マガジンのカバー画像

漫画の感想

85
運営しているクリエイター

#鬼滅の刃

「鬼滅の刃」における「兄」とは何なのか&兄上(継国巌勝)についての独自解釈を語りたい。

「鬼滅の刃」における「兄」とは何なのか&兄上(継国巌勝)についての独自解釈を語りたい。

 前回の記事の続き……というより、思いついたことがあって考え直したので、その話をしたい。

※原作のネタバレがあります。
※独自解釈が爆発しているので、「解釈違いでも気にしない」という人のみお読みください。

◆「鬼滅の刃」の「兄」は、作内ルールを超越する特別な存在である。

「鬼滅の刃」は家族の絆が大きなテーマになっているが、その中でも「兄弟(妹)」はさらに特別だ。
 主人公の炭治郎が鬼になって

もっとみる
【「鬼滅の刃」キャラ語り】継国巌勝はなぜ鬼になったのか、なぜ物事の認知の仕方がおかしいのかについて話したい。

【「鬼滅の刃」キャラ語り】継国巌勝はなぜ鬼になったのか、なぜ物事の認知の仕方がおかしいのかについて話したい。

※本記事には「鬼滅の刃」の原作のネタバレが含まれます。
※解釈違いがOKのかたのみお読みください。

「柱稽古編」が始まったこともあり、久しぶりに巌勝のことを思い出した。
 自分が巌勝に興味を惹かれるのは、言っていることが支離滅裂すぎてそれが何故なのかと考えてしまうからだ。

 巌勝は知覚自体は歪んでいない。しかし外から受け取った情報に対する解釈がおかしい。
「その発想はいくら何でも無理があるだろ

もっとみる
アニメ「鬼滅の刃・柱稽古編」第一話の感想。

アニメ「鬼滅の刃・柱稽古編」第一話の感想。

 昨日から始まった「鬼滅の刃・柱稽古編」の第一話を見たのでその感想。
 物語的には決戦前の日常回の要素が強いけれど、柱の日常の姿が見れるのは柱稽古編くらいなので楽しみにしていた。

◆冒頭:アニメオリジナルの不死川と伊黒の共闘シーン

 のっけからアニメオリジナル展開で、不死川と伊黒が共闘していた。
 この二人、親友設定のはずだが、この時の言動は二人とも冨岡に対する時と大して変わらない。
 自分の

もっとみる
「八月の光」×「ビラヴド」×伊黒小芭内で社会構造と個人の関係について考える。

「八月の光」×「ビラヴド」×伊黒小芭内で社会構造と個人の関係について考える。

「奴隷制度が人の心にもたらすもの」について描いた、トニ・モリスンの「ビラヴド」が面白かった。

「奴隷制度について描いている」と書くとついそちらに意識がフォーカスされるが(そしてもちろんとても重要な問題だけれど)、自分がこの話で一番興味を惹かれたのは物語の語りの手法だ。

「八月の光」の解説の中で、フォークナーが活躍した時代はちょうどヨーロッパでモダニズム文学が流行していた、と書かれている。
 ア

もっとみる
【鬼滅の刃】おばみつにハマったのは、「伊黒はなぜ一人で死ななかったのか」が、どうしても納得がいかなかったからだと気付いた。

【鬼滅の刃】おばみつにハマったのは、「伊黒はなぜ一人で死ななかったのか」が、どうしても納得がいかなかったからだと気付いた。

*「鬼滅の刃」の伊黒小芭内×甘露寺蜜璃のカップリングについて、独自解釈を延々と語る記事です。解釈違いがOKの人のみお読みください。
*「鬼滅の刃」と「推しの子」のネタバレが含まれています。

 おばみつは信仰型恋愛(後述)だと思っているが、先日ふと考えた。
 なぜその中でおばみつだけこんなに何記事も書いているのか。
 なぜおばみつは自分にとって特別なのか。

 自分が原作の結末に納得がいかなかった

もっとみる
【鬼滅の刃】アニメの伊黒が蜜璃に靴下をあげるシーンについてちょっと語りたい。

【鬼滅の刃】アニメの伊黒が蜜璃に靴下をあげるシーンについてちょっと語りたい。

*原作のネタバレが含まれています。未読のかたは注意してください。

 完結してから見ようと思ったのだが、Twitterで靴下シーンがあがっているのを見て我慢できずに見てしまった。
 甘露寺さんの戦闘シーン、臨場感があって素晴らしかった。漫画ももちろんいいが、動くとさらにいい。
 あと甘露寺さんの背景が原作からかなり書き込まれていてよかった。
 鏡の前で髪の毛を黒くするシーンの悲しそうな顔にグッとき

もっとみる
【鬼滅の刃】急に「童磨×琴葉のどこが面白いか」を話したくなったので話します。

【鬼滅の刃】急に「童磨×琴葉のどこが面白いか」を話したくなったので話します。

*「鬼滅の刃」の13巻以降のネタバレが含まれています。注意してください。

刀の鍛冶里編が開幕するので、久しぶりに「鬼滅の刃」を12巻から読み返したらめっさ面白かった。特に童磨戦が初読以上に面白く感じられた。

童磨×琴葉に関しては、以前書いた通り「普通に両想いだったが、『鬼滅の刃』というストーリーの超文脈によってああいう描写になっているのだろう」と思っている。

なぜどこでそう思うかは↓の記事で

もっとみる
MBTIを用いて「鬼滅の刃」のキャラクター&ストーリー語り

MBTIを用いて「鬼滅の刃」のキャラクター&ストーリー語り

ユングのタイプ論を基にしたMBTIを用いて、「鬼滅の刃」のキャラクターとストーリーについて語りたい。
*専門家ではないので、雑談として読んで下さい。

「鬼殺隊VS鬼」は内実は完全に出来レース死傷者数は度外視して「どちらが勝つか」だけに注目すると、自分から見ると「鬼滅の刃」は完全に出来レースだ。

お館さまがチートすぎる。
自分は耀哉を「既に確定している結果を生み出す歴史の機能」だととらえている。

もっとみる

「鬼滅の刃」の公式ファンブック2を読んで、モニョったこととそこから考えたこと。

「鬼滅の刃」は、「自分とはちょっと考え方が違うな」と思うところが多々あるところが好きだ。

「進撃の巨人」と比べたとき、「巨人=鬼」の捉え方や扱いの違いも面白く感じる。
考えがまとまったら書きたいけれど、あえて言うと

「進撃の巨人」が

「自分の中の加害性(巨人)を知り、『自分もまた誰かにとっては巨人である絶望の世界を生きる』なかで希望を見出す物語」

「鬼滅の刃」が

「自分(人間)の中の加害

もっとみる