気になってしまって帰ってきたらしいぞ。明日から死ぬ気がで頑張るらしいから勘弁してくれ」と母に話していた
母は
「え~。今一番生きてるって実感できてるところだから運転はやめない」と
言ってた。祖母からの悲しみを振り切るのにはもってこいのようだ
父から
「3人はこの会社を誰が次いでもいいように大人になったら大型免許取得は必須科目になるので忘れないように」と言われた
それから数十年たってから泣きながら大型免許を姉弟3人で取得することが必須科目になるなんて
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