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#35 アーティストとしての生き方を学ぶ(松川愛さんインタビュー)

この「考える」マガジンは、私が関心を持ったトピックを幅広いテーマで自由に書いています。今回はアーティスト・松川愛さんのインタビューを通じて人生や夢の叶え方について考えました。

プロローグ

大学生だった頃の私が心に秘めていたひとつの夢は「側から見てよくわからない暮らしをしている大人になりたい」でした。

なぜそうなったかというと、学生時代のアルバイト先のカフェにちょうどそんな方がいらっしゃったのです。趣味でバイトしに来たという私より10歳上の彼女と、その方の同居人のデザイナーの男性の暮らしは、わたしが知っている大人のフレームワークからは逸脱していました。好きなことを好きなようにして、豊かになっていい。その事実は、その後の私が自由なキャリアを歩むきっかけになったお二人でした。

そんな当時の淡い夢が叶ったような、まだまだ突き抜けられそうな、そんな近頃のわたしの目の前に、ハリケーンのように突如パワーを持った女性が現れたのがつい先日のこと。颯爽と駆け抜ける新幹線のように夢に突き進む彼女から人生について伺った時間はとってもエネルギッシュなものでした。記憶が新しいうちに、私が伺ったお話を記録に残したい気持ちが起こり、今回インタビュー記事として執筆することにしました。

アーティスト・松川愛さんとの出会い

今回お話を伺ったのは、アーティスト/画家の松川愛さん。アルコールインクアートを始めとする抽象画を得意としていて、作品は宝石のよう。自然を感じさせるニュアンス的な美しさを纏っています。

そんな松川さんと私は元々同じ青山学院大学で同じ学部・ゼミの先輩というつながりでした。当時は日本でインターネットテクノロジーについて勉強していたところから、10年後にはるか遠いロンドンでこうして再会出来るなんて、人生何が起こるかわかりません。

そんな彼女がアーティストとしての活動を始めたのは、たった4年前のこと。それまではアパレル企業で会社員として「レールに乗った」人生を送っていたそうです。

「それまでももちろん、絵や芸術を鑑賞することは好きだった。でも、まさか自分が書く側になるなんて、夢にも思わなかった。」

彼女が自分の新しい人生に切り替えていったドラマチックなエピソードは、きっと今人生に迷っている方への後押しとなると思います。

松川さんとアルコールインクアートとの出会い

クリエイティブ職に就く際、まずはその職業に憧れてから行動を起こすことが多い印象があるところ、松川さんの場合は全くの正反対。アーティストになろうと決めてアーティストになったのではなく、描いているうちに気がついたらアーティストになっていた、という珍しいパターン。

はじめは、当時経験した失恋の悲しみを忘れるために出来ることならなんでも良かった。だから友達が勧めてくれたアルコールインクをとりあえずやってみたら、描いている時だけは悲しみを忘れられて。
描くことに没頭している私の話を友人がお母さんに、そのお母さんがまた友人に…と話が広がって、トントン拍子に個展開催まで辿り着いちゃった。
もちろんアートのことなんて何も知らなかったし、それまで趣味で描いてたのに気付けば個展が決まっちゃって…当時を振り返ると、三ヶ月単位でどんどんスケールが大きくなっていってた。

彼女が自分の心を癒すためだけに始めた活動だったところから、絵を見た人々が作品に惹かれて、次々と大きな流れに導いてくれたのだそうです。

そんな突如とした現実の変化の中で、アーティストとして生きる決心に踏み出せたのは、体調不良だったそう。それまでずっとハードワークな生活を送り、精神的にも苦しい局面を迎えて身体がボロボロになってしまったから、やりたいことで生きる決心がついたと思う。そうでなかったら、会社員の安定した暮らしを手放す勇気を持てなかったんじゃないかな…と彼女は語ってくれました。

どれだけ「いい流れ」が来ていると感じても、やっぱり変化は怖いもので、新しいものに転換する時には勇気が必要なんだと改めて感じさせられました。

アーティストとしての暮らし

アーティストとして定期的に個展やワークショップを開催するようになってからも、その勢いは止まりません。なんと、活動をスタートして1年足らずでNYで作品の展示が決まり、コロナ禍で人々が移動が出来なかったころから、松川さんの作品たちだけは国外への旅をスタートしてしまいます。
また、信頼できるキュレーターの方から海外との相性が良いとアドバイスされたこともあり、松川さんにとって海外移住が目指していきたいキャリアになっていきました。

それでもはじめは日本で有名なアーティストになってから国外に、と考えていたそうです。元々堅実にレールに乗って生きてきたときの松川さんと、今の自由な松川さんが拮抗していた時期ならではのエピソードだと感じました。友人への相談をきっかけに自分がどれだけ海外に行くことに重きを置いているかがわかったことが、また大きな一歩を踏み出すきっかけになったそうです。

海外に行くと決めて、わずか三ヶ月後に渡英

一度こうだと決めたら実現までが超スピードなのが、松川さんの面白いところ。2022年の年末に海外に行こうと決めて、さっそく決意表明。そして、三ヶ月後にはフランスへ。一ヶ月半ヨーロッパを転々とし、五月には念願のイギリスに到着!

ヨーロッパについてからの松川さんも、その活躍スピードは加速する一方。「この国で個展したい!」「このギャラリーで個展したい!」「このアートイベントに出展したい!」そんな思いをどんどん打ち立てては機会を探り、アプローチを欠かしません。

たった三ヶ月足らずでヨーロッパ中のあらゆるギャラリーに作品を出展している彼女のエネルギッシュな活動を伺っていると、私自身も望んだことはなんでも叶えられるという自分自身への信頼感を強められるような、ポジティブな感情に包まれました。

彼女の素晴らしいところは、そのあふれる自信は決して無鉄砲なものではなく、最終目標はどこまでも大きく掲げながらも、今やれる努力をひとつひとつ丁寧に、堅実に、コツコツこなしていく姿にあります。

ヨーロッパに来たことで、それまで一番得意としていたアルコールインクの材料が手に入り辛くなったこともポジティブに受け止めて、新しい画材との遊びを楽しんでいる姿が印象的でした。

毎日絵を描くことに直向きだからこそ大きな目標まで歩み続けられる自信を持てる。子供のような自由さと、スマートかつ堅実な歩みとのギャップがとても素敵だと感じました。そんな姿勢は彼女の作品からも感じとれます。

松川さん流・夢の叶え方

松川さんに夢を叶える秘訣をお伺いすると、「自分に負けないこと」と教えてくれました。

これは、松川さんがヨーロッパにくる直前に高知県で展示を開いた時にたまたま立ち寄ったレストランの亭主さんからいただいた言葉なのだそう。
その方が今、長年の夢だったレストラン経営をしながら実は東京でファッションビジネスを成功させていて、そんな方からの言葉だからこそ、シンプルな言葉に重みと確かさを感じられたと、私に教えてくれました。

どんなに大きな夢で遠く離れているように見えても、今やっていることの延長線上にあるってことだけはわかっているから、今やれることを出来るだけ沢山やるだけ。

何か難しいことに挑戦すればするほど、社会通念(たとえば、この職業で成功するのは難しいとか、沢山稼げる人は一握り…とかそういうの)が邪魔をするケースが多いと思います。

そんな常識から自分を切り離し、自分が本当にやりたいことは何なのか、どんなふうに生きたら楽しいか、どんな努力だったらいつまでも頑張れるか、自分の声を聞き続け、今できることをコツコツとやっていくことで、人生はどこまでも大きく変化させられるんだと改めて感じさせられたお話でした。

また、こんなにも短い時間の中でつぎつぎ夢を叶えていく松川さんの周りには、いつも素敵な友人やアート関係の方々がいらっしゃることも印象に残りました。彼女が周りの人を大切に、常に感謝の姿勢をもっているからこそ良い連鎖がどんどん広がっているのだと思います。

あなたには、夢がありますか?
この記事を読み、松川さんの人生からインスパイアされた方が一歩目を踏み出せますように。

私に沢山の話をシェアしてくださった松川さん、そしてこの記事を最後まで読んでくださった方、有難うございました!

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