揚げパンは、白飯が給食で提供されていなかった時代の楽しみの一つであった。
コッペパンが、油で揚げられ、砂糖でまぶされている。
それが揚げパンと呼ばれるものだ。私にとってそれは、
給食でも登場する豪華なパンだった。光り輝いているようなパンだった。
普段はパンを食べることの少ない私にとっては、
その出現は楽しみでもあった。
最近では、懐かしの給食シリーズという名の製品が販売されていた。
その中に揚げパンが含まれていた。購入し、一口食べると、涙が溢れ出てきた。
その味わいは、ただの揚げパンではなかった。
給食の思い出がよみがえり、幼い日々が蘇るような感じだった。
何年も経った今でも、その味が私の心の奥底に刻まれていることに気づかされた。それは、喜びと悲しみとが入り混じる感情だった。
揚げパンは、私にとっての宝物なのだ。それは、単なる食べ物以上の存在であり、私の人生に深く刻み込まれた物語なのだ。私の内なる世界を、幼い頃の記憶という物語が彩っている。
そんな揚げパンの存在を知った今、私は内省に耽る。人の心には、小さな出来事でもそれぞれの物語があるのだと。そして、人生の喜びや悲しみを共有することで、深い共感と共鳴が生まれるのだと。
この一刻を通じて、私は存在の本質を考える。食べ物とは、単なる物質的なものではなく、感情や記憶と結びついた美しい物語なのかもしれないと。
揚げパンという小さな存在が、私に哲学の門を開かせてくれる。本当の豊かさや幸せとは、何なのかを追究する旅を始めたいと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?