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「何目指してるの?」の呪い

今やもう4年半ロンドンに住んでいて、あまり日本に住んでいた時のことを鮮明には思い出さなくなってきているけれど、いまだに思い出すと苦い気持ちになる言葉がある。

それが、タイトルにもある「何目指してるの?」です。

20代の頃、私は新卒採用で大手企業に就職する、という手段を取らなかった。(本当に、一社にも出していないし就活系のイベントも行ったことがないしリクルートスーツすら持ってませんでした)

それは自分にとってはすごく自然な選択肢でした。

なぜなら、もし自分がうまいこと大手企業に入れたとしても、どこの部署に配属されるかがわからないことが怖すぎる上に、ほぼ全員が経験させられる最初の何年間かの「営業職」で絶対にいい結果が出せないことをやらなくてもわかっていたから。

私は子供の頃から、やりたくないことを頑張るのが本当に苦手でした。
(今は、やりたくないことを工夫してやりたいことに変える力がついたんだけれど…それについてはまたいつか書きますね)

でも、偏差値高めの都内の私立女子校に6年通って、一定以上の私立大を卒業した私のそれまでの友人・知人に「新卒で就活しない」なんて人、いないんです。

だから、20代は周りの人がしている努力に相当するかそれ以上の努力を人と全く違う方法で成し遂げないといけないと思っていましたし、実際、社会人になってから、無事大手企業に就職を遂げた同世代の子達が飲み会・合コン・夜遊びetc… に明け暮れていたのを横目に、全く遊ばずにひたすら仕事して過ごしていました。
ひとつ前の記事に書いた通り、そもそも社交的なことに興味が薄かったことや、東京の街に飽き始めていたせいもあるけど、とにかく、1秒でもデザインの勉強がしたかった。(あと、薄給すぎて、飲みにいくお金がなかった。)

で、その当時私が、同世代の人たちから一番たくさん言われたのが、
(そんなに頑張っちゃって)「…一体何目指してるの?笑」って質問。

人生のレールに沿わないことを頑張っている人に対するGeneralな質問としてこの質問が飛んでくるところがいまだに嫌だったなーって思うし、当時の気持ちを思い出すと、今だに日本帰りたくないなーってなります。

20代で日本にいた頃は、デザイナーとして仕事を頑張るだけでなくて、もともと好きじゃなかった運動を好きになるための努力や、イギリスに行くために少しずつ英語の勉強も始めていたので、側から見ると「意識高い系」だったようです。

多分今もこれからも、私は日本に帰ればたちまち「意識高い系」なんだと思います。でも気がついたら日本に一時帰国しても、意識高いね・何目指してるの?とは言われなくなったので、きっとこの質問は「これまで自分と同じ人生を歩んでいると思っていた近しい人が、違うルートを歩み始めて生き生きしていることへの寂しさ」からくるチクチクとした質問だったのかな〜と感じています。誰から何を言われても自分が信じた道を淡々と歩んでいたら、次第に誰からも何も言われなくなるし、そうなってきた頃には人生が変わってるんだなっていう経験でした。

「何目指してるの?」とか「無理だよそんなの」といった呪いを経験したことがある人ってたくさんいると思うし、それで出鼻をくじかれて落ち込んでる人がいたら、ぜひ一緒に言ってやりましょう。


「「「今より幸せになれたらいいなって思ってるだけだよ!」」」

🫶🏼

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