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内向型でいいじゃん

私は昔から、超・内向型です。

どれくらい内向型かというと、4人以上の飲み会にはほとんど参加しないし(お酒が飲めないので飲み会に出席するのもレア)、たまに社交パーティに行くとうまく振る舞えないことに落ちこみすぎて次の日寝込むし、20代の頃ブラック企業に勤めるメリットは飲み会を断る真っ当な理由があることだって本気で思っていました。土曜日に人にあう約束入れたら、日曜日は絶対オフにしてます。

でも、内向型だからって、性格が暗いかというとそんなわけでもないんですよね。私はシャイ&陰キャなので人とワイワイ話せるようになるのにはかなり長い時間がかかってしまうのですが、中身は結構根明です。

自分の内向的な性格自体は嫌いじゃないけど、
毎回新しい人と出会うたびに自分の会話力の至らなさに落ち込んで、
あとから自分の下手くそな会話を反芻してシャワー浴びながら(((うぁーーー)))って頭を抱える経験が多すぎることはなかなか厄介で、
内向的な性格、どうやって治したらいいんだろうってずっと考えていました。

先週まで。およそ12年。

そんな私が、自分自身の棚卸しみたいなことをしていて、その中で内向型の強みを活かした生き方を紹介した動画を見てハッとしました。

・・・治さなくていいのか。(!)

その方は、内向型の人にとって、必要以上の人間関係はむしろ負債とまで言っていて、ネガティブな言葉にも聞こえるからあまりおおきな声で明言しないようにしてたものの、正直(わかるなあ)って素直に思いました。

数少ない近しい友人を除いて、誰かと過ごす時間は内向的な自分にとって多くのエネルギーリソースを割いて頑張らないといけない上に、得るものは少ないイベントで、周りの人ともっと仲良くなりたい気持ちがあっても、自分の気力がどうしても追いつかないんですね。

頑張ってちょっと内向的な性格を直したところで外交的な人に到底かなわないなら、内向的な自分にだから出来る強みを極めたらいい。そうやって、自分なりの手段で自分のことを伝えていけばいい。そういう視点を持ったことがなかったので、自分にとって嬉しい発見でした。

内向的な自分の強みをまとめてみると、こんな感じ。内向的な人はインプットとアウトプットに沢山時間割けることがわかる。

・1人で居ても全く苦じゃ無い(むしろ落ち着く)
・インプットする時間が外交的な人より沢山ある
・文章を書く方が喋るより得意

今は多くの人がSNSを使っている時代なので、私が私らしいアイデンティティをしっかり人に伝える手段は、社交パーティに行かずとも沢山あることにもっと可能性を感じるべきだと改めて気付かされました。(そうして最近、せっせとまたnoteの更新を再会している次第です)

イギリスに住み始めてから、異国の地に住んでいるのに社交をサボりすぎているような罪悪感はなんだかんだずっとあったので、そういう気持ちを解放することができて、少し肩の荷がおりました。

最近私の内向的な性格を肯定してくれたもう一つのきっかけが、映画「Perfect Days」を見たことです。ロンドン市内の映画館、CURZONでつい先日見てきました。(初めて行ったのですが、椅子がふかふかで1室に約15席しかなくて最高だった)この作品はWim Wenders監督のもので、村上春樹さん原作のDrive My Carも彼が撮っているんですね。

役所広司さんが務める主人公は街のトイレ掃除を仕事にしているのですが、その仕事に愛着を感じているのが振る舞いや表情から滲み出ていて、繰り返される単調な日々の中で、彼は自分のための幸せを沢山散りばめていることが伝わる、心温まる映画でした。

で、この主人公が、ほとんど喋らないんですね。内向的な私が見ても、もっともっと内向的だな、と思えるくらい、無口で社交するのは家族でさえも稀という具合。

でも、休日に古本屋さんに行っていいなと思う本を選んで毎日少しずつ好きな本を読んだり、職場に向かう車の中で毎朝お気に入りのカセットテープを聴いたり、開店直後の銭湯に行ったり、好きなお店で食事を取ったり(見ていて、これほぼ自分とうちの父の私生活だなって思った)、そういうシーンを詩的に切り取った綺麗な絵が続いているのをみると、すごく自分が肯定された気持ちになりました。

自分が幸せになるために、社会の物差しに合わせる必要なんてない。
ということをここ5年間くらいは指標にしているのですが、
改めてそれでいいんだ、と思える映画でした。

あらためて、内向型だな〜とは長い間ずーっと思っていましたが、内向型を「強み」として認識したことはこれまで一度もありませんでした。

やっぱり外交型の方が社会を効率的に生きていく武器になるだろうと思っていたし、実際、10年くらい前まではそうだったと思います。
でも今は少し風向きが変わってきていて、内向型の人には、内向型なりの自分の見せ方・武器の使い方をある時代になっていること、それを認識すれば、外交型の人には出来ないことを伸ばしていけることに気がつけたので、これからインプット・アウトプットをもりもり増やしていこうと思っています。

内向型羨ましい!って言われる社会がくる日も遠くはないかもしれません。そんな未来が来ると信じて、胸を張って自分の内向的な性格を思いっきり肯定していきたいな〜と思います。

最後まで読んでいただき、有難うございました。


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