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10万飛ばして空元気 〜とさか世界一周旅行記 18日目〜

こんにちは!とさかです!絵本を描きながら幼児教育の勉強をしています!
本連載は、2015年に僕が世界中の幼稚園の取材をしながら各国を旅行した際の日記を紹介しています。

2015/10/16 23:45(ロサンゼルス)
本当に散々な日だ。久々に無力感や挫折感を味わった。
まず、6時ごろにバスの運転手さんにいつバスが出るか聞いた。すると、いつかわからないし、出発したとしても6時間はかかるとのこと。思えばこの時に理由をちゃんと聞いておけば後のミスは防げたのだが、徹夜明けに加え向こうがスペインなまりの早口だったので聞き逃す。
このままではらちがあかないと考え、同じようなことが繰り返し起こるのでは身がもたないと思い、飛行機を予約する。最短で11時に空港に着けるとわかったので、13:40の飛行機を予約した。この時、時間の見積もりが甘かったのと、万が一のためにキャンセルできる保険をかけなかったのが大きなミスだった。
さて、グレイハウンドから降りて、空港へのバスが出る地点へ向かう。カリフォルニアでは今まで経験したことがないような湿気で、霧が立ち込めていた。バスでは、意外とすんなりお金さえ払えば乗れることがわかった。ATMでお金をおろすが、この時visaカードが使えなかったのが気にかかる。また、この時にキャッシュパスポートの残金を使い果たしてしまったとわかった。ここからは消耗戦だ。さらに、この時点で予定外の出費が数百ドル出ているので、ここからはかなり節約しなければならない。
バスは予定通り8時に発車した。5時間かかっても間に合う計算だ。これなら大丈夫だろうと思い、寝た。起きて地図を見ると、なぜか南にあるはずの空港方面ではなく、西にいた。そして、遅れにざわつき始めた客に答える形でのアナウンスでわかった。異常気象により、北からロスへ向かうメインの道路が遮断されているのだ。よって、大きく西回りで向かうことになっていた。このことには気付くべきだったのに、聞き直すのがめんどくさくてほったらかした結果がこれだ。結局、新たに予約した便を逃した。この時点で、10万円近い損失だ。さすがにショックが大きい。久しぶりに敗北感、挫折感、無力感を味わい、もうどうにもできないと諦めたのだが、やはり俺は俺なので、気を落ち着けて活路を探し始めた。そして、それに近いものにたどり着いた。
この旅、先進国にいる期間が長すぎるというのは最初から感じていた。これを短くし、東南アジアでの期間を長くすれば良いのではないか。さらに言えば、中国に行くつもりでいたが、上海の教育を見るというのであればそれはシンガポールと被っていると言えなくもない。よって、イタリアと中国を省き、東南アジアでのバックパック生活を伸ばした上で、取材の幅を広げれば良いのではないかと考えた。ブータンなんかも行ければ良いのだが。
また、この変更は取材のアウトプットの質も向上させられるのではないかと、思考を整理する中で考えた。まず、幼児教育において幼児を成長させる要因を環境要因とイベント要因に分類できると仮定する。このとき、先日の取材を通して得られた最も大きな学びは、「生徒に対する先生の数」という環境要因が様々な面での相乗効果を生むということだった。これに着眼して比較研究並びに政策提言を行うことはできるし、観察した範囲ではおそらくかなりのインパクトを持つ。しかし、現実問題として政策提言をしたところで現場の先生の数が増えることはまず無いだろう。(いや、今気づいたがもしかしたら1自治体でならそういう動きを起こせるかもしれない)一方、イベント要因ならば実際にプログラムを組んで、なんらかの形で実現することができるし、そちらの方が自分がやりたいことに近い。つまり、これからはイベント要因に重点を置いて取材を進めていく方が合理的だ。
そして、この分類において、イタリアや(シンガポールと比較した際の)中国で見られるのは、おそらく環境要因が主だろう。むしろ、セオリーに囚われていない途上国における刺激的なプログラムを取材するべきなのだ。こうした気づきにより、記事としてのアウトプットにまとまりができるだけでなく、自身の活動というアウトプットの質を上げることにつながるはずだ。
ここに考えが至って、焦るのをやめ、空港でチケットを購入し、現在は数時間ずっとロビーで充電したりチャットしたりしている。
旅程が決まりきっていない長旅で良かった。こうしてたまに考え、企画を洗練することができる。
明日は朝イチでボストンに飛び、友人と再会する。話したいことがいっぱいある。楽しみだ!

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