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#02 なぜ、クリエイティブディレクションが必要か

今回はちょっとクリエイティブ寄りの話。採用サイトの制作などを依頼した経験のある人事さんは、広告代理店や制作会社から提示された見積書の中に「クリエイティブディレクション費」という項目を見つけ、「なんだ、この項目は?」と思ったことありませんか。案件によっては金額全体の10%〜30%くらいを占めていたりもする。決して、安くない金額。今回はこのクリエイティブディレクションというものがどうして必要なのか。僕なりにイラストを自作して解説してみます。


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採用サイトのTOP画面などで使用されるコピーやデザインといった「表現」は、世の中(オモテ)に出て学生たちの目に止まって初めて機能します。一般的には、その表現が自分たちが来てほしいと思っている学生(求める人材)の興味を喚起し、かつ、彼ら彼女らの心に深く印象づけられるほど、採用サイトの費用対効果も高くなります。


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で、その表現を高くジャンプさせるためには壁のウラ側に「発射台」が必要となります。コンセプトと呼ばれたりもするもの。この発射台をどの辺りに設置するか、その目星立てがクリエイティブディレクションの大きな役割の一つです。そして、この作業を行うプロがクリエイティブディレクター(CD)と呼ばれる人たちです。


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目星を立てたら、コピーライター(C)やデザイナー(D)とともに「理」となるロジックを組み上げていきます。本当にその発射台の位置でいいのか。人事さんも含め、全員が納得できる発射台を用意しなければ、思い切った表現はできませんし、チームのモチベーションも低下します。この理の整理とチームの鼓舞も重要なクリエイティブディレクションです。

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当然、優秀なCDほど、良いチームを集められますし、発射台の目星を早く、的確に立て、そのロジックを頑丈に組み上げるため、CやDは表現に当てられる時間が増えます。人事さんも安心して任せることができる。その結果、表現は高くジャンプできるのです。つまり、もし、クリエイティブディレクションが正しく行われていなかったら…

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せっかく世の中に表現を飛び立たせたとしても、肝心の学生たちの目に止まらないということが起きてしまいます。もちろん、採用サイトまでの導線の有無やそもそもの企業の認知度の違いなど、効果は様々な因子に影響されますが、少なくともウラでクリエティブディレクションを行っていれば、理を組み立てる段階のどこに間違いがあったのか、振り返り、次に活かすことができます。

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ちなみに…。狙う場所は正しくても、低い位置に発射台を設置してしまった場合、つまり、コンセプトがあやふやだったり、理の整理が足りず、全員の納得度が低かったりした場合。表現はおうおうとして思い切り飛べず、何を言いたいのかわからないものとなることが多いと思います。

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また、理が勝ち過ぎてしまうと、表現としては「正しいけど、面白くない」という状況に陥りやすいですね。理の部分は人事さん側も上司に説明しやすいため、つい、そのブロックを高く高く積み上げたくなるのですが、あくまで発射台までに止めること。そこから、表現を自由にジャンプさせないと、学生の心に届けることはできません。


採用サイトをはじめ、企業のコミュニケーションに関する表現は全員でつくりあげるもの。チームスポーツだからこそ、監督の存在は不可欠だと思います。もちろん、データを重視する監督もいれば、フィーリングと実績で結果を出す監督もいます。オーナーにお願いして、他チームから優秀な選手ばかり引き抜いて、選手より目立つ監督もいる。まあ、僕は生え抜きの選手が活躍するチームを応援したくなりますが、やっぱり、数年に一度は優勝を見たいですよね。


以上、なぜ監督が必要なのかでした。

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北 道高  コピーライター/クリエイティブ・ディレクター

仲間づくり、ファンづくりのためのクリエイティブを手がける株式会社Fan club代表。受賞歴はTCC新人賞、日本BtoB賞他。宣伝会議コピーライター養成講座求人広告クラスを担当。マンガ「愛すべきホロヨイたち」原作者、飲み会幹事を得意とする夜の作戦会議好き。

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